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本屋大賞:百田尚樹さん作家7年目で文学賞を初受賞  「直木賞以上の最高の賞」

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 全国の書店員が「一番売りたい本」を選ぶ13年の「本屋大賞」が9日、発表され、百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」(講談社)が大賞に輝いた。授賞式に出席した百田さんは、「作家になって7年で初めていただく賞。直木賞なんかよりもはるかに素晴らしい、文学賞の中で最高の賞。過去9回の作品はすべて“その年の出版界の顔”であり、そういう作品に私の作品を選んでいただいて本当にありがとうございました」と感謝の言葉を語りつつ、「間の悪いことに、村上春樹さんの本が12日に出ます。もしかしたら歴代の本屋大賞の中で一番売れない本になるかもしれない……」と危惧していた。

 大賞受賞者には副賞として図書カードのほかに通信教育の「ユーキャン」から自身が選んだ教育用教材が贈られるが、百田さんは「囲碁講座四段コース」を選択。「僕の唯一の趣味がマジックと囲碁。実は私、囲碁六段なんです。でも基礎がなっていない部分があるので、改めて四段からじっくり勉強しようと思いました」と明かし、マジックについても会場に集まった書店員に向けて「ご要望があればなんぼでもやります」と上機嫌で語った。

 百田さんは、1956年生まれ、大阪府出身の放送作家・小説家。放送作家として人気番組「探偵!ナイトスクープ」(ABC・テレビ朝日系)ほか数々の番組を手がける。06年に「永遠の0」(太田出版)を発表し、小説家としてデビュー。09年に発表した「ボックス!」(同)が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた。

 「海賊とよばれた男」は、出光興産と英アングロイラニアン社が争った1953年の「日章丸事件」をモデルにした歴史経済小説。異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐡造の生き様を描く。上下巻でこれまでに80万部を発行している。

 授賞式には、「舟を編む」で前年の大賞を受賞した三浦しをんさんが花束を持ってお祝いに駆けつけた。三浦さんは“舟”と“海賊”をかけて「海つながり。どちらも海洋冒険小説なんですけど……っていうのはウソで」とジョークを飛ばして会場を笑わせつつ、「本当に硬派で熱い小説。勇気をもらえるのと同時に、自分の背筋が伸びるような素晴らしい経済小説であり、人間ドラマが展開されている。受賞を機にますます多くの方が勇気や情熱を受け取るんだろうなと思うと、本当に素晴らしいことだなと思います」と語り、百田さんの栄誉をたたえた。

 本屋大賞は「売り場からベストセラーを作る」をコンセプトに創設され、今回が10回目。これまでに「ゴールデンスランバー」(伊坂幸太郎さん、08年)や「告白」(湊かなえさん、09年)、「天地明察」(冲方丁さん、10年)、「謎解きはディナーのあとで」(東川篤哉さん、11年)などが受賞し、多くのベストセラーを生み出した。

 今回は11年12月1日~12年11月30日に刊行された日本の全小説を対象に、全国463書店598人の投票でノミネート作品を選出。通常、上位10作品がノミネートされるが、今年は10位が総得点タイとなったため、上位11作品がノミネート作品となった。大賞を選ぶ2次投票では263書店307人が投票し、百田さんの「海賊とよばれた男」が選ばれた。なお、昨年から新設された「翻訳小説部門」では、テア・オブレヒトさん著、藤井光さん訳の「タイガーズ・ワイフ」(新潮社)が大賞に選ばれた。(毎日新聞デジタル)

 ◇最終順位(敬称略)

 1位「海賊とよばれた男」百田尚樹(講談社)▽2位「64」横山秀夫(文藝春秋)▽3位「楽園のカンヴァス」原田マハ(新潮社)▽4位「きみはいい子」中脇初枝(ポプラ社)▽5位「ふくわらい」西加奈子(朝日新聞出版)▽6位「晴天の迷いクジラ」窪美澄(新潮社)▽7位「ソロモンの偽証」宮部みゆき(新潮社)▽8位「世界から猫が消えたなら」川村元気(マガジンハウス)▽9位「百年法」山田宗樹(角川書店)▽10位「屍者の帝国」伊藤計劃、円城塔(河出書房新社)▽11位「光圀伝」冲方丁(角川書店)

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