47都道府県芸人グルメ便:寒川の「さむかわ棒コロ」 神奈川・囲碁将棋

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 吉本興業の若手芸人が、47都道府県に住んで地元に密着した活動をする「あなたの街に住みますプロジェクト」。全国に住む「住みます芸人」の皆さんに各地のおいしいものを紹介してもらいます。今回は、神奈川に住むお笑いコンビの「囲碁将棋」が、寒川のB級グルメ「さむかわ棒コロ」を紹介します。(毎週日曜更新)

ウナギノボリ

 神奈川県住みます芸人の囲碁将棋と申します。神奈川育ちの僕たちは芸人になって10年目。アニバーサリーである。そんな結成10周年を自分たちで祝うべく、僕たちはコロッケを求めに神奈川を走り回る旅に出ました。

 一度は食べたことがある昔から愛される国民的なおかず、コロッケ。丸く、ゆでたジャガイモやひき肉を入れてソースをかけて食べるものが一般的です。ですが、寒川町にある食厨房(ちゅうぼう)「なかなか」のコロッケは棒状の形をしつつ、ソースなどはかけずに食べられる独特な一品「棒コロ」として出しているという情報を聞きつけ、そんな型破りなコロッケを食べるべく、マイ箸は忘れないようにお店へ駆けつけました。

 お店に到着。期待とマイ箸は忘れないようにお店の中に入ると、非常におしゃれな雰囲気が感じられます。洋風で個性的な机や椅子が並び、居心地が良い。ここでコロッケが食べられると妄想していくとマイよだれが止まりません。冷静になろうと店長の渡邊さんに棒コロが誕生した経緯をうかがうことにしました。

 寒川のB級グルメを決め、町の経済を発展させるべく開催された「さむかわB−1バトル」。応募された39品の中からグランプリに選ばれたのが、渡邊さんが考案した「寒川棒コロッケ」で、ネーミングを「さむかわ棒コロ」と変え、誕生したそうです。

 現在では町内の15店舗で棒コロを販売しており、作る際のルールも定められています。「1、ライスペーパー(生春巻きの皮)を使用すること」「2、ジャガイモを使用すること・具材にしっかり味をつけること」「3、できるだけ20センチくらいの棒状にすること」「4、カットして提供する場合には、できるだけ揚げたての棒状を見てもらいビックリさせること」の四つがあるそうです。

 各店舗で具材の味がそれぞれ変わることも特徴の一つ。そば屋さんではそばが入っていて、すし屋さんだったら魚介類が入っているそうです。寒川のコロッケの進化は日本一早いと言っても過言ではありません。

 話をうかがっているうちについに棒コロが登場。大きい! 約20センチの棒コロは僕たちの想像以上の大きさで現れ、持ち上げてみると重さ約300グラムというずっしりとした重量感が迫力満点でした。しかし、ここでマイ箸を忘れてしまったことに気付きます。渡邊さんには内緒にしました。

 食べてみると、タマネギのシャキシャキ感と、豚肉、チーズ、バターなどを混ぜて作られている具材が非常にマッチしていて食べやすい! 見た目のボリューム感を良い意味で裏切り、一気に食べきってしまいました。

 ここでポイントなのが、具材がソースで味付けされているのでソースをかける必要がないこと。中学時代、サッカー部の部活帰りに買ったコロッケにソースをかけると手が汚れてしまったという渡邊さん。その時を思い出し、持ち歩いて気持ちよく食べられるように工夫された棒コロは、地元で開催されるJリーグの試合などでもサポーターが数多く食べる姿が見られるようになりました。

 「なかなかいいよね」。中くらいのイメージを持ってもらいたいという思いから店名を「なかなか」にしたそうです。棒コロと渡邊さんの笑顔が僕たちのアニバーサリーを盛大に祝ってくれました。次回行く時は、マイ箸を持っていきます!(取材協力:食厨房 なかなか 0467・75・9332)

 ◇囲碁将棋のプロフィル

 根建太一(横浜市出身)と文田大介(神奈川県茅ケ崎市出身)コンビ。神奈川の住みます芸人として11年5月から活動している。毎日午後10時から「神奈川ライフ」(http://www.ynn47.jp/kanagawa/)をユーストリームで生配信中。現在、吉本興業創業100周年記念イベント神奈川100ライブ囲碁将棋58市町村制覇ツアー「お暇なら来てよね。」を実施している。

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