47都道府県グルメ便:「どんどん焼き」 山形・三浦友加

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 吉本興業の若手芸人が、47都道府県に住んで地元に密着した活動をする「あなたの街に住みますプロジェクト」。全国に住む「住みます芸人」の皆さんに各地のおいしいものを紹介してもらいます。今回は山形県に住むお笑い芸人の三浦友加さんがおなじみとなった名物「どんどん焼き」を紹介します。(毎週日曜更新)

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 はじめまして、山形県住みます芸人の三浦友加です! いんや~今回皆さんにご紹介させていただく、山形のご当地グルメは山形が誇るソウルフード「どんどん焼き!!」。お好み焼きのような生地を箸にぐるぐる巻いたようなルックスのこのどんどん焼き! 山形の内陸地方ではお祭りやイベントの屋台には欠かせない存在でもあり、普段でも食べられるよう専門店やスーパーのフードコート内にもお店があったりします。

 写真では伝わりにくいかもしれませんが、実はペットボトル位の大きさというなかなかのビッグサイズ! にもかかわらず、1本約150円!といううれしいお手ごろ価格なので、食べ盛りの学生のおやつに、または若者から年配の方のランチとして、ママ友会のお茶請けとして、またはお父さんのビールのおつまみとして、など、お手ごろな分、家族や訪問先のお土産として一度に何本もまとめ買いする人も多く、もらった人は必ず喜ぶほど大人気なのです!

 実は、どんどん焼きの由来はもともと「お好み焼き」……ではなく、なんと「もんじゃ焼き」が変化して今の状態になったと言われてます。材料や作り方はいたってシンプル! まずは粉ものということだけあって、小麦粉がご登場。ただ、お好み焼きのように、だし汁や卵を加えて溶くのではなく、なんと水のみ。小麦粉を水で溶いた生地を鉄板に楕円(だえん)形に薄く流して焼き、具材は小さく切ったのり、うす~く切った魚肉ソーセージ、少しの青のり、わずかな海老粉などそれだけ!!

 それを2本の割り箸にくるくるとロール状にまとめてた~っぷりのソースをハケで塗れば、山形名物「どんどん焼き」の完成です!! 正直、初めて食べる人からは「なんてケチ臭いお好み焼きだ」「だし汁も具も入っていないのにうまいわけがない!」など、散々言われることもありますが、とりあえずいったん口の中に放り込めば「う、うんま~い」ととりこになる人も多いです。

 このどんどん焼き、なんといっても魅力は生地のもちもち感! 小麦粉と水のみ、というシンプルだからこそ味わえる小麦粉本来の豊かな風味とモチモチの食感、そしてたっぷりのソースの甘辛いハーモニー、そしてたまに感じるわずかな具材が本当にありがたく、魚肉ソーセージがごちそうに感じます!

 初めて食べるのになぜか懐かしい……。まるで、「三丁目の夕日」のあの時代にタイムスリップしたような気分になります。そもそも、どんどん焼きの名前は大正時代に東京の屋台で「♪どんどん」と太鼓を鳴らしてお好み焼き風のおやつを売っていたり、売っているそばから「どんどん」売れるのでこの名前が付いたのだとか。

 山形にこの東京の食べ物が残っているのも気になるところですが、東京でどんどん焼きの修業をした大場亀二郎さんが山形に戻り、1938年ごろにリヤカーで販売したのが始まりと言われています。最初はどんどん焼きを「経木」という薄い木の板に乗せて売られていたようですが、熱くて食べにくいため1本の木の棒に巻きつけて売るようになり、後に2本の木の棒、割り箸などに変化していったと言われています。

 サイドストーリーもなかなかユニークなどんどん焼き!! 子供から大人、じいちゃん、ばあちゃんまでみんなが笑顔になるソウルフード!! ぜひ皆さん、山形のおいしいどんどん焼き、一度食べてみでけろなぁ~!!

 ◇三浦友加のプロフィル

 1982年5月12日、山形県鶴岡市生まれ。NSC東京10期生。特技の料理を生かして「やまモリ!」(NHK山形)、「Nスタやまがた」(TUY)で料理コーナーを担当している。ライブでは手相占師としても活動。ひそかに各界の著名人を顧客に持ち、一部では「吉本の母」とも呼ばれている。「三浦友加のこばえちゃ山形」(http://www.ynn47.jp/yamagata/)をユーストリームで生配信中。

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