JOY:劇場版「仮面ライダー」最新作に出演 スイカにのまれるシーンは“ドッキリ”?

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 仮面ライダー同士が共演する劇場版シリーズ最新作「仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦」が14日に公開された。今作は、ウィザード編、鎧武編、両ライダーが合流したエピソードの3部で構成され、仮面ライダーたちが“武神”と呼ばれる異世界で強大な敵に立ち向かう姿を描く。天下統一を目指すイエヤス役として映画初出演を果たしたタレントのJOYさんに話を聞いた。(遠藤政樹/フリーライター)

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 「怖かったです。映像でのお芝居はやったことがなかったので、大丈夫かなという不安がありました」とオファーがあった際の心境を振り返るJOYさん。「ずっとドラマとか映画が決まらないかなと言っていました。そのときは言っているだけでしたけど、いざ決まると怖いなという。ちゃんとやらなきゃいけないですし、『使えないな』と思われたらどうしようみたいな、ネガティブなことが一気に頭の中に広がりました」と待望の映画出演だったにもかかわらず、胸中は不安でいっぱいだったという。そして「台本を見たらせりふがすごく多いし、一発目にこれはきついだろうと。せりふは4行ぐらいでいいと思いました(笑い)。やるしかないなという気持ちにはすぐ切り替わりました」とJOYさんらしい言い回しで喜びを表現した。

 「仮面ライダー」へのイメージや自身の体験を聞くと、「見ていたし、仮面ライダーショーも地元に来たものを親と見に行ってました。数年前には、仮面ライダーの主演をした瀬戸(康史・紅渡/仮面ライダーキバ役)君たちのライブを渋谷duoに見に行きました。ライダーの勢いはすごいというのは聞いていたし、お客さんもすごく盛り上がっていて、すごいなこの世界みたいなことを感じました」と思い出を語った。ちなみにJOYさんが見ていて印象に残っているのは「仮面ライダーBLACK RX」だという。

 今作でJOYさんが演じるのは天下統一を目指す“ポップな” イエヤスという役。プロデューサーからは「今回のイエヤスを演じるのはJOYさんしかいない」と熱烈なオファーだったそうだが、JOYさんは「すごくうれしかったです。確かに台本を読んで俺っぽい、言い回しも俺っぽい部分があると思いつつ、やっぱり男気やまじめな部分になると、これ、俺なのかな……と途端に怖くなっちゃうような思いはありました」ともらす。イエヤスという役は「僕がキャスティングされたところからも分かる通り、すごくチャラい部分だったりポップな部分がある役で、“あんちゃん”みたいな感じ。普通に街中のチャラ男みたいな部分もありつつ、民を守りたいとか男気がある部分という、すごく両極端なギャップを持っている男ですね」と分析する。

 自身のイメージに似た部分もあるというイエヤスを演じる上で、JOYさんは「軽い部分を演じるのは割とバラエティーの僕に近かったりして演じやすかったんですけど、男気ある部分は俺、男気あるかなと思ったらそんなにないし、どうやって演じようみたいな難しさはありました」と語り、シリアスなシーンをどう演じるかで悩んだという。実際にどのように役作りしたかを聞くと「もともと、役者ではないから役作りという役作りができるわけでもなく、時間もなかったので、自分の今までの経験の中で男気のある部分、何かそういう人を引っ張っていく部分がどこにあったかなと考えました」と話し出した。続けて「中学のころ、サッカーが大好きで部活にすごい打ち込んでて、キャプテンだったし、みんなをすごく引っ張っていくというような自分がいたので、そのころの俺を投影できるな、ここに出せるなと思いました。そのころのスイッチを久しぶりに入れて演じました」と自身の体験に基づき、演技プランを練ったことを明かした。

 特撮作品ではコンピューターグラフィックス(CG)などを用いるため、撮影現場では何もない状況で演技することもある。「それがすごく難しかった部分。いくつかあり、3~4メートルぐらいの巨大なスイカにのみ込まれるシーンも当然目の前には何もなく、ただ3メートルぐらいの長い棒を持った人が僕に近付いてくるだけ(笑い)」とJOYさん。そして「スイカが来てる感じでやらなくてはいけなくて、ちゃんとできているのかどうか怖い。CGは(完成した)映画とかで見ている分には何も違和感なく見ていますけど、役者さんたちは何もないところでやっていると思うと、やっぱりすごくうまいし、俺はまだ恥ずかしさとかちょっと出たりもしちゃいました。(撮影を)みんな見てるし。スイカにのまれます、えーっ、みたいな(笑い)。タレントの感覚からいうとドッキリ。劇場で見るのはすごく楽しみです」と自身も完成シーンに期待を寄せる。

 映画の現場に「怒号が飛び交っているというか、誰かが殴られたり蹴られたりしていて、監督はずっとキレている」という怖いイメージを抱いてたJOYさん。撮影現場を体験した感想は「そんなことを考えていてバカだったと思いました。すごく和気あいあいとしていて、もちろん要所要所で締めるところは締めてという硬さはありましたけど、基本的にはいい空気が出来上がっていて“ナイスファミリー”という感じでした。監督の作り出す空気がすごくよかったし、オンとオフが素晴らしくはっきりしている現場で入りやすかったです」と笑顔で振り返った。

 また、JOYさんは共演したウィザード役の白石隼也さんを「落ち着いているイメージ。役も普段も独特の雰囲気が出ていて安易に近づけないなという、危なさを感じさせるような青年」、鎧武役の佐野岳さんを「少し子供っぽさもあって“親しみやすいあんちゃん”というイメージ。向こうからもガンガンきて白石君と真逆な感じ」と独特の表現で主演の2人を評した。

 性格だけでなく衣装もオリジナリティーあふれるイエヤス。衣装のポイントを「ハットもそうですが、前髪を出したりとか今っぽくしている。もともと『メンズエッグ』という雑誌に(モデルで)出ていて、そのときやっていたサングラスをベルトにはさむというのを衣装合わせでやっていたら、監督が『それいい』となって採用されました」とJOYさん。さらに「アクセサリーもじゃら付けにしたいといってじゃらじゃら付けさせてもらいました」とアイデアを出したことを明かした。

 見どころについてJOYさんから「小さい子どもたちは歴史上の(徳川)家康を知らないと思うから、これがイエヤスでちょっとチャラい人と思わせたい(笑い)。いつか学校で勉強したときに『僕らが知っている家康と違う』となってほしい」とジョークを交えて語った。笑いを誘った後は「とにかく壮大なライダーの映画になっていると思うので、大人も楽しめると思う。子どもからしたら歴代のライダーも出てきますから、知らないライダーもいるだろうし、鎧武とかウィザード以外にも自分の好きなライダーが現れるかもしれない。いろんな楽しみ方がある映画だと思います」とまじめにアピールした。そして「子どもにキャーキャー言われたい。僕は全然子どもに知られていないので、そこがちょっと僕の中で一つのテーマというか目標。子どもに認知されて、『イエヤスだ』って言われたいです」と意気込みを語った。映画は新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。

 <プロフィル>

 1985年4月15日生まれ、群馬県出身。高校在学中にスカウトされ、雑誌「メンズエッグ」(大洋図書)のモデルとして活動。その後、タレントとして数多くのバラエティー番組に出演する。冠番組の群馬テレビ「JOYnt!」ではMCを務めるほか、TBS系「アッコにおまかせ!」では準レギュラー、日本テレビ系「ヒルナンデス!」ではコーナーレギュラーで出演中。2012年からは音楽活動も行う。

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