注目映画紹介:劇場版「ゲームセンターCX」 有野課長と少年の「マイティボンジャック」を巡る物語

「ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック」のイメージカット (C)2014 ハピネット/ガスコイン・カンパニー
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「ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック」のイメージカット (C)2014 ハピネット/ガスコイン・カンパニー

 お笑いコンビ「よゐこ」の有野晋哉さんが昔のコンピューターゲーム(レトロゲーム)のクリアを目指す人気番組「ゲームセンターCX」(フジテレビONE)の放送10周年を記念して製作された映画「ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック」が22日に公開された。「ゲームセンターCX」は、2003年11月に放送が始まったバラエティー番組で、有野さんが“有野課長”となってレトロゲームに挑戦し、エンディング画面を見るために奮闘する。映画では有野課長が初めて観客の前で攻略に挑んだ「マイティボンジャック」をプレーする姿と、ゲームを愛する少年が不良に取られたゲームソフトを取り戻す物語を描く。「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」(11年)の蔵方政俊監督がメガホンをとり、主題歌は、ロックバンド「怒髪天」が初めて映画主題歌として書き下ろした「プレイヤー1」を歌う。

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 1986年、ゲームを愛する少年・ダイスケ(吉井一肇さん)は、恋心を抱くクラスメ−トのクミコ(平祐奈さん)と、ゲームソフト「マイティボンジャック」の話題で盛り上がり、ソフトを貸す約束をする。ところが、不良たちグループにソフトを“借りパク”(借りたまま返さないこと)されそうになってしまい、ソフトを取り戻すべく立ち向かう。一方、2006年、「ゲームセンターCX」のファンが詰めかけた東京・一ツ橋ホールでは有野課長(有野さん)が高難易度で知られる「マイティボンジャック」のクリアを目指していた。挑戦終了のタイムリミットが迫る中、有野課長はエンディングを見ることができるのか、そしてダイスケの恋の行方は……という展開。

 24時間生挑戦や日本武道館でのイベントなど、前代未聞の試みに数多く挑戦してきた同番組だが、放送開始10周年記念とはいえ、映画化には本当に驚かされた。有野課長の挑戦というドキュメンタリー要素が軸の番組がフィクション全開の映画ではどのような形になるのかと思っていたら、ゲーム挑戦とドラマ部分がミックスされ、1980年代と2000年代が交錯し、全体にどこか懐かしいレトロな雰囲気を醸し出す映画に仕上がっていた。ダイスケと有野課長という2人の主人公のストーリーは「マイティボンジャック」を媒介に時代を超えて邂逅(かいこう)する。2人が出会うシーンは、一ツ橋ホールでの挑戦を知る人なら思わずニヤリとすることだろう。ファミコン風のテロップやRPGをイメージした衣装など、ゲーム愛に満ちた演出の数々が心憎い。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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