ぴなメイドな生活:BiSと私の卒業

 
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 ビール大好き1号店メイドはるかです! なな、なんと! 卒業3日前にこのまんたんコラムに登場することができました! うれしい。

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 私は今回BiSというアイドルグループと私の卒業についてお話ししようと思います。

 私がBiSに出会ったのは昨年のRock in Japan FestivalのDJブースでした。もともと女性アイドルが好きな私は、メンバーも曲もなにも知らないのに友達と一緒に3列目という良位置で待機していました。周りにはアイドルヲタというよりロキノン厨の集団というイメージ。年齢層は若くみんなおしゃれで、いい雰囲気だなと私は感じていました。しかし、曲が始まると人目をはばからず大きく振りコピをして、曲に合わせて前方に後ろの人がどっと押し寄せてきました。私と友達はぺしゃんこです。最終的に人の上に人が飛び込むダイブ行為も始まりました。20代前半の6人組のアイドルたちに大人の男性たちが本気でぶつかっていくのです。私はその光景がとてつもなくかっこよく見えました。

 フェスから帰り、BiSのことを調べると、樹海をメンバーが全裸で走り回る「全裸PV」や、メンバーがスクール水着で客席に飛び込む「スク水ダイブ」など過激なパフォーマンスをしてることを知り、よりぞくぞくしました。気づけば、CDのリリースイベントやワンマンライブなど……、私はたった1人で現場に乗り込むようになりました。そこで、研究員(BiSファンの総称)のみなさんと一緒に声を張り上げたり、汗まみれになってモッシュをしたり、周りの方に体を持ち上げてもらい、ダイブ行為をしたりと、一丁前に研究員として活動していくうちに、メンバーに顔を覚えてもらえるまでになりました。

 BiSの接触イベントは他のアイドルと違い、握手やチェキ撮影だけでなくファンと抱き合ってチェキを撮るハグチェキや、チケットにキスをして口紅をつけるキス会など、他のアイドルに比べて踏み込んだファンサービスをしています。普通は気持ち悪い、体を張って荒稼ぎするアイドル、など悪い印象を持たれるでしょう。

 しかし、メイドになって私はわかりました。自分のために足を運んで来てくれるお客さまに対してそのような行為をすることに全く抵抗がないのです。ぴなふぉあの規則でお客さまとメイドが触れ合うことは禁止されているので残念ながら私はできませんが、BiSのメンバーたちが言うように、私とお客さまの間には愛があると思います。何度も顔を合わせて、お互いの近況や悩み、くだらない話をすることで信頼が生まれます。実際、メイドとお客さまとでは一線が引かれています。本名も知らないし、連絡先も知りません。しかし、心はつながっていると思います。

 それは2月23日にぴなふぉあを卒業して会えなくなってもずっと。メイドにならなければかけてもらえなかった言葉、過ごせなかった楽しい時間があります。卒業してもその記憶は決して消えないと思います。

 そしてBiSも7月に横浜アリーナで解散します。BiSのメンバーたちも駆け抜けたアイドル人生をずっと忘れないことでしょう。

 アイドルもメイドも、限られた時間の中で自分なりの居場所を見つけ、ファンやお客さまとふれあえるからこそ、輝いた時間を過ごせるのではないかと思います。

 私はメイドのくせにビール好きを公言したり、ツイッターで毒を吐いてみたりと可愛らしいメイド像とはかけ離れた存在だったと思いますが、ぴなふぉあで出会ったお客さまの心の片隅にずっといられるような存在でありたいと思います。

 8カ月という短い時間でしたが、今までありがとうございました。

 はるか

 ◇著者自己紹介

 はるか メイドカフェぴなふぉあ1号店所属の永遠の17歳。BiSの殺し屋担当テンテンコ推し。テンコ界隈。中本の北極ラーメンが好き。2014年2月23日卒業。

 ※このコラムでは、一部特殊な表現が使われていますが、コラムの趣旨に則り、できるだけ原文のままの表現としています。(編集部)

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