注目映画紹介:「映画クレヨンしんちゃん」 父・ひろしを主役に家族愛描く 大人も泣ける佳作

(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2014
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(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2014

 人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版アニメ最新作「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」(高橋渉監督)が公開中だ。今作は劇場版22作目で、主人公・野原しんのすけの父・ひろしがロボットにされてしまったことから巻き起こる騒動を描き、「劇団☆新感線」の作家で特撮ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」などの脚本を手がけた中島かずきさんが脚本を担当した。しんのすけ役の矢島晶子さんらレギュラー陣に加え、初の2作連続ゲスト声優で謎の天才科学者・頑馬博士役にコロッケさん、女性警察官・段々原照代役に劇場版アニメの声優初挑戦となった女優の武井咲さんが出演。モデルで歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんが、自身初の映画主題歌として「ファミリーパーティー」を歌う。

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 ある日、ぎっくり腰を治しにマッサージに行った父・ひろし(声・藤原啓治さん)が、自宅に帰ってくるとロボットになっていた。リモコンで家事をする“ロボとーちゃん”を見てしんのすけ(声・矢島さん)は喜ぶが、母・みさえ(声・ならはしみきさん)は戸惑う。ロボとーちゃんは家庭での立場がすっかり弱くなってしまった日本の父親たちの復権をもくろむ「父ゆれ同盟(父よ、勇気で立ち上がれ同盟)」による陰謀で、父親たちが暴動を起こす中、しんのすけとロボとーちゃんが立ち上がり……というストーリー。

 どこかゆるさを感じさせるテイストのアニメながら、劇場版では毎度感動を与えてくれる。今作も親子や夫婦など家族愛がテーマとなっているだけあって、クライマックスでは感動で自然とほろりときてしまう。「クレヨンしんちゃん」ならではの奇想天外なアイデアで家族の絆が描かれ、感動だけでなく“らしい”笑いでも楽しませてくれる。シナリオは劇作家の中島さんが手がけただけあってウイットに富んだせりふや遊び心満載の展開で、ゲスト声優の声もしっくりとはまり、物語を盛り上げる。終盤の腕相撲のシーンは涙なしには語れず。しんのすけとひろしの親子の絆と奮闘に心が動かされる大人が泣ける映画だ。TOHOシネマズ日劇(東京都中央区)ほか全国で12日から公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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