水曜日のダウンタウン
電気イスゲームトーナメント 1回戦第2試合 ほか
11月20日(水)放送分
俳優の城田優さんが、CS放送「女性チャンネル♪LaLa TV」のドラマ「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな(わたプロ)」シーズン2(毎週水曜午後11時ほか)で、ドラマ監督デビューをする。ドラマは、音楽プロデューサーや作詞家、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんのベストセラーが原作で、第1弾が2014年11月に放送された。城田さんが監督を務めたのは21日ほかで放送されるエピソード8(「ネットの噂話を、いちいち彼に報告する。」「彼の男友達が、ことごとく独身だ。」「彼の母親は完璧だ。」)で、ヒロイン役を黒川智花さん、恋人役を渡部豪太さんが演じている。初めてドラマ監督に挑んだ城田さんに、撮影エピソードや監督業について聞いた。
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ショートフィルムの監督経験はあった城田さんだが、ドラマ監督を務めるのは今作が初めて。「演出や監督にはチャンスがあれば挑んでいきたいと思っていた」と話す城田さんは監督オファーを受け、「単純にうれしかったですし、やってみたいと思いました」と喜ぶ。
監督業への挑戦を意識し始めた時期については、「監督をやっていこうと志したきっかけは厳密にはない」と語るも、「撮ることが好きで、20歳頃から自分で8ミリカメラを使って友人らと、監督、脚本、演出、編集を自分がすべてやって、身内だけが笑える30分程度のドラマを撮ったりしていました」と明かす。しかし「趣味でやっているのと仕事としてやるのでは、クオリティーも変わるし、責任もあるから、実際に(仕事として監督業に)足を踏み入れるのは怖かった」という。
満を持しての監督挑戦には「名前のある役者さんたちでドラマを作るのは、すごくありがたい」と笑顔を見せるも、「同時にプレッシャーもあって、(『わたプロ』には)有名な監督さんたちもいらっしゃるわけで、若干ビビっていたりもします」と正直な気持ちを語る。
撮影現場では城田さんが役者ということもあってか、「やってはいけないことかもしれませんが、僕の場合は自分も演技している側だからか、(演出するときも)自分で演じて見せてしまう」と自身の演出方法を説明。「役者さんにとってやりやすかったのか、やりづらかったのかは分かりませんが、役者ならではの演出の仕方なのかなと」と自己分析する。
自身の監督ぶりについて「僕が10年、20年ぐらい監督をやっていて、相手が10歳、20歳下なら『違うよ、そこ!』みたいなことを言うかもしれないけど、とんでもないです(笑い)」といい、「役者は同世代で、経験も同じくらいだから、どこまでどういってもいいのだろうという感じでした」と振り返る。特に渡部さんが城田さんのことを「監督」と呼んできたときは、「ちょっと構えてしまったりしましたが、監督なんだから『とにかくいいたいことはいおう』と自分を奮い立たせていました」という。
渡部さんの役柄は「落ち着きのある大学院生という感じの役だったので、あまり芝居に演出をつけることはなかった」そうだが、桜役の黒川さんについては「僕がもっとこうしてほしいといい続けていたので、(黒川さんは)自分の中で振り切るのが大変だったのでは」と心中を思いやる。撮影終了後、黒川さんから「城田さんのお陰で新しい自分が見いだせました」と声を掛けられたこと明かし、「僕は絶対にできると思っていたので、よかったなと思います」と喜ぶ。
監督として難しかったことは「カット割り」だといい、「最低限のルールのようなものがあるのですが、専門の勉強をしているわけではないので、よく分からない」と城田さん。続けて「カメラワークに関しても素人なので、周りのスタッフさんにいろいろ聞いたり、相談や確認しながら進めました」と語り、「すべてが“城田ワールド”というよりは、ルールにのっとって自分の世界観を作っていくことに務めたつもりです」と力を込める。
今作の脚本はふじきみつ彦さんが担当しているが、城田さんは原案としても参加している。「僕なりにイメージしたレベルのものを見せたところから始まり、打ち合わせをしながら広げていった感じです」とストーリー作成のプロセスを説明し、「台本の前半は、ほぼ僕のイメージ通り。桜と洋介という名前や年齢設定もそうですし、モノローグから始まりカフェでコーヒーカップにコーヒーが注がれて、といった一連の流れも、だいたい僕が書いたイメージ通りになっています」と満足げな表情を浮かべる。
物語はインターネットのうわさ話がテーマだが、「原作にあるうわさ話というフレーズを拾い上げた」といい、「今のご時世、僕もそうだし、誰しもがそうだと思いますが、スマホから情報を取って本当かうそか分からないことをうわさしている人がいて、そこを掘り下げてみた」とアイデアの発端を明かす。続けて、「うわさ好きでスマホをいじってばかりいるネット中毒やスマホ依存みたいな女の子を作り上げて、正反対の男の子を作っていきました」とキャラクター誕生の経緯を説明する。
話を聞いていると創作へのモチベーションの高さを感じるが、「昔から創作へのモチベーションは高く、作ることがすごく好き」と話し、「曲も作りますけど、作っている時間や頭の中で想像しているものを足していくのが面白いから、監督をしているときもロケハンしながら、ここでこのシーンを撮って、などと想像しているときが楽しい」と目を輝かせる。
さらに「実際、役者さんが衣装を着て自分が指定した小道具が置いてあるところで、自分の原案からできた本の中身、つまり僕がイメージしていることが具現化されている。監督をやるとなるとそうなってくると思う」と監督業のやりがいを語り、「責任とか、完成度の度合いやよし悪しは置いてといて、とにかく楽しいし大好き! 急な告白ですけど……」といって笑う。
ドラマは男女の恋愛にまつわる悲喜こもごもを描いているが、すてきだと思う女性像は、「まず何よりも思いやりのある女性。何事に対しても、特に自分の周りの人に対してもちゃんと思いやりがある人」と城田さん。「例えば、飲み会で10人くらいの男女がいたとして、女性のどこを見るかといえば、女の子が自分に対してではなく他の人に対してどういう態度をとっているかを見ます」と具体例を出して説明し始め、「僕に優しくて好意を持っている感じでも、友だちに対して冷たかったり、酔っぱらっている人を放っておいたり、困っている状況でも見て見ぬふりをしていたりなどしたら、僕の中では(その人は)ないです」と内面重視の姿勢を示す。
さらに「最低限、誰に対しても思いやりがないといけないと思うし、そういうところはちゃんと見抜きたい。家族や友だちに対して親身に手を差し伸べられるような人がいいなと思う」と話し、「理想をいえば、料理が上手な人。この仕事をしていると不規則な生活で、外食ばかりになってしまいますので、家に帰ったらおいしいご飯が待っているみたいなのは理想の生活です」と思いをはせる。そして、「そういう人がいたらプロポーズしたくなっちゃいます」と照れ笑いを浮かべる。
監督を経験してみたことで、城田さんは「監督の気持ちはやってみないと分からない。特にどれだけいいものを作りたいと思っても、時間との戦いなので妥協しないといけないときもある」ということに改めて気付かされ、「監督さんが何を感じているのかや考えているのかを、なんとなく感じられるようにはなったのでは」と役者としての糧になったことを明かす。その結果、「今までは自分が出ているシーンやせりふがカットされていると『あんなに撮ったのに』と思っていましたが、今はカットされても苦肉の策なんだなと感じる」ようになり、「監督は役者全員から『どうして(あのシーンを)切ったんだ』と思われてしまうから、僕は監督には優しくしてあげようと当時は思いました」とちゃめっ気たっぷりに語る。
今後、挑戦してみたいことを「歌が好きだから、ミュージカルとか歌う作品の監督をしてみたいし、出演もしてみたい」と語る城田さんだが、監督と出演を同時にこなすことは、「監督するときは監督に集中したいので、それはちょっと難しい」という。その理由を、「本を書いたり、監督をしたり、主題歌を書くとかはできますが、監督しながら主演や出演というのは、同時進行だからどちらかがおろそかになったり、冷静な判断力がなくなってしまう可能性があると思う」と冷静に分析する。だが、「10年後とかには、もしかしたら、監督やりながらの主演は面白いといっているかもしれません(笑い)」といって笑う。
ドラマの見どころについて「今は誰もが携帯電話やスマホを持っていて、電車に乗っててもカフェにいても、誰かが携帯をいじっている」と切り出し、「携帯がない時代はどうやって過ごしていたのか思い出せないくらい当たり前になっている、携帯やスマホがメインで、見ている皆さんも『私も危ないかも』と心当たりのある人もいるかもしれない話です」と解説する。そして「現実的な物語になっていると思うし、すごく共感できると思うので、楽しんでもらいたいです」とメッセージを送った。城田さんが監督した第8話は21日ほかで配信。
<プロフィル>
1985年12月26日生まれ、東京都出身。2003年に俳優デビューし、ドラマや映画、舞台など幅広いジャンルで活躍。主な出演作に、ミュージカル「エリザベート」「ロミオ&ジュリエット」「ファントム」、ドラマ「○○妻」「表参道高校合唱部!」、映画「明烏」などがある。2016年1月には「地球ゴージャスプロデュース公演Vol.14『The Love Bugs』」にゲスト主演、同5月にはミュージカル「アップル・ツリー」で初演出を担当する。
(インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)
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2024年11月22日 05:00時点
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