橋本マナミ:「真田丸」愛と信仰に殉じたガラシャ役に手応え 愛人イメージは「忘れて」

NHK大河ドラマ「真田丸」で玉(細川ガラシャ)を演じる橋本マナミさん=NHK提供
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NHK大河ドラマ「真田丸」で玉(細川ガラシャ)を演じる橋本マナミさん=NHK提供

 堺雅人さんが主演を務めるNHK大河ドラマ真田丸」に、24日放送の第29回「異変」から玉(細川ガラシャ)役で出演するタレントの橋本マナミさん。玉は、親徳川の大名・細川忠興の正室で熱心なキリシタン。関ケ原で石田三成(山本耕史さん)が挙兵した際、人質になることを拒否し、屋敷に火を放った上で自ら死を選ぶ。橋本さんは、愛する忠興に死をささげた点について「そんな人生もあり。そんな方に出会えたら私も死んでもいい」と共感を寄せる。橋本さんに役への思いを聞いた。

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 「真田丸」は、真田幸村の名でも知られている戦国時代の人気武将・真田信繁が主人公で、戦国時代に信州の小さな領主のもとに生まれた信繁が、家族とともに知恵と勇気と努力で乱世を生き抜く姿を描いている。三谷幸喜さんが2004年放送の「新選組!」以来、12年ぶりに大河ドラマの脚本を手がけている。

 ◇前回はせりふなし 13年ぶり大河に感慨

 橋本さんが大河ドラマに出演するのは、2003年放送の「武蔵 MUSASHI」以来、13年ぶりとなる。当時19歳だったという橋本さんは、「いままで経験したことのないような空気、プロの仕事」を肌身に感じたという。それから今まで「またここに戻ってきたい。せりふのない役だったので、せりふのある役でここに戻ってきたい」と思い続けてきたといい、「それで日本舞踊を始めたり、自分で着物を着られるようにしたり。(出演が決まった時は)これ本当の話なんですか?って思ったし、こんなにいい役をもらえるとは思ってなかったので、夢のような感じで、信じられなかった」と振り返る。

 ◇ガラシャの芯の強さに共感

 今回、演じる玉(細川ガラシャ)への橋本さんのイメージは「絶世の美女」。「あまり詳しくは知らなかったんですけど、歴史好きの父は飛び上がるくらい驚いていて。『いろいろな方がやりたいっていう役なんだよ』と聞いて、素晴らしい役をいただけたんだって実感しました」といい、「昔は一夫多妻制、側室を作るっていうのが一つの文化だったんですけど、でもこのガラシャは忠興さまからすごく愛されていて、忠興さまも側室を作らず、すごく仲のいい夫婦だったってことを知って、感動しましたね」と印象を語る。

 橋本さんは「今では考えられない生き方で、生きることの強さであるとか、素晴らしさを知りました。涙が出てくるくらい、はかない人生を生きられた方なんだなって感じましたね」と力を込める。さらに「私は今までの人生、直感で生きてきて。生き方を曲げずに、“自分がこうだ”と思う道を進んできたので、ガラシャが持っている芯の強さは自分の中にも通じるところもある」とひそかな自信ものぞかせる。

 ◇隠れキリシタンとしてのガラシャの役作り

 玉は熱心なキリシタンだったことでも有名だが、橋本さん自身も実家の近くに教会があり「よく遊びに行って、聖書を読んだり、キリスト教の人たちと触れあう機会は多かった」という。そんな橋本さんにとって「今回は隠れキリシタンっていうことで、表には出せないもどかしさを感じながら」の演技で、「達観した感じや悟っている感じ、あと芯が強いところも出したくて、目線の置き方、しっかりと相手を見つめたりとか意識して……。凜(りん)とした感じも出したかったので、たたずまいはどっしりと、その中で包容力も出せたらと思って、口調とかも意識しましたね。ラテン語で賛美歌を覚えて、みんなで合唱しているので、そこも見ていただきたいですね」と話していた。

 ◇好きになったら一直線「愛人っぽさはない」

 玉としては、長澤まさみさん演じるきりと過ごす時間が多いという橋本さんは「きりちゃんが明るくて可愛いので、やりやすくて。そのきりを一生懸命になってなだめるっていう空気が本番になって出てきて、すごくやりやすかった」とにっこり。信繁の波乱の人生に寄り添い続けるきりの生き方についても「いちずに思うのはすごくすてきですよね。私も、こういう愛人キャラでやっているから、いろいろな男性をたぶらかしそうって言われるんですけど、好きになったら一直線に行ってしまうので、それで傷ついたりもしますけど、すてきなことだなって。一人の人を思えるっていう気持ちは、ずっと持ち続けていたいですね、これからも」と共感を寄せていた。

 さらに橋本さんは「世間的な私のイメージって“愛人”っていうのがすごく強いんですけど、私自身はそんなに愛人ぽくはないんですね(笑い)」と続けると、「ガラシャをやるって決まった時に、『この人に正室を演じられるのか?』って意見が多かったんですけど、もともと自分の中にそんなに愛人ぽさないので、すんなりせりふとか、言い回しとか、役に入れたんですね。だから皆さんには、愛人イメージを払拭して見ていただきたい。そのイメージが強すぎると、ちゃんとガラシャを見てくれないような気がするので、いったん、忘れてほしいですね」とアピールしていた。

 NHK大河ドラマ「真田丸」は、NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送中。

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