テレビ質問状:「WHO I AM」 パラリンピックドキュメンタリー第2回は陸上7種目制覇の“穏やかな野獣”

「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」のタティアナ・マクファデン選手(米国)
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「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」のタティアナ・マクファデン選手(米国)

 IPC(国際パラリンピック委員会)とWOWOWが共同で立ち上げたパラリンピックドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM」。リオパラリンピックが開催される2016年から、東京大会が開催される2020年まで5年にわたり、世界最高峰のパラアスリートたちに迫る大型スポーツドキュメンタリーシリーズだ。10月から第1シーズンとして、8人のパラアスリートに密着した放送がスタートする。第2回は29日午後9時から陸上短・中・長距離のタティアナ・マクファデン選手(米国)をフィーチャーした回がWOWOWプライムで放送される。番組プロデューサーを務めるWOWOW制作局制作部の太田慎也プロデューサーに番組の魅力を聞いた。

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 ――タティアナ・マクファデン選手に注目した理由は?

 タティアナ・マクファデン選手は、パラリンピックの世界で、最も有名かつ実績ある選手の一人でした。「WHO I AM」シリーズで、世界最高のパラアスリートを取材したいと思った時、彼女のことは真っ先に考えました。もちろん、知名度だけではありません。彼女はリオパラリンピックに挑む前に、夏季・冬季合わせて既に実に11枚ものメダルを持っていて、その強さの秘密を知りたかったし、その裏付けとなる彼女の生い立ちや家族との物語も、ぜひ伝えたいと思ったのです。

 ――タティアナ・マクファデン選手との撮影中のエピソードは?

 タティアナが練習拠点としている米国イリノイ大学の車いす陸上部のヘッドコーチや、世界選手権のアナウンサーたちは口をそろえて、彼女のことを「The Beast=野獣」と呼びます。鍛え上げられた鋼のような肉体、レースで見せる圧倒的なパワーと速さは、まさに野獣といえるものです。しかし一方で、タティアナと接していて驚かされたのは、彼女はとにかく穏やかで、常に優しくほほえんでいて、一人の女性としての魅力にあふれていたことです。激しいガッツポーズをするでもなく、興奮している時も悔しい時も、常に穏やかなのです。はじめは「野獣」というイメージとのギャップに戸惑いましたが、取材を進めるにあたって、私たちはその理由に気づくことができました。「だから彼女は強いんだ」と。番組では、そんな部分にも注目していただけたらうれしいです。

 ――視聴者へ見どころをお願いします。

 陸上の人気種目といえば、100メートルとマラソンですが、オリンピックでこの両方に出場する選手はまずいないと思います。しかしタティアナは、リオパラリンピックで、100メートルからマラソン、リレーまで、実に7種目制覇に挑みました。番組では、運命のリオまでの半年にわたり、彼女を取材させていただきました。激動の旧ソ連に生まれ、ある女性との出会いをきっかけに米国代表としてパラリンピックに出場し、そして今もトップアスリートとして活躍するタティアナの物語は、すべての人が自分のこととして受け止められる、普遍的な人間の物語です。圧倒的な輝きを放つ“穏やかな野獣”、タティアナ・マクファデンに、ぜひ出会っていただけたら幸いです。そして、4年後には東京にやってくる彼女の魅力に、ぜひ触れてみてください。

 WOWOW 制作局制作部 プロデューサー 太田慎也

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