直木賞:佐藤正午さんの「月の満ち欠け」に 芥川賞は沼田真佑さんの「影裏」

 第157回芥川龍之介賞(芥川賞)と直木三十五賞(直木賞)が19日発表され、直木賞は佐藤正午さんの「月の満ち欠け」(岩波書店)が、芥川賞は沼田真佑さんの「影裏(えいり)」(文學界5月号)がそれぞれ受賞した。佐藤さん、沼田さんともに初めて候補に選ばれていた。

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 佐藤さんは、1955年長崎県佐世保市生まれ。北海道大文学部を中退し、83年に「永遠の1/2」で第7回すばる文学賞を受賞して同作でデビューした。「月の満ち欠け」は、3人の男と1人の少女の30年以上の人生を描いた数奇なストーリー。

 沼田さんは、1978年北海道小樽市生まれ。西南学院大卒業後、2017年に「影裏」で第122回文學界新人賞を受賞した。「影裏」は、東日本大震災後に明らかになる友人の秘密が描かれる。

 ◇第157回芥川龍之介賞候補(敬称略、五十音順)
 今村夏子「星の子」(小説トリッパー春号)▽温又柔「真ん中の子どもたち」(すばる4月号)▽沼田真佑「影裏(えいり)」(文學界5月号)▽古川真人「四時過ぎの船」(新潮6月号)

 ◇第157回直木三十五賞候補(同)
木下昌輝「敵の名は、宮本武蔵」(KADOKAWA)▽佐藤巖太郎「会津執権の栄誉」(文藝春秋)▽佐藤正午「月の満ち欠け」(岩波書店)▽宮内悠介「あとは野となれ大和撫子」(KADOKAWA)▽柚木麻子「BUTTER」(新潮社)

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