テレビ質問状:「ノンフィクションW 宮里藍、いま本人が語る!“ゴルフ人生”」引退2カ月後に語る

宮里藍さん(クレジット/Getty Images)
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宮里藍さん(クレジット/Getty Images)

 WOWOWは「WOWOWオリジナルドキュメンタリー」枠として、「ノンフィクションW」と「国際共同制作プロジェクト」の2番組を両輪に、国内外のさまざまなテーマを扱ったオリジナルのドキュメンタリー番組を放送している。12月10日午後9時からWOWOWプライムで放送される「ノンフィクションW 宮里藍、いま本人が語る!“ゴルフ人生”」の番組プロデューサーを務めたWOWOW制作局スポーツ部の戸田祐子プロデューサーに、番組の魅力を聞いた。

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 ――番組の概要と魅力は?

 この番組はLPGA米女子ゴルフ(協会)ツアーでのプレー映像とインタビューを交え、“プロゴルファー宮里藍”と“人間・宮里藍”の魅力に迫ります。身長155センチとプロゴルファーとしては小柄な体格の宮里藍、2006年に当初は言葉も通じなかった米国の地に拠点を置き、幾多のスランプを乗り越えながら、優勝を目指し、努力を重ねてきました。そんな彼女のゴルフ人生を振り返ります。

 ――今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?

 宮里藍は日本のみならず、世界中のファンや選手から愛されています。私自身も愛してやまない大ファンの一人です。初めてご本人にお会いしたのは7年前のこと。その年は年間5勝を挙げ、世界ランキング1位にまで上り詰めた最強のAi Miyazatoでした。もともと尊敬する選手でしたが、その瞬間からさらに特別な存在になりました。目力、ゴルフに対する姿勢、意志の強さ、とにかく一目で「彼女の全部」に魅了されました。どのようにしてこのような選手が生まれたのか、そして彼女自身をもっと知りたいと思うようになりました。そんな思いから「引退」というタイミングで本番組を企画し、放送する経緯に至ったわけです。

 ――制作中、一番に心がけたことは?

 9月のエビアン・チャンピオンシップでの引退から2カ月後にお時間をいただけることになりました。インタビュアーは長年、彼女を取材してきた米国在住の映像ディレクターの阿部裕子さんに依頼。なるべくリラックスした形で、LPGAツアーで戦ってきた日々を振り返っていただけるようにしたいと思いました。LPGAツアーの出場権を懸けた最終予選会や、ルーキーイヤーなどの過去の映像も取り寄せ、彼女の成長、表情の変化なども楽しんでいただける内容になっています。

 ――番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?

 制作にあたり、彼女のことを知るために、ゴルフ記者や選手から情報を集めました。皆さんとても協力的で、全員が引退を惜しまれていました。彼女のメンタルコーチであり「ビジョン54」を主宰するピア・ニールソンとリン・マリオットにインタビューできたこともうれしかったことの一つです。とても前向きで穏やかなお二人でした。

 ――番組の見どころを教えてください。

 彼女のゴルフ人生は順風満帆ではありませんでした。米国に渡ってすぐ、ドライバーの不調に悩まされ、LPGAツアーの初優勝は本格参戦してから4年後の2009年です。10年には5勝を上げ、世界ランキング1位になりますが、その後、パターイップスに陥ります。それでも彼女は常に高い志を持ち、困難を克服し、戦い続けてきたのです。インタビューの中で彼女の根本にある考えをオープンに語ってくださいました。重みのある言葉の数々。番組を通して、皆さんの何かのヒントが見つかるかもしれません。

 ――視聴者へ一言お願いします。

 宮里藍選手の素晴らしさの一つは、冷静にご自分を見つめてこられたことです。引退を決められたのも真剣にご自身と向き合った結果ではないかと思います。彼女の魅力の詰まった番組に仕上がっておりますので、ぜひお楽しみください。

 WOWOW 制作局スポーツ部 プロデューサー 戸田祐子

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