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11月3日(日)放送分
永野芽郁さん主演のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「半分、青い。」は、第9週「会いたい!」から第11週「デビューしたい!」にかけて、ヒロイン・鈴愛(永野さん)の正人(中村倫也さん)への恋心に失恋、清(古畑星夏さん)とのいさかいや律(佐藤健さん)との別離などが描かれてきた。この怒濤(どとう)の恋愛パートの裏で視聴者の注目を集めたのが、秋風(豊川悦司さん)の口から語られる「創作論」だ。秋風は鈴愛の“マンガの師匠”として日増しに存在感を発揮。ここでは、「リアルを拾うんだ。想像は負ける」「半端に生きるな。創作物は人が試される」「物語を作ることは、自身を救うんだ」といった珠玉の言葉を紹介する。
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豊川さんの“怪演”が生み出す変人キャラがクローズアップされてきた秋風先生が、マンガの師匠として存在感を発揮しはじめたのは、自身の病気騒動がひとまず決着し、アシスタントを相手にした秋風塾に本腰を入れ始めてから。5月26日の第48回では「私は病、死の恐怖を忘れ去ることはできない。しかし、それを思い出さないでいることはできる。何によってか、それはマンガを描くということによって。創作という魂の饗宴によって、私はしばし病を忘れる。人間にとって創作とは神の恵みではないかと……」と思いをぶちまけていた。
5月30日の第51回では、正人のことで頭がいっぱいになり、仕事に身が入らない鈴愛に対して、マンガのためにも「恋をしろ」と助言。「リアルを拾うんだ。想像は負ける。好きなやつがいたらガンガン会いに行け。仕事なんかいつでもできる。ベタなんかいつでも塗れる。空想の世界で生きているやつは弱いんだ。心を動かされることから逃げるな。そこに真実がある」と名言を連発。
さらにここでのせりふは、「いいか、半端に生きるな。創作物は人が試される。その人がどれだけ痛みと向き合ったか。憎しみと向き合ったか。喜びを喜びとして受け止めたか。逃げるな」と続き、ネット上では「秋風先生、ものすごくいいこと言う」と共に「本当、耳が痛いです」との声が上がった。
鈴愛の“正人に失恋”後の放送となった6月8日の第59回では、「秋風羽織が最も大事に思うのはオリジナリティーとリアリティー」と秋風先生の創作への思いをナレーションが代弁。同回では、清によって塗られた律の左手薬指のマニキュアの色に関する鈴愛の気持ちが語られた際、鈴愛本人から「自分の心を見つめ続けることが創作の原点なら、これは苦しい仕事ではありませんか?」と尋ねられた秋風が、「見つめているときはな。ただ、それは美しい物語に昇華したときに、そして、多くの読者が喜んでくれたときに、君のその心も癒やされるんだ」と優しく諭す場面も。
そんな秋風先生の「創作論」がピークに達したのが、6月12日の第62回。その力強い言葉は、清とのいさかいが原因で律までも失い、失意のどん底にあった鈴愛と視聴者に魔法をかけることになる。
「楡野、描け。泣いてないで、いや、泣いてもいいから描け。マンガにしてみろ。物語にしてみろ。楽になる。救われるぞ。創作は、物語を作ることは、自身を救うんだ。私はそう信じている。物語には人を癒やす力があるんだ」「今だ。今、描け。お前、絶対いいものが描ける。お前、才能がある。これは神様がくれたチャンスだ。いや、律君がくれたチャンスだ。もうしゃべるな、鈴愛、しゃべらなくていい、もったいない、マンガにするんだ。それを描け。鬼上等。描くんだ」と熱弁。前日の第61回では、鈴愛と律との“別れ”が描かれ、「神回」などと話題を呼んだが、第62回に対しても「今日の方が私には神回」「よっぽど今日の方が神回」との感想が多く、「鬼上等」はYahoo!のリアルタイム検索で急上昇し、トレンド入りを果たした。
劇中で語られる秋風先生の「創作論」のほとんどは、脚本家・北川悦吏子さんの“ものづくり”へのストレートな思い、書(描)き手としてのメッセージが込められていると言われ、ファンも「秋風から鈴愛への言葉は、まさに北川さんから若い描き手へのメッセージ」「秋風羽織を通して脚本家・北川悦吏子さんの創作への思いに触れた」と意見が一致。また秋風先生から鈴愛への「せりふに溺れるな」とのダメ出しには、「これは北川さんの自虐?」「何その、盛大なブーメラン」といった愛ある突っ込みも見受けられた。
16日の第66回でも秋風先生は、ボクテ(志尊淳さん)の裏切り行為に対して「『神様のメモ』をボクテに渡すことによって、より面白くなっていれば、私も黙った。なんだ、あれは? あんなエロマンガにしやがって。作品はいかようにでも育つ。お前は、楡野のアイデアをパクッたばかりか、『神様のメモ』の息の根を止めたんだ」と語るなど、マンガ至上主義、作品至上主義を貫いていた。
今後も秋風先生からどんな名言が飛び出すのか、注目だ。
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2024年11月05日 16:00時点
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