MANTANWEB(まんたんウェブ)

出川哲朗の“充電旅”:テロップ量は通常の3倍、BGMに使命感…番組Pが明かす制作の裏側

テレビ
23日放送のバラエティー番組「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」に出演する出川哲朗さん(C)テレビ東京

 タレントの出川哲朗さん(54)が、電動スクーターで各地を旅する番組「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」(テレビ東京)。誰に対しても壁を作らず、子供からお年寄りまで皆に愛される出川さんの姿が印象的だが、バラエティー豊かで楽しいBGM、出川さんら出演者の発言を一言一句漏らさずに、そのまま文字で見せるテロップも魅力だ。BGMの選曲に「使命感」があるといい、テロップに関しても「通常の番組よりも3倍多い」と話す同局の平山大吾プロデューサーに、こだわりの番組制作の裏側を聞いた。

 ◇BGMに“使命感”「突き詰めなきゃ」

 番組では、「スピッツ」の草野マサムネさんが歌うテーマ曲の「さすらい」をはじめ、毎回初充電時に「北の国から 遙かなる大地より~蛍のテーマ」、焼き肉店で「お肉食べようのうた」、泊めてもらった宿では「にんげんっていいな」、出川さんが“リアルにヤバい”ときには「ズビズバ~」と流れ出す「老人と子供のポルカ」……と、さまざまなBGMが、場面場面に合わせて流されている。番組の大きな魅力の一つになっているBGMはどうやって決めていくのか。

 例えば、ロープウエーで山を登ったものの、真っ白に霧がかかって、何も見えない……という場面の場合、まず、霧が立ち込めているから「霧の摩周湖」という案が出る。しかし、ストレートすぎて面白くないとして断念。次に、「きり」に“かかる”「きりきり舞い」という歌詞がある「ピンク・レディー」の「サウスポー」が候補に挙がるが、曲が始まってからその歌詞にたどり着くまでに時間がかかる。では、山口百恵さんの「横須賀ストーリー」の「これっきり これっきり」に、タイミングを合わせたらどうだろうか……とスタッフで考えていく。結果、実際に使われたのは「横須賀ストーリー」だった。

 そうしたスタッフ同士のアイデア出しには「時間がかかる」が、平山プロデューサーは「気付かなくても気にならないし、気付いた人は面白いっていうものができたらいいなと思っている」「(同局の)番組審議会で『BGMが面白いと初めて思った』と言ってもらえて、それ以来、『突き詰めなきゃ』という使命感を持っている」と明かす。

 こだわりのBGMの中でも、毎回必ず使うのが「左卜全とひまわりキティーズ」の「老人と子供のポルカ」だという。平山プロデューサーは「コーラスを担当した子供たち(ひまわりキティーズ)の中に、歌手になった人がいて。『Le Couple(ル・クプル)』(だった藤田恵美さん)なんですけど。ある時、番組で左卜全さんの曲をかけた後に、Le Coupleの曲をかけたんです。(視聴者は)気付かないかなと思いながらも、気付いてくれたら面白いなって。ダジャレなんですけどね」と笑う。

 ◇こだわりのテロップの秘密 元編集マンも驚く作業量

 もう一つ、番組の特徴である、出川さんら出演者のしゃべり言葉をすべてフォローするテロップは、深夜番組時代に「お金が無かった」ため、ナレーションが入れられないという状況から生まれた策だったという。出川さんの言い間違いや、“噛(か)んだ”言葉まで一言一句そのまま出すスタイルは、思わず視聴者がツッコミを入れたくなる効果も生み、番組の大きな魅力になっている。

 ただ、その分量がすごい。他の2時間半番組のテロップ数は1200枚ほどだというが、“充電バイク旅”では4000枚と、約3倍。テレビ番組にテロップを入れる作業は、なかなか想像できないかもしれないが、テレビの映像編集を経験したことがある記者からすると、驚きの量だ。この量のテロップを入れるだけでも、早くて3日はかかるという。

 制作現場では、まず出川さんら出演者のしゃべりを全て文字に起こすところからスタートする。表記をひらがなにするのかカタカナにするのか、といったことも「面白がって」考え、テロップの大きさも決めていく。画面上で良いバランスに配置してから、テロップを入れる作業へと進んでいく。

 また、テロップの出し方も、出川さんのしゃべりに合わせて、短いフレーズごとに、「ぽん、ぽん、ぽん」と気持ちの良いタイミングにしている。この方法は特に大変で、時間もかかる。それでも、平山プロデューサーは「そこは最初から大事にしている。(このスタイルにすることで)面白い感じ、笑える感じ、“噛んだ”感じがちゃんと出るんです」と狙いを明かす。

 ◇出川は今でも「手作り」のスイカ柄のヘルメット

 そんな心地いいBGMとこだわりのテロップが載せられていく映像にいつも映っているのが、出川さんの頭にあるスイカ柄のヘルメットだ。出川さん自身も「スイカがあるから充電旅って言ってもらえるようになった」と話すなど、番組のマスコット的な存在だ。実はこのヘルメットは、ゴールデンのレギュラー2年目となる現在でも、出川さんと出演ディレクターの分は“手作り”のものを使用している。

 番組誕生時から制作に関わる平山プロデューサーは「スイカのビーチボールをドライヤーで広げて、貼り付けているんです。(番組スタート時より)ちょっと貼り付け方がうまくなっています」とスタッフの“成長”を明かしながら、「こんなふう(スイカ柄が番組の象徴するような存在)になるなんて、想像もしていなかったのでありがたい」と感謝する。

 フル充電で約20キロ(1時間)走行できるという電動スクーターを使用し、充電が切れると、行く先々の心優しい人々に「充電させてもらえませんか?」とお願いしながら目的地を目指す。日本各地の美しい風景と人々に出会いながらの“珍道中”は、ゴールデンのレギュラーで2年目に突入。平山プロデューサーは「『この番組をやって日本の良さが分かった』と出川さんも言っている。日本の良さはまだまだあるし、知らないものもいっぱいある。バイクだからこそ行ける場所があったり、海沿いを走れたりするので、そこはぜひ見てほしい」と力を込める。

 番組のツイッターでは、リアルタイムでロケ場所を告知しており、「『ここは寄ってよ』という場所があったら、全国の皆さんに教えてもらいたい。寄らないことがあったら、『ここは寄らないとダメだろ』と教えてもらえたら、我々反省しますので。皆さまの意見を取り入れながら、番組ができればいいなと思っています」と話していた。

 「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」は、毎週土曜午後7時54分から放送。23日は午後6時半からの2時間半スペシャルで放送される。

テレビ 最新記事

MAiDiGiTV 動画

最新動画

まとめタグ

このページのトップへ戻る