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親が先生芸人
10月31日(木)放送分
2008年に亡くなった不世出の天才ギャグマンガ家・赤塚不二夫さん。社会的に見れば典型的なダメな父親だった赤塚さんが、なぜこれほどまでに多くの人に愛され、慕われたのかを描く、NHK連続ドラマ「バカボンのパパよりバカなパパ」が30日にスタートする。原作は赤塚さんの娘りえ子さんの同名著書(幻冬舎)。「そもそもこの作品を引き受けさせていただいたのは、赤塚さんのギャグやバカの奥底にある、博愛主義的な考えや、人を許す美学に共感を持ったから」と語る主演俳優の玉山鉄二さんに、ドラマへの思いを聞いた。
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赤塚不二夫さんになり切り、全力でバカをやって、文字通り暴れ回っている玉山さん。「実在する人物を演じるに当たって、その時にしかない責任感が常につきまとうのですが、そこに凝り固まってしまうと、赤塚さんが本来伝えたかった『セオリーから外れる』ということができなくなる。今回はあえて、実在する人物を演じることに対して気負うことなく、自分の持っている倫理的な部分や理性、ブレーキを極力外して、暴れ回るってことに気を付けました」と振り返る。
玉山さんは原作者の赤塚りえ子さんと会った際、「玉山さんが感じたように自由にやってください」と背中を押してもらったといい、お決まりのギャグ「シェー!!」や、セーラー服姿をはじめとする女装にも果敢に挑戦。「僕は普段、すごく恥ずかしがり屋で内気なんですけど、現場ではそれが全くなくなるので、そういった部分でのやりにくさはなかったです」と笑う。
「最初このドラマのオファーをいただいたとき、『(赤塚不二夫さん役は)僕じゃないのではないか』と思ったのですが、でもやるからには、赤塚さんを描いたドラマや映画がたくさんある中で、ナンバーワンにならないと意味がないと感じていた。これだったらナンバーワンになれるという自信をつかむためにも、いろいろと赤塚さんのことを調べたのですが、そこからだんだんと形になって『お受けします』と返した時には、僕はこの作品は成功するって自信はあった」。玉山さんのドラマへの思いは人一倍だ。
そんな玉山さんも、赤塚さんに対して「当初は上辺だけの印象、知識しかなくて。ただがむしゃらに、ギャグマンガを描き続けて、バカをやり続けた男ってことしか情報がなかった」と明かす。
一方で「いろいろと調べていく中で、戦争を体験している赤塚さんが、すごく大事にしていたのは『博愛』と知った」といい、「人と人との間に垣根があるから争いごとが生まれたりとか、人が人を否定したりってことがあると思うのですけが、その垣根を取っ払って、バカをやって笑いで包まれれば、自然とみんなが手と手をつないで笑顔になる。僕はそこに尽きると思って、この役はやらなくてはいけないなって思ったんです」としみじみと思い返す。「だからこのドラマは今の世の中にとってすごくマッチしていると思うし、作品に織り込まれているメッセージは、僕は今の時代にドンピシャだと思う」と力を込めた。
「僕が子供を持って、子供が自分くらいの年齢になった時、もっともっと楽に生きられる世の中になってもらいたいという思いがすごくあって、ここ最近いろいろなニュースを見てもちょっと窮屈に見えてしまう時がある。余白や曖昧な部分の大切さ、世の中は白と黒だけじゃない、もっとたくさんの色があってもいいんだよって、こういうドラマを見て『これでいいのだ!』と、感じてもらえたらうれしいです」と視聴者にメッセージを送っていた。
ドラマには、赤塚さんの最初の妻・登茂子さん役で長谷川京子さん、2番目の妻・眞知子さん役で比嘉愛未さん、娘のりえ子さん役で森川葵さんが出演。NHK総合で30日から毎週土曜に放送。全5回で、第1回は午後7時半~同8時43分、第2~5回は午後8時15~43分に放送。
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