押井守:草薙素子の初期案は筋骨隆々? アニメーターと「最ももめた」

著書「シネマの神は細部に宿る」の発売記念イベントを開催した押井守監督
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著書「シネマの神は細部に宿る」の発売記念イベントを開催した押井守監督

 押井守監督が21日、東京都内で自身の著書「シネマの神は細部に宿る」(東京ニュース通信社)の発売記念イベントを開催。トークショー前の会見に出席した押井監督は、自身のアニメ作品の女性キャラクターについて「私が描かせたい顔と、アニメーターが描きたい顔は一致しないので、結構もめる(笑い)」と話し、「最ももめたのは、(士郎正宗さんのマンガが原作の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の)草薙素子」と明かした。

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 押井監督は草薙素子について「『筋肉の塊みたいな女の子は描きたくない』というのがアニメーターの意見。私は筋骨隆々で登場させたかった」と話し、「結果的に言うと、資料をかき集めて、これだというものになった。マッチョな女性の写真集とか買いあさって、筋肉が収縮する動きまで全部描いてくれと。最後に自分の体をぶっ壊すところは、最高ですね。自分の体を壊すのは自己愛の究極みたいで、してやったりという感じです」と笑顔を見せた。

 さらに押井監督は「アニメの監督はフェティッシュが強くなければできないんですよ」と話し、「細田(守)君なら、人間であって人間でないもの、モンスターとはちょっと違う人外ってやつですよね、オオカミ男だったり、半魚人だったり。みんなそれぞれあるわけです。僕の場合は骨格なんですよ。鎖骨とか手首とか足首とか、浮いて見えるもの。それを描かせると大変で、すごく嫌がられるので、実写の方がいいですよね」と明かしていた。

 実写作品における女優のキャスティングについても、「痩せていること、ショートカットであること、できればおかっぱ。あと、鉄砲が似合うこと」とこだわりを語り、「どんなにアクションがうまくても、銃が似合わない人っているんですよね。一番気に入ったのは、実写でパトレイバーやった時のカーシャ(太田莉菜さん)で、さすがにAK(銃の名称)が似合う。その後、(『東京無国籍少女』で)清野(菜名さん)という女優と組んだ。(清野さんは)銃剣が似合う」と評していた。

 著書「シネマの神は細部に宿る」は、押井監督のフェティッシュを刺激した作品を、ジャンルごとにランキング形式で紹介。押井監督が毒舌交じりに映画を評している。価格は1600円(税抜き)。

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