注目映画紹介:「食べる女」キョンキョン、沢尻、京香ら豪華女優陣が女性の本音をパワフルに演じる

映画「食べる女」の場面写真 (C)2018「食べる女」倶楽部
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映画「食べる女」の場面写真 (C)2018「食べる女」倶楽部

 小泉今日子さん主演の映画「食べる女」(生野慈朗監督)が、21日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開される。沢尻エリカさん、前田敦子さん、広瀬アリスさん、山田優さん、壇蜜さん、シャーロット・ケイト・フォックスさん、鈴木京香さんら主役級の豪華女優陣が集結。年齢も職業も違う8人の女たちの本音を、「食」と「性」を通してパワフルに描き出している。女性への応援歌のような群像劇だ。

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 筒井ともみさんの「食べる女」(新潮文庫)と「続・食べる女」(アクセスパブリッシング)が原作。筒井さんは脚本も手がけた。雑文筆家のトン子こと敦子(小泉さん)の古書店「モチの家」に女たちが集まった。トン子の幼なじみで、ごはんや「道草」の女将・美冬(鈴木さん)、トン子の担当編集者・ドドこと圭子(沢尻さん)、ドドの飲み仲間で制作会社の多実子(前田さん)。料理を囲んで、恋愛事情を赤裸々に語り合う。やがてそれぞれの日々に、新しい出会いが生まれていき……というストーリー。

 女たちの周辺の男性たちには、ユースケ・サンタマリアさん、池内博之さん、勝地涼さん、小池徹平さん、間宮祥太朗さんらさまざまなタイプの面々が扮(ふん)し、時に女性を振り回したり、女性の前で取り乱したりと、笑いを誘うシーンを担っている。

 女性の本音のドラマが、まったりとした日常と共に展開されていく。年代も職業もさまざまで、小学生女児も登場する。皆、自分の幸せを模索し、「食」と「性」に対して素直に自分の欲望を満たし、悩みながら進み続ける。女優たちがおいしいものを頬張り、しゃべる姿がパワフルだ。孤独を味方にできる熟女を演じる小泉さん、鈴木さんがカッコいい。自分で料理を作ることの大切さも描かれる。料理をしない主婦が、夫の裏切りから一念発起して強くなっていく姿をフォックスさんが熱演し、鮮烈な印象を残している。

 太刀魚のムニエル、手羽先、ポテトサラダ……登場する料理は50点以上。おいしそうな料理の数々を担当したのは、クッキング・スタイリストの深沢えり子さんのチームだ。脚本の筒井さんのアイデアも取り入れ、簡単で色も美しい料理が映画を彩る。モチの家も見どころ。井戸や縁側、物干しざおがある古き良き日本の家。物が雑多に置いてあり、そこを飼い猫が器用に歩き回る姿がほほ笑ましい。(キョーコ/フリーライター)

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