沢口靖子:20年目の「科捜研の女」 榊マリコは「分身のような存在」

連続ドラマ「科捜研の女」の主演を務める沢口靖子さん=テレビ朝日提供
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連続ドラマ「科捜研の女」の主演を務める沢口靖子さん=テレビ朝日提供

 女優の沢口靖子さんが主演を務める連続ドラマ「科捜研の女」(テレビ朝日系、木曜午後8時)が18日、2020年3月まで1年間にわたる放送をスタートする。1999年の放送開始から20年目を迎える第19シリーズで、今回は初めてSNSに本格参戦。ツイッターなどを活用して「沢口サーズデー」と題した動画で番組をアピールすることになった。動画撮影の舞台裏に密着し、20年にわたって演じてきた主人公・榊マリコは「分身のような存在」という沢口さんに話を聞いた。

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 「科捜研の女」は、京都府警科学捜査研究所の法医研究員・榊マリコ(沢口さん)が、現場に残された遺留品から研究所の仲間たちと事件の真相に迫る姿を描く人気のミステリードラマ。「沢口サーズデー」と題した動画は、白衣を着た沢口さん=榊マリコがキリリとした表情でじゃんけんをしたり、自撮りをしたりと、マリコの真面目さがギャップを誘うコミカルな内容だ。

 動画の撮影現場では「スタート」の声がかかると、背中を見せていた沢口さんがクルリと振り向き、「サーズデー」と美しく発声。1テーク目から視線や声のトーンもバシッと決まり、現場からも「素晴らしい……」と思わず感嘆の声が上がる。短い動画ながら、よりよいものにしようと監督に細かく相談したり、カットがかかると輝くような笑顔を見せる沢口さんの姿に、現場の士気もどんどん高まっていき、スタッフからは「絵コンテをこんなに熱心に読み込んで来てくださる方も、なかなかいない」と本音が漏れていた。

 ドラマの中で視聴者は、真面目なマリコの姿を長年、目にしてきた。番組プロデューサーは「沢口さんご自身もものすごく誠実で、ネガティブなことを決して言わない。科学の専門用語もしっかりと勉強して、体に染み込ませてからセリフとして発するので、視聴者の方に伝わるんだと思います。視聴者の方に喜んでいただけるような努力を惜しまない方」とその姿勢にほれぼれ。私生活がベールに包まれ、神秘的なイメージもある沢口さんのSNS登場を“異種格闘技”と表現しながら、「ぜひ楽しんでほしい」と訴えていた。

 撮影後に沢口さんは「緊張で汗をかいておりました」と感想を語り、「いつもは科学の最先端にいる『科捜研の女』が、今度はSNSの最先端にチャレンジします!」とおちゃめに笑う。苦労したのは「サーズデー」の発音だといい、「自主トレーニングや、教えていただいたアプリを使って練習しました」と明かし、「(アプリの)『SNOW』を初めて使ったんです。私の顔がディズニーのキャラクターになったりして、うれしかったです」と語る。

 今回の企画に「小・中学生の方からファンレターをいただく機会もあって、若いファンの方が増えているなという実感がありました。企画書や絵コンテを見せていただいたときに、マリコの語り口が硬いものだったので、『もう少し砕けた表現の方がいいのではないでしょうか?』と相談したら、『その硬さが逆に面白いんです』ということで、納得しました(笑い)。マリコが真摯(しんし)に語りかけることでクスッと笑えたり、その真面目さを楽しんでいただいて、最終的にはマリコ、そして『科捜研の女』を身近に感じていただきたいと思って、取り組ませていただきました」と熱を込めていた。

 20年もの付き合いとなったマリコは「分身のような存在」だという沢口さん。「マリコの持つ精神やポジティブさ、決してあきらめない姿などは、私も影響を受けています。止まっている時間があったとしても、また少しでも一歩前に進んでいきたいという思いをもらいました」と明かし、「これだけ長くやらせていただきますと、事件が起きるたびに共に鍛えられ、成長してきた分身のような存在になっています」と愛情もたっぷりだ。

 1年間にわたっての放送という、新たなチャレンジが始まるが、脚本を担当する戸田山雅司さん、櫻井武晴さんらと語り合うイベント「名作の舞台裏」でも刺激をもらったという。「戸田山さんは『いつもは秋から春にかけての放送内容でしたが、今回は春から夏にかけてのトリックも仕掛けられる。ファイトが湧きます』とおっしゃっていました。櫻井さんは『科学は毎日進歩しているから、ネタはたくさんあります。毎回、新しい科学捜査ネタを取り入れたい』と。すごいな!と思ったんです。マリコの情熱やポジティブ精神は、この方たちから生まれたんだと実感しました」と制作陣のパワーを知り、改めて奮起したと話す。挑戦と前進を忘れない「科捜研の女」の新シーズンに注目だ。

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