放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
女優の原田知世さんと俳優の田中圭さんがダブル主演する連続ドラマ「あなたの番です」(日本テレビ系、日曜午後10時半)に、402号室の住人・榎本早苗役で出演している女優の木村多江さんが話題だ。以前は不幸な女性を演じることが多く「薄幸女優」などと言われていた木村さんだが、昨年4月期に放送された連続ドラマ「あなたには帰る家がある(あな家)」(TBS系)で、“狂気の不倫妻”を怪演。今回も早苗の善良キャラが、「あな家」の時のように、どこかで“ひょう変”することを期待されていたが、6月9日に放送された第9話、さらに16日放送の第10話でも見事な怪演ぶりを発揮。視聴者に衝撃を与えた。
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「あなたの番です」は、原田さんと田中さん演じる新婚夫婦が、引っ越し先の分譲マンションで起きた連続殺人の謎に挑む姿が描かれるミステリー。秋元康さんが企画・原案を手がけ、複数の人物が殺害相手を交換して殺し、容疑者を特定されにくくする「交換殺人」が題材となる。同局では約25年ぶりとなる2クール(4~9月)連続ドラマ。
木村さん演じる早苗は専業主婦で、マンションの住民会会長を務めている。住民会では、やや押しに弱いところはあるものの、柔らかな笑みと穏やかな口調で住民たちを取りまとめている。いわゆる“善良”なキャラクターだ。引っ越して間もない手塚菜奈(原田さん)とも打ち解け、マンションで起こっている交換殺人についても相談し合える仲となっていた。
しかし、物語が第1章のクライマックスに差し掛かると、そんな早苗がひょう変。第10話では、自身が住む402号室の秘密を知った手塚翔太(田中さん)と黒島沙和(西野七瀬さん)を隠し部屋に監禁。叫び声をあげ、翔太を襲う姿はまさに狂気じみていた。
その一方、早苗の善良キャラに対しては、SNSでドラマ放送当初から「絶対木村多江だから裏があるはず」「木村多江があのまま終わるわけない」などと“期待”の声が上がっていたことも確か。ひょう変後には「木村多江さんの演技はさすが。怖すぎ」「木村多江、絶対なんかあると思ってたけどやっぱり予想を裏切らない」といった反応もあり、視聴者の間で木村さんの“怪演キャラ”が定着していることがうかがえる。
ドラマを手がける鈴間広枝プロデューサーは、ひょう変前の早苗を演じる際、木村さんから「私、ちょっと怪しくしたほうがいい?」と相談されたという。そこで鈴間プロデューサーが「いや、普通の顔をしていても多江さんなんでね」と答えると、木村さんは「どうせニコニコしてたって、あいつ怪しいって言われちゃうからなあ」とつぶやいたといい、木村さんも自身の“怪演キャラ”を自覚している様子。
そんな木村さんの演技を、鈴間プロデューサーは「やばいです」と表現。第9話、そして第10話の怪演ぶりについては、ストーリー展開を把握しているプロデューサーでも「モニターを見ていて鳥肌が立つぐらいのすごい芝居でした」と大いに驚かされたようだ。
鈴間プロデューサーは、今後の展開について「後半は、毎週死にません。これだけ死んでしまって謎がてんこもりなので、その謎を一つずつ解いていく後半戦になります。交換殺人ゲームがどうなっているのか、この中に一番悪いやつがいるんじゃないか、そいつは誰なんだみたいなことが分かってくる後半戦です。キャラクターの一人一人も粒立ってきますね」と見どころを語った。早苗のほかにも、“怪しい住人”が多く登場する本作。どんな化け方、壊れ方をしていくのか、見逃せない展開となりそうだ。
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