戸田恵梨香:「食生活を一気に変えて」陶芸家の体作り 吹き替えなしに「度肝を抜かれた」? 「スカーレット」語る

2019年度後期のNHK連続テレビ小説「スカーレット」のヒロイン・川原喜美子を演じる戸田恵梨香さん (C)NHK
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2019年度後期のNHK連続テレビ小説「スカーレット」のヒロイン・川原喜美子を演じる戸田恵梨香さん (C)NHK

 9月30日にスタートする2019年度後期のNHK連続テレビ小説「スカーレット」でヒロインの川原喜美子を演じる戸田恵梨香さん。喜美子は女性陶芸家の草分けとなる“究極の働き女子”で、戸田さんは「周りに幸せを与えられる、喜美子の愛情深さは見習いたいですし、自分も周りに愛を与えられる人間になりたいと思っています」と意気込む。また喜美子が飛び込む陶芸の世界は「力仕事」でもあることから、「病院に行って自分の体質を徹底的に調べて、そこから食生活を一気に変えて、おなかがムカムカするくらいとにかく食べて」体作りをしたという戸田さんに、ドラマへの思いを聞いた。

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 ◇泥臭い「スカーレット」 陶芸のけいこを通して“非力さ”痛感し…

 「スカーレット」は、戦後まもなく、大阪から滋賀の信楽にやってきた、絵が得意な女の子・川原喜美子が主人公。3姉妹の長女で頑張り屋、幼いながらも貧しい一家の働き手だった喜美子は15歳になると、大阪の下宿屋で女中として働き始める。3年後、信楽に戻ると、地元の信楽焼にひかれ、男性ばかりの陶芸の世界に飛び込む。やがて愛する男性と結婚し、息子を授かり、仕事にも家庭にもまい進する日々が始まるが……というオリジナルストーリー。

 すでにドラマのクランクインから約5カ月が経過したが、戸田さんは「ものすごいスピードであっという間に時間が過ぎていって。喜美子の15歳の頃から始まって、今は20代のところを撮っているんですけど、充実した日々を送っていて、私としては変わらず、いつも楽しくやっています」と笑顔を見せる。「近年の朝ドラって爽やかなイメージですけど、スカーレットに関しては泥臭い。その泥臭さがいとおしさに変わって、皆さんに喜美子に会いたいって思ってもらえる存在になれたら」といった思いも。

 戸田さんは今回、女性陶芸家を演じるにあたり、陶芸のけいこはもちろん、しっかりとした体作りをしてから撮影に臨んだ。元々、太りにくい体質で、病院に行って自分の体質を徹底的に調べるところから始めたといい、「そこから食生活を一気に変えて、おなかがムカムカするくらいとにかく食べました。あとは週2でジムに通って、運動をして」と明かしている。

 そこには「陶芸は男の仕事」と言われることを、身をもって体験したからこその戸田さんの役への思いが秘められている。「女性陶芸家はほとんどいないって話を伺って、何でなんだろうって疑問に思っていたんですけど……。実際にけいこを始めてみると、先生が練られている土の硬さだと私はできなかったんです、力が足りなくて。どれだけ体重をかけても練りきれない。そのとき本当に男の仕事なんだなって実感して、これは甘くないなって思いました」としみじみ。「だからこそ、喜美子が陶芸家としてやっていこうと決めた勇気、決断力に改めて驚きましたし、技術をどんどん上げていかなくてはならない難しさというのは、けいこを通して改めて感じました」と語った。

 ◇陶芸シーン「吹き替えなし」のワケ 絵付け部分も自ら挑戦

 ドラマの中では、約3カ月けいこを積んだという戸田さんが、吹き替えなしの陶芸を見せている。その理由を「女性陶芸家が少ないため、私と似た手の方が見つからないから『ご自身で作陶やっていただけませんか?』と言われたんです」と説明。「もちろん、全て吹き替えになるとは考えてはいなくて、自分でやるんだろうな、とは思っていたんですけど……。それでも何らかしらのフォローはあるんだろうと淡い期待を抱いていたので、度肝を抜かれました」と戸田さんは笑う。

 さらに絵付け部分も自ら挑戦。「当然、絵の練習があると思うじゃないですか。本当に本番直前に説明を受けて、演出の中島さんには『あなたならいける』って励まされて(笑い)。筆を使って描いていくんですけど、元々習字をやっていたので、どうすれば筆が動くのか、どれくらい力を入れればいいのかっていうイメージはできたので、習字をやっていて良かったなって思いました」と振り返っていた。

 ◇役を演じ終えた後の自分に期待すること 「いろいろな踏ん切りがつく」?

 “朝ドラ”ヒロインとして、一人の女性の幅広い年齢を、長い時間をかけて演じるのも初めての経験となる。戸田さんは「女優としてのキャリアがどうなるのか知りたくて、やることにしました。11カ月間、同じ女性を演じるっていうのはなかなかないですし、それを経た後、自分がどう変化をしているのか、進化しているのかを知りたくて今回やらせていただくことにしました」と話す。

 さらに「子供の頃の喜美子が言うんですけど『女にも意地と誇りはあるんじゃあ!』って。そのせりふが大好きで、今も大事にしていますし、20代になってもその言葉を言う場面があるんです。まだまだ女性がものを言いにくかった時代に、その言葉を10歳で屈託なく言える喜美子の強さ、無敵さに魅力を感じていて、20代、30代、40代、50歳になってもその心をずっと持っていようと思っています」と役への愛情を深める戸田さん。

 最後に役を演じ終えた後の自分に期待することを聞くと、「撮影に入る前は自分がどこまで解放されて、どこまで視野が広がるんだろうって期待を持っていたんですけど。多分、私の中でいろいろな踏ん切りがつくんじゃないのかなって予想しています。底の見えない、壁の見えない、広い精神の持てる人間なれたらいいなと思っています」と語っていた。

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