放送中のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「スカーレット」で、戸田恵梨香さん演じる主人公・喜美子の恋人となった陶工・十代田(そよだ)八郎を演じる松下洸平さん。12月14日に「あいこうか市民ホール」(滋賀県甲賀市)で行われた「スカーレットトークショー in甲賀」終了後に会見が行われ、舞台俳優となったきっかけや、今後のドラマの展開などを語った。
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2008年に、歌を歌いながらライブペインティングも行う「ペインティング・シンガーソングライター」としてデビューした後、22歳のときに4人芝居のミュージカルで初舞台を踏んだ松下さん。このときの強烈な経験が、俳優の原点になったという。「300人ぐらいの劇場にパンパンにお客さんが入っていたんです。それまでずっと、お客さんが4人や5人の状況でライブをしていたので、これがうれしくて。それに、同年代の若い俳優4人で一緒にやって、こんなに楽しいことがまだあったのかと思って、(俳優を)続けたいと思いました」と振り返る。
それでも「(俳優を)やめようと何度も思ったことがある」と打ち明けた上で、「僕は周りの人たちに、本当に恵まれたんですよ。周りの俳優さんやスタッフさんが、新しい舞台の話などのチャンスをくれて、折れそうな気持ちをつなぎ止めてくれた。そんなすてきな人が多かったので、続けて来られたと思います」と打ち明ける。
舞台のスケジュールが忙しく、音楽活動は休止中だったが、「来年はライブを再開したい」と話すとともに、新曲のアイデアもひそかに温めていることを告白した。「『スカーレット』を通して得た気持ちや、出会った人たちのことを、何か形にして残したいと思ってるんですが、そのツールの一つとして、僕には音楽がある。まだ漠然としてるんですけど、これを頭の中で組み立てて曲にしようとする時間が、すごく楽しい。引っ越し前に、新しい家に何を置こうかと、ワクワクしながら考える感覚と似ています」と語った。
今後の八郎については「今週(12月16日からの第12週)は、喜美子と八郎の2人しか出ない回がありますが、戸田さんは『テレビであれができるってすごい』と言われてました。これから喜美子と八郎には、作家同士のすごくリアルなズレが起こります。八郎は喜美子のことを愛し続けて、喜美子も八郎のことを愛し続けるけど、だからこそ歯がゆい。そこも引っくるめて、受け止めていただけたらうれしいです」と、この先の展開について匂わせた。
「スカーレット」は101作目の朝ドラで、焼き物の里・滋賀県信楽で、初の女性陶芸家となった川原喜美子の、波瀾(はらん)万丈の半生を描く。脚本を人気ドラマ「ホタルノヒカリ」シリーズなどで知られる水橋文美江さんが手がけ、語り(ナレーション)をNHKの中條誠子アナウンサーが担当。主題歌は、ボーカリスト越智志帆さんのソロユニット「Superfly」のオリジナルソング「フレア」。12月28日までレギュラー放送し、年明けは1月6日から再開する予定。NHK総合で月~土曜午前8時ほかで放送。
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