SEDAI WARS:坂本浩一監督が明かす山田裕貴の魅力 初主演ドラマは「ヒーローとは違うかっこよさ」

連続ドラマ「SEDAI WARS」第1話の場面写真 (C)「SEDAI WARS」製作委員会・MBS
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連続ドラマ「SEDAI WARS」第1話の場面写真 (C)「SEDAI WARS」製作委員会・MBS

 俳優の山田裕貴さん主演の連続ドラマ「SEDAI WARS(セダイウォーズ)」が、MBS・TBS深夜の「ドラマイズム」枠で1月5日から順次放送される。本作で連ドラ初主演となる山田さんは、ゆとり世代の主人公・柏木悟を演じる。メガホンをとる坂本浩一監督は、山田さんとはデビュー作からの付き合いになるといい「彼の魅力は人懐っこさと可愛さ」、今回のドラマでは「ヒーローとは違うかっこよさ」を見せると語る。坂本監督に、作品への思い、山田さんの魅力について聞いた。

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 ◇「SEDAI WARS」誕生のきっかけは「とんでもない企画」

 ドラマの舞台は、世代間のあつれきでさまざまな問題が深刻化した近未来の日本。首相に代わり日本を治める大統領を決める「SEDAI WARS」が開催され、「団塊世代」「バブル世代」「ロスジェネ世代」「ゆとり世代」「ミレニアル世代」から、それぞれ代表者「SEDAI(セダイ)」2人が選ばれ、VR空間内でバトルロイヤルする。

 「ゆとり世代」代表で、主人公役の山田さんと奥山かずささんが出演するほか、「団塊世代」代表で西岡徳馬さんと鈴木正幸さん、「バブル世代」代表で岡田浩暉さんと横山めぐみさん、「ロスジェネ世代」代表で真飛聖さんと出合正幸さん、「ミレニアル世代」代表として、浅川梨奈さんと池田優斗さんが出演。それぞれがVR空間内で、自身の世代の力に“覚醒”し、個性あふれる技を繰り出す。バトルアクションでもあり、日本特有の人間関係を描くドラマでもあるという異色作だ。

 坂本監督は、米国の「パワーレンジャー」シリーズ監督や総合プロデューサーを歴任し、「ウルトラマン」「仮面ライダー」「スーパー戦隊」の3大ヒーローシリーズすべてでメイン監督を務めたという経歴の持ち主。今回は「いがみ合う各世代間が、どの世代が一番優秀かを競って、日本の政治を任せるというバトルをする、とんでもない企画をいただきました。日頃のうっぷんがたまっていたんでしょうか(笑い)。『面白いからぜひやりましょう』」と話が進んだという。

 坂本監督自身はロスジェネ世代にあたるが「18歳の時に日本を出てアメリカ人になってしまったので、会社での世代間のギャップに困ったことはない」という。それでも、日本で仕事をするようになると「海外にいたので、日本に来た時のカルチャーギャップは大きかった。日本人のシステムはこういうもの、さらに世代によって分かれているんだ」と、逆に世代間の違いを鮮明に感じたといい、「今回の作品に生かせたのでは」と語る。

 ◇山田裕貴の魅力は 「SEDAI WARS」でのアクションはない?

 坂本監督は、今回主演を務める山田さんのデビュー作となった特撮作品「海賊戦隊ゴーカイジャー」を担当し、山田さんとは今回が4度目の仕事、「ゴーカイジャーでは、僕が担当した放送回が、山田君の主役回だった」と振り返る。山田さんは、その後坂本監督の映画「俺たち賞金稼ぎ団」で悪役を経験、次の映画「破裏拳ポリマー」では、主演を務めた溝端淳平さんの相棒役である2番手を演じ、今回満を持して坂本作品の主役となった。

 演じる役柄の幅広さから“カメレオン俳優”ともいわれる山田さんについて、坂本監督も「彼のポジションが上がってきて、演技の振り幅が広くなってきている。会うたびにすごく成長していて、デビューの時は一緒に『こうやればいいんだよ』と教えていた山田君が、今はこちらが頼れる存在になっていて、演技の提案をする側になっている」と、その成長を喜んだ。約8年ほどの付き合いとなる山田さんの魅力を聞くと「気心が知れている分、(坂本監督には)いろいろ言いやすいのかもしれないけれど、彼の魅力は人懐っこさと可愛さ」だという。「いろんな役を演じているけれど、基本的には可愛いんですよ。男の僕から見ても息子のように可愛がれる存在。しっかりしているところも抜けているところもある」と笑顔で説明する。

 VR内でのバトルアクションがある今作だが、山田さん演じるゆとり世代の悟は、戦いに積極的に参加するのではなく、どちらかというと逃げ回る役どころ。映画「HiGH&LOW THE WORST」などで見せた山田さんのアクションの魅力は発揮されないのではという心配があるが、「敵から逃げたり、怖がって物を投げたりするかっこ悪い普通の人の動きは、アクションができなくて崩すと危険に見えたりする。できるからこそ崩せる」という。特に山田さんは「何をやらせても器用ですね。身体能力を逆手にとって、できなく見せるのがうまい」と、太鼓判を押す。

 また「彼はアクションに加え、表情も計算して作れる。見ていると本当にうまいと思いますね」と感心。キャラクターの動き自体はかっこいいものではないが「回を重ねると、頼りないゆとり世代の悟の魅力がほかの世代に浸透し始める。主役として、不思議な魅力でみんなを引き付けてくるので、ヒーローとは違うかっこよさがある。期待していいと思います」と、自信を見せていた。

 MBSは1月5日深夜1時25分に放送。以降は毎週日曜深夜0時50分に放送。TBSは初回が同7日深夜2時29分、以降は毎週火曜深夜1時28分に放送。

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