麒麟がくる:視聴者の心揺さぶった“光安”西村まさ彦の名演 演出「明智の誇りと気高さを見事に表現」

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第17回のワンシーン 覚悟を決めた明智光安(西村まさ彦さん) (C)NHK
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NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第17回のワンシーン 覚悟を決めた明智光安(西村まさ彦さん) (C)NHK

 俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)第17回「長良川の対決」が5月10日に放送され、前回第16回「大きな国」(5月3日放送)に続き、明智光安役の西村まさ彦さんの名演が多くの視聴者の心を揺さぶった。

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 斎藤道三(本木雅弘さん)が、高政(伊藤英明さん)との一騎打ちのさなか、高政の家臣に槍(やり)で刺され、命を落としてしまう。道三軍に味方したことで、高政の軍に攻められることになった明智荘。光安は明智城に戻ってきた光秀(長谷川さん)に、明智家の当主の座を譲ると宣言する。自軍の兵の数が10分の1にも満たないことから「戦にならぬ」と考え、皆が討ち死になることだけは避けたいという光安は、「我らが討たれれば、明智家は途絶える。わしはそなた(光秀)の父上から家督を継いだ折、行く末そなたを立て、明智家の血は決して絶やさぬと約束した」と光秀に告げ、明智家の旗印を渡す。

 さらに光安は、「城を失うのはつらい。兄に申し開きができぬ」と悔しさをにじませながらも、「されど明智家が滅びるのは座視できぬ。何としてもそれは避けねばならぬ。これはそなたの父上の声と思うて聞け。一旦、城を離れ、逃げよ。逃げて逃げて、生き延び、明智家のあるじとして再び城を持つに身になってもらいたい。そなたなら、それがやれる。許されるなら、この左馬助(間宮祥太朗さん)をそこに加えてもらいたい」と願いを託す。

 また「他の者にも落ち延びるよう命じた」という光安の優しさに涙が止まらない光秀。敵が近くまで迫ってきていることを知ると光安は、光秀と左馬助に「急げ! 一刻も早う行け! ぐずぐずするでない!」と脱出を促すと、光秀の「叔父上は?」との言葉に「わしも後から行く。案ずるな。早う行け! わしはこの城の最期をしかと見届け、後を追う!」と涙ながらに別れを告げた……。

 道三の“最期”に続く、この日2度目のクライマックスで見せた西村さんの名演について、ドラマのチーフ演出・大原拓さんは、「光安には、ドラマの中でほっと息がつけるパートを担ってもらいました。光秀への最後の言葉は、叔父ではなく父として語ってほしいと話しました。西村まさ彦さんは、明智の誇りと気高さを見事に表現。光秀の今後を支えるメッセージになったと思います」とコメントした。

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