2020年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おちょやん」で、ヒロインの竹井千代を演じる杉咲花さんが7月14日、NHK大阪(大阪市中央区)のスタジオでクランクインした。初日の撮影は、杉咲さん演じる千代が初めて本格的に登場する、道頓堀の芝居茶屋で女中として働くシーンだった。「無事にクランクインできた今日、今まで感じたことのなかったような高揚感があり、現場にいられることの幸せを改めて噛みしめていたら、撮影はあっという間に終わっていました」と杉咲さんは振り返っている。
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同作は、4月2日に撮影をスタートし、同月6日まで大阪府内で“3密”を避けながら収録していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で同月7日から収録を休止していた。その後、6月24日にロケで収録を再開していた。
杉咲さんは「これまで、現場へ、千代へ、千代の大切な仲間たちへ、とにかく思いをはせる日々でした」といい、「温かいおちょやんチームの皆様に迎え入れていただけて、これからの日々が本当に楽しみになりました。たくさんの方に楽しんでいただける作品になりますように、おちょやんチームの皆さんと、体に気をつけながら、心を込めて頑張っていきたいと思います!」と気持ちを新たにしていた。
また千代の幼少期を、2019年度後期の朝ドラ「スカーレット」で熊谷雪子役を務めた毎田暖乃ちゃんが演じることも発表。グラフィックデザイナーの廣田碧さんが手がけた番組ロゴのデザインも公開された。
103作目の連続テレビ小説となる「おちょやん」は、上方女優の代名詞といえる存在で、「大阪のお母さん」として親しまれてきた女優の浪花千栄子さんの人生がモデル。浪花さんは戦前、「松竹新喜劇」の前身である「松竹家庭劇」に参加し、二代目の渋谷天外さんと結婚。喜劇女優としての道を歩んだ人物。戦後、「松竹新喜劇」に参加。離婚後、一時女優をやめるが、NHK大阪のラジオドラマで復活。その後、「大阪のお母さん」として映画やテレビで活躍した。今回のドラマでは実在の人物をモデルにするが、物語を大胆に再構築し、フィクションとして描く。
杉咲さん扮(ふん)する主人公の千代は、明治の末に大阪・南河内の貧しい家に生まれ、9歳で道頓堀の芝居茶屋に女中奉公に出される。多くの芝居小屋が立ち並ぶ街で、華やかな芝居の世界に魅せられた千代は、自らも女優を目指すようになる。そして喜劇界のプリンス、天海一平と出会い、妻になるとともに喜劇女優としても花開いていくが、戦争などの不幸が重なって女優を一時引退。しかしあるラジオドラマをきっかけに奇跡の復活を遂げる……というストーリー。
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