桜庭ななみ:13歳で行方不明となった主人公は「新たな挑戦」 家族、犯人によって話し方「変化」

8月1日スタートの主演ドラマ「13」で主演を務める桜庭ななみさん=東海テレビ提供
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8月1日スタートの主演ドラマ「13」で主演を務める桜庭ななみさん=東海テレビ提供

 女優の桜庭ななみさんの主演ドラマ13(サーティーン)」(東海テレビ・フジテレビ系、土曜午後11時40分)が8月1日、スタートする。ドラマは、13歳の時に行方不明となり、13年後に保護された主人公・百合亜(桜庭さん)と、その家族の姿を描く。「今回の役は新たな挑戦」と語る桜庭さんが、演じた百合亜の印象や作品の魅力などについて語った。

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 ドラマは、英BBCで放送され、大ヒットした「サーティーン/13 誘拐事件ファイル」が原作。不幸な事件に巻き込まれた一人の女性が体験する社会との断絶、好きな人との交流さえも困難になる理不尽さ、犯人に対する憤りなどを丁寧に描いた。日本版では、原作のサスペンス要素をそのままに、家族それぞれのストーリーに注目する。

 保護された百合亜は「ずっと監禁されていた」と、刑事の永井(青柳翔さん)と佐緒里(遊井亮子さん)に訴える。しかし、詳細については口をつぐむ百合亜に警察は不審を抱く。百合亜が行方不明となっていた相川家はすでに崩壊。母の麻美(板谷由夏さん)は百合亜のために、夫の宗一(神保悟志さん)と次女の千帆(石川瑠華さん)に「昔のように仲のいい家族を演じてほしい」と提案するも、百合亜の生還により、運命の歯車が再び動き出す……という内容。8月1日から「オトナの土ドラ」枠で放送。全4話。

 桜庭さんのインタビューは以下の通り。

 --相川百合亜役の印象、演じる上での大変さはありましたか?

 サスペンス作品の経験があまりなかった私にとって、今回の役は新たな挑戦でした。百合亜という女性は、心の奥底では何を考えているのか分からないところが魅力的でもあり、不思議な魅力を持っています。人とは違う環境の中で思春期を過ごしているので、心は13歳で止まっているような感じがして、感じたことを表現するのが難しかったです。見てくださる方には「百合亜は何を考えているのだろう? どういうことを思っているのだろう? 何を隠しているのだろう?」と想像していただきたくて、いつもより表情をつけずに、心の中でお芝居をしている感覚が強かったです。共演者の皆さんとも仲良くさせていただき、現場はとても楽しかったです。ただ、内容はとてもシリアスなので、現場の皆さんとは「毎シーンが、クライマックス!」と言っていました(笑い)。

 --この作品はBBC人気作品のリメーク版ですが、主演を演じる上で刺激を受けたことや、参考にされたことはありますか?

 BBCの作品は主役のアイビーがとにかく魅力的でした。最後まで答えが分からないような彼女の表情や動き、言葉の運び方もとてもすてきで、自然に物語に引き込まれていきました。日本版は“家族”をメインにしているところが原作とは異なりますが、違った角度で作品の魅力が出せるといいと思います。

 --台本を読んだ感想を教えてください。

 今回の台本は主人公の百合亜が13歳で誘拐され、13年後に家族の元に帰ってきたところから物語が始まります。連れ去られていたときのことではなく、26歳になった百合亜を取り巻く家族の心境や13年の間で変わってしまった周囲の環境に戸惑う心情を丁寧に描いていて面白かったです。

 --百合亜役で最も意識したところはどんなところですか?

 相手によって話し方を変えたりしました。犯人の一樹(藤森慎吾さん)を信じ込ませたり、寄り添うときには本気っぽい話し方にしたり、逆に家族といるときには13歳の少女のような話し方にしたり。百合亜の本心を探りながら見ていただけるとうれしいですね。

 --黒川一樹役、藤森慎吾さんの印象を教えていただけますか?

 とても優しくて面白くてお話ししやすい方でした。藤森さんの今回の役はとても怖い一面を持っていて、普段のイメージの藤森さんとのギャップが見どころだと思います。メガネをかけていない藤森さんは新鮮でした。最初監督から「犯人とはあまり仲良くならないで。撮影が終わってから楽しく話して」と言われていたけど、ついつい楽しく話してしまいそうになるくらい面白い方でした。

 --桜庭さんが13歳の頃はどんな女の子でしたか? その時の経験が今回の役作りに生かされていることがありましたか?

 中学1、2年の頃は軟式テニス部に所属していました。朝7時から朝練して、放課後も練習して、真っ黒に日焼けした活発な女の子でした。今回、百合亜は監禁された13歳の気持ちのまま現在を過ごしているので、自分の13歳の頃を思い出しながら演じました。

 --もしご自身が女優として活動していた13年間を奪われてしまったら、と考えましたか?

 はい、とても想像しながら演じました。自分の人生の13年間がなくなったらどうなるのだろうと考えたら、百合亜が本当にかわいそうとしか言えません。

 --桜庭さんは中国語、韓国語が堪能で、現場でも中国語を話している姿を見かけました。どのようなきっかけで始めたのですか?

 アジア映画がとても好きで、作品をちゃんと理解したいという理由で勉強を始めたのがきっかけです。中国語は2014年の秋頃から始めて6年ほどになりますが、まだまだです。頑張るしかないですね(笑い)。

 --どのように勉強をしているのですか?

 私のマネジャーさんが中国の方で、普段、中国語で日常会話を話すことが多いです。本などの言葉ではなく、会話の言葉で勉強をしたり、テレビのバラエティー番組を一緒に見たりして、生の反応に触れるのも勉強になると思っています。将来、アジアの作品に参加できるようにこれからも自分を磨いていきたいです。

 --最後に、視聴者にメッセージをお願いします。

 百合亜はとても魅力的な女性です。ただ、連れ去られてから13年たった百合亜に対して家族や友人はどういうふうに受け入れていいのか分からなく、百合亜自身も心が揺れ動いている。それぞれの心情の中でどのようにストーリーが進んでいくのか。見ていて吸い込まれていくような目を離せないサスペンス作品に仕上がっているとうれしいです。

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