女優の芳根京子さんが、北川景子さん主演の映画「ファーストラヴ」(堤幸彦監督、2021年公開)に出演することが7月31日、分かった。芳根さんは、北川さん演じる公認心理師の真壁由紀を翻弄(ほんろう)する、殺人事件の容疑者・聖山環菜役で、「環菜と向き合えば向き合うほど、引きずり込まれそうで震える恐怖を初めて味わいました」と振り返っている。
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芳根さん扮(ふん)する環菜は、アナウンサー志望の美人女子大生だったが、ある日、面接試験を途中で放棄し、その足で向かった父親の勤務先で父親を刺殺。「動機はそちらで見つけてください」と挑発的な言葉で世間を騒がせ、供述を二転三転させていく……という役どころだ。
芳根さんのほかに、中村倫也さん、窪塚洋介さんの出演も発表された。中村さんは由紀の義理の弟で、共に事件の真相に迫っていく弁護士・庵野迦葉(かしょう)、窪塚さんは由紀の夫で迦葉の兄でもあり、2人の良き理解者となるカメラマンの真壁我聞(がもん)を演じる。
映画は、「第159回直木賞」を受賞した島本理生さんの同名小説(文藝春秋)が原作。聖山環菜(芳根さん)の起こした事件を取材する公認心理師の真壁由紀(北川さん)は、夫・真壁我聞(窪塚さん)の弟で弁護士の庵野迦葉(中村さん)とともに彼女の本当の動機を探っていく。二転三転する供述によって真実がゆがめられる中で、由紀は環菜にどこか過去の自分と似た「何か」を感じ始めていた。そして自分の過去を知る迦葉と、環菜の過去をきっかけに、由紀は心の奥底に隠したはずのある記憶と向き合うことになる……というストーリー。
このビターな世界の中で、迦葉はどんな過去を背負い、またどんな未来を歩いていくのか、日常生活まで入り込むほどずっとず~っと考えていました。ここまで頭から離れなかった人物は初めてかもしれません。僕がこの世界に入る前から一ファンとして多大なる影響を受けてきた堤さん、窪塚さん。もはや百戦錬磨の芳根さん。そして何より、同世代の星、北川さん。試写の案内が届くのが楽しみな今日このごろです。ご期待ください。
環菜と向き合えば向き合うほど、引きずり込まれそうで震える恐怖を初めて味わいました。撮影が終わった今も、思い出すと涙があふれます。現場の温かい空気と、スタッフ・キャストの皆様に心から救われました。真壁先生が北川さんで本当に良かったです。初めての堤組で経験させてもらったことは、一生忘れません。
何もしないことの難しさ。堤監督との12年ぶりの仕事で求められたのは“何もしない”こと。何の狙いも持たずにただただ良き夫、良き兄としてカメラの前で在ることは想像以上に難しかった。つい作為的になりがちなところを北川景子さんはじめ、演者とスタッフが真摯(しんし)に自分の仕事に向き合う様に支えられて挑戦することができたように思います。
今回のキャストはまさにベストな人選であった。お陰で密度の濃い化学反応がいくつも。中村氏は眉目(びもく)秀麗な弁護士を演じるが、彼の役が持つ「影」はストーリーの低いところで少しずつ温かい流れとなって全体をくるんでいく。難しい役どころだったがストイックに演じ切ってくれた。
芳根京子さん。役にひょう依するとは彼女のことだ。撮影のシステムも熟知していて狙った場所で狙った以上の演技をする。まさに天才。涙の魔術師。そして盟友 窪塚洋介。いろいろと過去から演じてもらったが、今回はまさに「はまり役」ではないか。信念と優しさ、まるで扇の要のようにいい声で動揺する魂を鎮めていく。
他にもたくさんのこの映画にとっての適材適所な役者が渦巻いている。本当にたくさん。なんともぜいたくな作品作りであった。感謝!
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