尾上菊之助:ドラマ初主演で刑事役に初挑戦 残業ゼロでタンゴ習うニュータイプ刑事に

10月1日放送の「ドラマスペシャル 刑事アフター5」で主演を務める尾上菊之助さん=テレビ朝日提供
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10月1日放送の「ドラマスペシャル 刑事アフター5」で主演を務める尾上菊之助さん=テレビ朝日提供

 歌舞伎俳優の尾上菊之助さんが、10月に放送される「ドラマスペシャル 刑事アフター5」(テレビ朝日系)でドラマ初主演を務めることが9月14日、明らかになった。菊之助さんが演じる主人公の広橋航は、働き方改革により残業ゼロという勤務体系で、“アフター5”に、ダンス教室や料理教室に通うようになったという、“ニュータイプ”の刑事で、刑事役初挑戦の菊之助さんは、警察に徹底取材を行って役作りに臨んだという。

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 「刑事アフター5」は、これまで犯人逮捕のために人生をささげてきたが、働き方改革により生活が一変した刑事の広橋が、アフター5での体験により変化していく姿と、活躍を描く。アフター5を利用して、料理教室にダンス教室、おしゃれな飲食店など、これまで踏み入れたことがなかった世界に飛び込んでいくことによって、事件の真相が見えてくる……という展開。「ドラマスペシャル 刑事アフター5」は10月1日午後8時から放送。

 ◇尾上菊之助さんのコメント 

 2時間の刑事ドラマというと、スリルとサスペンスを感じるシリアスな作品を想像していたんですけれども、今回いただいた脚本を拝見した際に、「あれ? これはシリアスではなくてコメディーなのか?」と思いました。もちろん謎解きや推理の部分はあるんですけれども、かなりコメディーの要素も含まれていたので。さらに、働き方改革が鍵となるストーリーとなっていますし、非常に斬新な脚本で引き込まれました。

 これまで企業の社長やシェフなど、自分がやってこなかった職業を経験してきましたが、刑事役は初めてで、ドラマといえどもリアリティーがないと表現できないので、まずは警察の方にいろいろお話をうかがいました。警察は治安を守る方たちなので、「働き方改革なんて言ってられないですよね?」と聞いたら、意外にも「いや、そうじゃないんです。警察の中でも働き方改革には厳しくやっていて、それはリアルな話なんですよ」とおっしゃっていて。それを聞いて、この作品は架空の話だけではなくて、実際に起きている話なんだと理解し、空想の世界の中でもより現実に感じることができました。主演=真ん中に立たせていただくというのは、なかなかできない経験ですし、このような機会をいただいたのも貴重なことなんですけれども、それを意識することなく共演者の方たちにお任せして、共演者との空気を大事に、現場にいさせていただきました。

 今回演じる広橋航という人物は、今まで犯人逮捕のためなら時間も問わない、少し古いタイプの価値観を持った男なんです。それが、新しい価値観を受け入れていって変化していくというところも見どころの一つです。今まで仕事一本だった人間が家庭での時間を取り戻したり、今まで班のみんなに任せられず自分がいないとダメなんだと思い込んでいたのが、限られた時間の中で班のみんなに任せ、信頼を築いていったり。また、無趣味だったのに、事件をきっかけにアルゼンチンタンゴの世界に触れて、最初は捜査のつもりがどんどんのめり込んでいく……。もちろん仕事に没頭するというのも大事なんですけども、余裕やゆとりを持つことで事件解決につながっていくんだっていう重要な鍵を担っているので、働き方について考えさせられましたね。

 アルゼンチンタンゴのシーンはかなり面白いと思いますよ(笑い)。アルゼンチンタンゴは、体の軸という意味ではきっと日本舞踊と一緒なんだと思うんですけど、ポジションがぜんぜん違いますし、もちろん間の取り方も違います。自分はぜんぜん踊れませんでしたし、タンゴの先生も教えるのにすごい苦労されたと思います……。

 この作品はサスペンスの謎解き要素もあり、刑事ドラマのしっかりした部分も楽しめながら、コメディーの要素も入っていますので、老若男女問わず家族そろって肩の力抜いてみていただけるドラマになっていると思います。ぜひ家族そろって見て笑っていただければと思います。

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