奥平大兼:「恋する母たち」“母”吉田羊とのシーンも話題に 映画「MOTHER」でデビュー 注目の若手俳優の素顔

ドラマ「恋する母たち」に出演する俳優の奥平大兼さん(C)TBS
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ドラマ「恋する母たち」に出演する俳優の奥平大兼さん(C)TBS

 「『どういう気持ちなんだろうな?』と役のことを考えたりすることが、僕はちょっと楽しいなと思っているので、大変なこともあるんですけど、お芝居するのは楽しいです」。こう話すのは、金曜ドラマ「恋する母たち」(TBS系、金曜午後10時)で初の連ドラ出演を果たした俳優の奥平大兼さん(17)だ。奥平さんといえば、今年7月に公開された映画「MOTHER マザー」(大森立嗣監督)で、初演技にして、メインキャストに大抜てきされた注目の若手俳優。そんな奥平さんにドラマ撮影の裏側や、役者業についての思いを聞いた。

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 ◇映画「MOTHER マザー」で大注目

 奥平さんは、2003年9月20日生まれ。東京都出身。趣味は芸術鑑賞、洋楽、クラシック、ピアノ。特技はバスケットボール(中学3年間)。空手(6~12歳)初段で、全国武道空手道交流大会「形」で優勝した経験も持つ。映画「MOTHER マザー」では、長澤まさみさん演じるシングルマザー秋子の息子役を演じ、注目を集めた。

 中学1年のときに、スカウトを受け、事務所に所属することになったという奥平さん。しかし、「こういう(芸能)活動にあんまり興味がなくて……」という思いもあり、バスケットボール部の活動に専念。部活の引退に伴い、初めてオーディションを受けた作品が、映画「MOTHER マザー」だった。

 「事務所の方から『オーディションがあるので行ってください』と言われて。これからいっぱい受けることになると思ったので、失敗してもいいから(オーディションに)慣れよう、どういう感じなのか“調査”みたいな感じで、行かせてもらって。そうしたら出られることになったので、『ええ!?』って(笑い)」

 オーディションに合格しうれしい気持ちがある一方、何をすればいいのかもわからなかった。「正直、何というか……追いつかないんですよね。実感がないんですよ、本当に。『俺が演技するの? 映画に出るの?』って。自分の考える間もなく、演技をするということになりました」と率直に振り返る。

 それまでの演技経験はゼロ。映画の撮影前に、大森監督との1対1のワークショップで、さまざまなことを学んだという。「映画の撮影で吸収したものが、本当に大きいんだなと最近思ってきて……長澤さんの演技を目の前で見たりして、本当によかったなとめちゃめちゃ思います。それがなかったら、今回の役(「恋する母たち」の林大介)ももっとひどいことに……。すっごい恵まれた環境なんだなと思いました」

 ◇映画とドラマの撮影方法の違い 「慣れるのはまだ大変」

 「恋する母たち」は、柴門ふみさんの同名マンガが原作で、木村佳乃さん、吉田羊さん、仲里依紗さんが演じる、同じ高校に通う息子を持つ3人の母たちの恋愛と友情を描いたラブストーリー。

 奥平さん演じる林大介は、吉田さん演じる優子の息子。麻蔵学園高校1年E組で、成績は良いが、家に引きこもっている。優子の夫で小説家志望の専業主夫・シゲオ(矢作兼さん)とは仲が良い……という役どころ。

 奥平さんにとって、映画「MOTHER マザー」に続き、「恋する母たち」は2作品目となる。「映画の撮影では、多少考える時間だったり、セリフを言う“間”が十分に時間があったんです。でも、ドラマは撮影ペースが速かったので、そこに慣れるのはまだ大変ですし、100%慣れていないですね」と明かす。

 奥平さんの母親役を演じる吉田さんは、先月行われた会見で、「初めて拝見したのが『MOTHER マザー』という映画で。『うわ、すごい人が出てきたな』と思って、ご一緒するのを楽しみにしていた」と奥平さんについて話していた。また、「演技に慣れていないからこそ、セリフを真っすぐ私に届けようとするので、彼とやるシーンは一つ一つ突き刺さる」とも明かしていた。

 11月20日放送の第5話では、大介が優子に向かって、同じクラスの石渡研(藤原大祐さん)が好きであることを告白。奥平さんは、「そういう感情がわからなかったので、そのシーンをやる前からびびりまくっちゃってて。どうなるのかなという不安がすごくあったんですけど、いざ本番で羊さんと対面して……(おこがましいかもしれませんが)これがプロなんだなと思った。実力の差を体感しました」と話す。

 同シーンの撮影が終わっても、大介の思っていることが「理解できないところがある」と明かし、「『これで合っているのかな?』というか……難しいです。映像として見たときにどう見られるのかが気になります。ちょっと怖いですね。本当に……」と思いを話す。

 ◇音楽、絵、ファッションが好きな17歳

 今回のドラマ出演について、両親も喜んでくれていると話した奥平さん。10代の友人も見てくれているといい、「みんな見てくれて、『面白い』と言ってくれる。よかったですね」と照れ笑い。ただ、「MOTHER マザー」の時もそうだったが、友人からは役名で呼ばれることもあるといい、「本当につらいですよね(笑い)。見てくれたことにはうれしいんですけど、役名で呼ばれたりするのは、『もう、なんだよ~』みたいな感じで(笑い)」と友人とのやりとりを明かす。

 記者からの質問に対しても、飾らずに答えてくれ、自然体な姿が魅力的だった奥平さん。好きなものは、音楽と絵とファッションで、「基本的に昔のものが好き」だという。

 「小さい頃から、お父さんとお母さんが、リビングでマイケル・ジャクソンとかそういう音楽を流していたんです。洋楽を聴くのが当たり前だったので、音楽は70年代、80年代ぐらいの洋楽を聴きます。(ロックバンドの)『QUEEN』とか聴いています」と話す。ちなみに、好きな食べ物はアヒージョで、「家で結構な頻度で出てくる」という。

 空手について聞くと、「僕がやっていた空手は、ちょっと当てるのはいいんですけど、できるだけ寸止めをする」と説明。「試合だとどうしても当たっちゃうときがあるから、我慢して戦わないといけないんです。でも、僕は当たりたくないので……痛いので(笑い)、相手の行動を読めるようになって。情けないですけど、よかったな」と話していた。

 自身の性格については、「個人的にはめちゃくちゃネガティブ……」と分析した奥平さんだが、同席したスタッフが「ネガティブと感じたことはない(笑い)」と話すと、「じゃあポジティブかもしれない(笑い)」と前言撤回。

 「嫌なことがあると、前までは一人で抱え込んでいたんです。空手のときとか。でも、あるときに一人で抱え込むのが嫌になっちゃって。ちょっとマイナスなことがあると、迷惑かもしれないけど、人に共有するようになっちゃったので(笑い)、あんまりガクンと下に下がることはないですね。ちょっと下がって、上に行く!」

 そんな奥平さんは、「ドラマもこれからどんどん盛り上がっていくところでもありますし、大介も親から離れた生活がどうなるのかというのは見どころだと思うので、ぜひこれからもチェックしていただけたらうれしいなと思います」と視聴者に呼びかけた。

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