半沢直樹:やっぱりすごかった!令和一のヒット作を振り返る “半沢”堺雅人&“大和田”香川照之の名言&名シーン “胸アツ”少年マンガ展開も

連続ドラマ「半沢直樹」に出演した堺雅人さん(左)と香川照之さん
1 / 1
連続ドラマ「半沢直樹」に出演した堺雅人さん(左)と香川照之さん

 今年7~9月に放送され人気を博した、俳優の堺雅人さん主演の連続ドラマ半沢直樹」(TBS系)の続編。全10話の期間平均視聴率は24.7%で、令和に放送された連続ドラマの中で1位という結果を残した。2013年に放送された前シリーズから7年ぶりに放送された続編では、香川照之さんが好演した大和田の名ぜりふ「恩返し」と、キャスト陣が“これでもか!”と画面いっぱいに激情を表現する「顔芸」が「2020ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされるなど、今年のドラマ界は“半沢イヤー”となった。

ウナギノボリ

 ◇7年ぶり「倍返し!」に視聴者興奮 大和田「恩返し」など数々の名言&名シーン

 ドラマは池井戸潤さんの「半沢直樹」シリーズが原作で、続編は「ロスジェネの逆襲」と「銀翼のイカロス」を実写化。東京中央銀行の銀行マン・半沢(堺さん)が、銀行内外に現れる敵と戦う様が描かれた。

 前シリーズでおなじみとなり、「2013年ユーキャン新語・流行語大賞」で年間大賞も受賞した半沢(堺さん)の名ぜりふ「倍返し」。今回の第1話のラストシーンで7年ぶり“令和初”の半沢の「やられたらやり返す。倍返しだ!」が登場すると、SNSでは「時代をまたいで倍返し!」「倍返しだ!って聞いた瞬間、涙あふれた」と歓喜の声が飛び交った。ツイッターでは「#半沢直樹」が世界トレンド1位となり、盛り上がりを見せた。後半では、前作の「100倍返しだ!」を超えた「1000倍返しだ!」も登場した。

 続編では、「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」には登場しない“ドラマオリジナルキャラ”の大和田がすさまじい活躍を見せた。流行語にノミネートされた「恩返し」は第1話に登場。前シリーズで半沢に不正を暴かれ、銀行員生命を絶たれそうになった大和田が、くら替えした中野渡頭取(北大路欣也さん)に「やられたらやり返す。施されたら施し返す。恩返しです!」と力を込めて語り話題を集めた。

 その後も、「お、し、ま、い……DEATH!」「死んでも嫌だね!」といった皮肉たっぷりの名言を続々と発したほか、首をかき切るポーズといった小憎らしい動き、半沢との“塩対応”の応酬、「人にものを頼むときの大事な7文字」「さあさあ」「おねしゃす」と言いながら“ソフトタッチ握手”をするなど、二人の関係性をユニークに描いた演出もあり、SNSでは「劇場!」「コント!」「今週の名言」と視聴者を楽しませた。

 今回の人気キャラとなった証券営業部の部長・伊佐山(市川猿之助さん)の「わびろ」“8連発”、「土下座野郎」、“オネエ口調”の黒崎(片岡愛之助さん)の“急所潰し”、「ファイト・まん・まんよ!!」「あなたしかいないのよ!」など、数々の名言も誕生した。

 ◇半沢・大和田“連合軍”結成 少年マンガさながらの“胸アツ”展開も

 シリーズを通して、半沢はさまざまな立場の仲間と共に、銀行内外に現れる敵と戦ってきた。前シリーズでは、半沢が父の敵となる“ラスボス”大和田の不正を暴くため、半沢は同期の渡真利(及川光博さん)と近藤(滝藤賢一さん)と力を合わせた。

 今回の続編の後半では、「帝国航空再建プロジェクト」を担当した半沢の前に、箕部幹事長(柄本明さん)直属で、白井亜希子大臣(江口のりこさん)と、乃原正太(筒井道隆さん)率いる再建検討チーム「タスクフォース」が立ちはだかった。

 “巨悪”の箕部幹事長を倒すため、半沢が大和田と手を組んだのを機に、半沢の同期の渡真利、前シリーズでの敵だった“タブレット福山”こと福山(山田純大さん)、半沢と大和田の“師匠”富岡(浅野和之さん)、国税庁に飛ばされた黒崎らによる“連合軍”が結成されるという少年マンガさながらの“胸アツ”展開が描かれ、視聴者の胸を熱くさせた。

 ◇猿之助&松也らがバラエティー番組で活躍 スピンオフ制作は…

 2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でドラマ界も、撮影、放送の延期といったアクシデントに見舞われた。本作も例外ではなく、当初は4月スタートの予定だったが、7月スタートを余儀なくされた。さらに、9月6日に放送される予定だった第8話が、翌週に順延。6日にはドラマのキャストが出演した番組が生放送された。

 しかし、そんなアクシデントに見舞われながらも、視聴者を楽しませ続けたのが「半沢直樹」だった。高視聴率獲得のみならず、「2020ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート、さらに、ヤフーの検索サービスで前年に比べて最も検索数が上昇した“今年の顔”を表彰する「Yahoo!検索大賞2020」のドラマ部門賞を受賞した。

 そして、「半沢直樹」といえば、前シリーズの東京中央銀行大阪西支店の支店長・浅野を演じた石丸幹二さん、“机バンバン”の小木曽を演じた緋田康人さんといったテレビ出演が少ない舞台俳優が抜てきされ、注目を集めた。続編では、電脳雑伎集団の社長・平山役の土田英生さん、半沢と大和田から「さあさあ」と追い詰められ、“後ずさり土下座”も披露した曾根崎役の佃典彦さんらが話題にもなり、今後の活躍が期待されるところだ。
 
 さらに、存在感を示した猿之助さん、愛之助さん、スパイラルの社長・瀬名役を演じた尾上松也さんは、ドラマ放送終了後、多数のバラエティー番組などに出演し、撮影裏話や名ぜりふを披露し、大活躍を見せている。香川さんも10月31日に放送された「クイズ!!試験に出るニュース」(TBS)で、バラエティー番組のMCに初挑戦するなど、活躍の場を広げている。

 池井戸さんの原作はシリーズ4作目の「銀翼のイカロス」まで実写化されたが、今年9月にシリーズ1作目「オレたちバブル入行組」の前日譚にあたる、東京中央銀行大阪西支店に配属されたばかりの半沢の姿を描く最新作「アルルカンと道化師」(講談社)が発売された。本編の続編ももちろん期待したいところだが、続編の放送終了後、SNSでは“スピンオフ”の放送を熱望する声も上がっており、2021年は、全シリーズを通して躍動した大和田、黒崎、渡真利といった人気キャラクターたちのスピンオフの制作も期待したい。

テレビ 最新記事