パラサイト 半地下の家族:ポン・ジュノ監督が描きたかったのは? 「格差」ではなく「未来に対する恐れ」

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映画「パラサイト 半地下の家族」の場面写真(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

 昨年話題になった韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)が、1月8日の「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系、午後9時)で地上波初放送される。半地下住宅で生活する貧しい一家と高台の豪邸で暮らす裕福な一家が出会い、徐々に貧しい一家が裕福な家庭にパラサイト(寄生)していく物語。第92回アカデミー賞でアジア単独映画として初の作品賞を受賞し、脚本賞と国際長編映画賞、監督賞も受賞し、4冠を達成した。

 第72回カンヌ国際映画祭でも韓国映画初の最高賞・パルム・ドールを受賞、世界の映画賞を総なめにした。日本でも興行収入は45億円以上。国内での韓国映画の興収最高額だった「私の頭の中の消しゴム」の30億円を15年ぶりに更新した。

 世界共通の問題、格差社会を描写。前半は貧しい一家が裕福な一家に寄生する様子をコミカルに演出し、中盤から後半にかけては弱者が強者に“一発かます”様をスリリングかつシリアスに描く。1本の作品でコメディーからサスペンスへと変貌し、笑って、ハラハラドキドキし、鑑賞後は格差について考えさせられる……。完璧なエンターテインメント作品といっても過言ではないだろう。

 ただ意外なことに、ポン監督が描きたかったのは格差ではなかったそうだ。昨年2月23日の記者会見で「全世界にある(格差による)二極化の事実を暴きたかったという意図よりも、未来に対する不安や恐れを描きたいという感情がありました」と明かした。「未来の社会がこの二極化を克服しうるのか。それは、たやすいことではないと思ったのです。私は悲観主義者ではないですが、今後どうするべきか。私たちの抱えている不安や恐れを、率直に映画に表現したいと思いました」と語っている。

 「メッセージやテーマを伝えるうえで、私は真顔で相手に伝えることが得意でなく、冗談交じりに伝えることが好きなのです。この映画の中でも、自分の伝えたいメッセージを声高に伝えるよりも、俳優の豊かな感情と共に映画的に伝えたいという気持ちがありました」とも述べていた。ユーモアたっぷりでも、社会に痛烈なメッセージを発する作品。そのすごさを体感してもらいたい。

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