119エマージェンシーコール
#09 土砂崩れ発生!迫る人生の決断の時
3月17日(月)放送分
2月7日に最終回を迎える長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)。同回では、いよいよ「本能寺の変」が描かれるが、信長(染谷将太さん)を討つため、光秀(長谷川さん)と共に本能寺に攻め込む明智家臣団の一人、左馬助を演じているのが間宮祥太朗さんだ。光秀とはいとこ同士でありながら、「片腕」として光秀と行動を共にしてきた左馬助。「信長や将軍もいますが、左馬助が見てきたのはそこじゃなくて、常に光秀。生涯、光秀にとって『どういう自分でありたいか』ということを考え続けた人」と位置づける間宮さんに、左馬助として過ごした撮影の日々を振り返ってもらった。
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第12回「十兵衛の嫁」(2020年4月5日放送)に初登場し、第17回「長良川の対決」(2020年5月10日)で道三(本木雅弘さん)が息子・高政(伊藤英明さん)に討たれ、光秀と共に越前に逃れて以降、ますます光秀の「片腕」として存在感を発揮してきた左馬助。そんな左馬助を間宮さんは、光秀にとって「どんな存在であるべきか」を常に意識しながら演じてきたと言う。
間宮さんから見た光秀は、「いろいろな人にいろいろなことを言われて葛藤していく人物。全体的に聞き役というか、もちろん自分の思いを語るところともたくさんあるのですが、“声の大きな人たち”からいろいろなことを言われて、そのいろいろな声を、世を平らかにするための材料にしながら考えていく人」。左馬助は「そんな光秀にとっての聞き手でありたかった」といい、「たぶん左馬助は、そんなに出過ぎたことを言わないですし、独り言に近いくらい光秀がボソッと言ったことを隣で静かに受け止める。そこに安心があればいい」という思いだった。
また左馬助が、光秀の「片腕」として優れている点や美徳に「寡黙さ」を挙げていて 「最初に監督に、例えとして『バットマンのロビン』みたいなことを言われて。ロビンも自分の主義主張を、というよりは、静かに(付き従う)、というイメージがあったので、それを頭に置きつつ。あと決して劇中で描かれているわけではないのですが、左馬助は光秀からいろいろと指示を受け、いろいろな場所に行って、そこで聞く話から、どんな人物であるとか、今の情勢、世のことを勉強していった気がしていて……。光秀に使われることで、自らも学んで成長していったと思うので、ある意味『素直さ』も、そこに含まれるのかもしれません」と推測した。
左馬助が見続けてきた光秀を長きにわたって演じてきた主演の長谷川さんの印象も聞いた。「僕の中でのイメージは『しなやかな人』。長い期間かけて撮影していても、状態をあまり変えず、フラットにいられる方だなという印象があります。人によっては機嫌が良かったり、イラついていたり、疲れてたりとか、その時々の状態の変化があると思うのですが、そういう波がない。自ら調整しているのか、無意識なのか分からないのですが、それがブレない人という印象があって、それが僕が思う“しなやかさ”です」と話す。
また、現場では「長谷川さんの横に並ばせてもらって、すごく居心地の良さを感じました」と明かす間宮さんが、特に印象に残っているシーンが、有名な信長の撤退戦「金ケ崎の退き口」を題材に描かれた第31回「逃げよ信長」(2020年11月8日放送)でのワンシーン。
織田軍のしんがりとして追撃してくる朝倉・浅井の両軍を必死に打ち払ったあと、身を潜めているところで、光秀から「戦のない世を作るために、今は戦を重ねるしかない」と決意を告げられるシーンだ。「敵がいつ来るか分からない緊張状態の中でしたが、光秀の思考じゃなくて、感情に触れた感じがありました。それがうれしかったのと、それどころじゃないっていうのもあって。でも言葉だけにはとどまらない、感情のところでのやりとりになったという意味では、ほかのシーンとは違う感触だったなと思います」と振り返る。
最終回では、戦のない世を作るため、麒麟を呼ぶために「本能寺の変」を起こすが、同シーンの撮影でも、間宮さんは「光秀の感情にすごく近づけたのかなって思いました」と話している。
「『本能寺の変』という事実を知っている段階では、信長側からも、光秀側からも、もっと言えば秀吉側や家康側からも特に見ていない。それは『そういうことがあったんだよね、事実として』という感想でしかない。それが左馬助を演じることによって、光秀側からの『本能寺の変』という見方にはどうしてもなってしまって。そういう意味では、ただ知識としてあったものが、あくまで自分の役や作品を通してですけど、自らが経験したものに近い感覚になったのかなって、今は思っています」と結論づけていた。
「麒麟がくる」最終回(第44回)「本能寺の変」は2月7日に15分拡大版で放送される。
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