NHKの「よるドラ」枠で放送中の連続ドラマ「きれいのくに」(総合、月曜午後10時45分)に出演している稲垣吾郎さん。稲垣さんは、奇妙な架空の国を舞台にしたドラマの中で、10人以上の役を演じることに初めて挑戦した。俳優として全く新しいチャレンジであることから、「何か新しいことに挑戦していくっていうのはすごく僕もうれしい」と語る。また「世の中の反響がこんなに楽しみな作品はない」とも明かす稲垣さんにドラマについて聞いた。
ウナギノボリ
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「きれいのくに」は、誰もが抱える容姿へのコンプレックスをテーマに、リアルと虚構を織り交ぜて描くドラマ。劇中に登場する架空の国では、ほとんどの大人の男性の顔が稲垣さんの顔になっており、街ゆく男性はもちろん、街中のポスターに写っている男性も皆、稲垣さんの顔をしている。
稲垣さんは、10役以上を演じ分けるにあたり「当たり前ですけど、10人違って見えるように。はっきりとコントラストをきかせてやりたい」と意気込み、「何か新しいことに挑戦していくこと、参加できることはすごく僕もうれしいです」と笑顔を見せる。
また、「雰囲気とか、共演者とか、せりふとか(によって)、その役が生きている、存在している場所にちゃんといざなってもらえた」と明かし、「『この役だからちょっと声を高くしようかな』とか、『この役だから声を低くして、姿勢を悪くしようかな』とか、そういう細かいテクニックとかではなくて、自然と(役に)引っ張られていった」と語っている。
一方で、「僕自身、何役も演じるというのは初めての経験です。しっかり演じられていたのかどうか心配ですけど」と素直な思いを吐露。「あとは皆さんがどういうふうに感じていただけるかということなので。リアクションというか世の中の反響がこんなに楽しみな作品っていうのも逆にないですよね。想像がつかないという意味でね」と期待を寄せた。
そんな、奇妙な国を舞台にしたドラマの台本について、稲垣さんは「ちょっと読み物としてはすぐには理解ができないというか。どこをどう楽しんでいいのかっていうのが非常に難しいですよね」といった本音も。「見方によっては、あだち充さん(のマンガ)みたいな爽やかな青春ファンタジーに見えるし。見方によっては、SF、ホラーなテイストもありますし」と持論を披露。
さらに、1人で10役以上を演じる中で、同作にコメディーとしての側面も見いだすようになったという稲垣さんだが、そのコメディー性も一義的なものではないようで、「笑いの中に狂気があって。狂気の中にもまた優しさがあったりとか、その辺が独特ですよね。“人間のリアル”ってこうだなって思うこととかが本当にあって」と話す。
一つのジャンルでくくることができない“難解さ”がある一方、「ちょっと分かるというか、見えてくる」ものもあると語る稲垣さん。「起きている事象だけを追っても絶対分からない。でも、喜怒哀楽の四つの間にまたがるような、細かい感情って絶対人間あると思うんですよ。もちろん若くなくても。そういうものが結構繊細に描かれている」とドラマの印象を語っていた。
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