胸が鳴るのは君のせい:「有馬隼人」は浮所飛貴だから胸キュン 白石聖の“ヒロイン力”も 原作者・紺野りさが語るキャストの魅力

映画「胸が鳴るのは君のせい」の場面写真(C)2021 紺野りさ・小学館/「胸が鳴るのは君のせい」製作委員会
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映画「胸が鳴るのは君のせい」の場面写真(C)2021 紺野りさ・小学館/「胸が鳴るのは君のせい」製作委員会

 親友のように仲が良い友達同士の片思いを切なくもみずみずしく描き、コミックスの累計発行部数が250万部を突破している人気マンガ「胸が鳴るのは君のせい(胸きみ)」。ジャニーズJr.の人気グループ「美 少年」の浮所飛貴さん主演、白石聖さん共演で実写映画化され、6月4日に公開される。映画を見た原作者の紺野りささんは「有馬隼人は浮所さんだから胸キュンがすごかった」と表現力を絶賛する。平面世界から“生きた”キャラクターに昇華させたキャスト陣の演技について、“生みの親”である紺野さんに魅力を聞いた。

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 ◇感情の振れ幅見せた浮所飛貴 “表情映え”する白石聖

 映画は、転校生の有馬隼人(浮所さん)に思いを寄せるヒロイン・篠原つかさ(白石さん)の片思いを描く青春ラブストーリー。有馬と親友のように仲が良いつかさは、ある日、女友達から両思いだとはやし立てられ告白するも玉砕。しかし、つかさは有馬に諦めないと宣言し、その後も真っすぐいちずに思い続ける……。

 映画について紺野さんは「キャラクターたちが“生きてる”って思いました。表情や声がつくだけで全然違うんですよ。原作と同じセリフでも、こういう声のトーンや話し方なんだって、生々しくてキュンキュンしました」と感動を語った。では、キャストたちが演じた登場人物の魅力はどんなところにあったのだろうか。

 「白石さんが演じるつかさはとにかくナチュラル。つかさが泣く姿や、有馬に隠れて切ない顔をする姿がリアルで、気づいたら自分がつかさになりきっていました」と話す。「白石さんはお人形さんのように“美しい”イメージでしたが、お話しすると“可愛らしい”雰囲気もある方。両者を兼ね備えているからこそ、いろんな表情が映えるし、そのどれもが魅力的でした」と、“ヒロイン力”を感じたという。

 「有馬は浮所さんが演じるからこそ、胸キュンがすごかった。初めはクールなのに、つかさからの告白をきっかけに意識したり、ライバルの登場に焦ったりと、ぐわんぐわん心が揺さぶられて、切羽詰まってくる。その感情の振れ幅がうまくてときめきましたし、有馬ってこんな感じなんだろうなという想像そのまんまでしたね」という。

 「浮所さんは初めてお会いしたとき、現場から走り出て来て、ニコニコしながら『胸きみ』が大好きだと伝えてくださったんです。でも、有馬を演じているときは、途端に目力がキリッとして。そのギャップもすごかったです」と教えてくれた。

 ◇恋敵を好演 板垣瑞生のドキドキさせる色っぽさ 原菜乃華が生む人間味

 フラれたあとも、けなげに有馬を思うつかさの前には、手ごわい恋敵も現れる。有馬の元カノ・長谷部麻友(原菜乃華さん)だ。麻友はお嬢様学校に通う超美少女で、有馬とはある秘密を共有している。あることがきっかけで別れてしまったが、有馬のことが諦めきれず、有馬とクラスメートであるいとこの長谷部泰広(板垣瑞生さん)を利用して、猛アプローチをかける……という役どころだ。

 紺野さんは「麻友はライバル役なので、女の子の嫌な部分を出しているキャラクター。でも、原さんが演じる麻友を見たときに、有馬に執着する理由がはっきりと見えてきて。私が原作で描いていたときよりも、ものすごく人間味を感じました。しかも、原さんはそれを表情だけで表現する。多くを語らなくても伝わってくるものがありました」と原さんの繊細な演技を絶賛した。

 そして、麻友からの頼みで、有馬の“身辺調査”をしていた長谷部は、次第につかさのことが気になり始め、4人の関係性はさらに複雑化していく。長谷部はいつも女子に囲まれているイケメンの“モテ男子”で、チャラそうに見えながらも実は優しいギャップの持ち主。有馬とはまた別の魅力を持つキャラクターだ。

 紺野さんは「高校生にしては大人っぽいし、女子との関わり方にも慣れていて、モテる説得力があるんですよね。有馬とも良い意味で差をつけているというか」と長谷部のキャラクター像を語る。「そんな長谷部に板垣さん自身の色っぽさがハマっていて、有馬に引けをとらないかっこよさを、板垣さんならではの表現でしていただいたように思います。個人的には板垣さんの声がとても好きで、ささやき方にはドキドキさせられました」と板垣さんが演じた映画版の長谷部の魅力を明かしていた。

 こうして、それぞれのキャストによって“命”が吹き込まれたキャラクターたち。紺野さんは「原作で伝えたかった『好き』のパワーを、映画ではよりリアルに表現していただきました」と話す。一人一人の思いに寄り添いながら、“誰かを好きになる尊さ”を体感してほしい。

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