小出恵介:「酒癖50」で4年ぶりドラマ復帰 ニューヨークで演技論学ぶ 改めて感じた役者業への思い

俳優の小出恵介さんが主演を務める連続ドラマ「酒癖50」のワンシーン(C)AbemaTV,Inc.
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俳優の小出恵介さんが主演を務める連続ドラマ「酒癖50」のワンシーン(C)AbemaTV,Inc.

 7月15日午後10時にスタートするドラマ「酒癖50」(ABEMA)で主演を務め、4年ぶりのドラマ復帰を果たす俳優の小出恵介さん。ドラマは、酒によってあぶり出される人間の本当の弱さや愚かさを描くオリジナル作品で、小出さんは酒の恐ろしさを教える酒野聖(さけの・せい)役を担当する。「撮影中は手応えを感じる余裕はなくて、ついていくのに必死でした」と振り返る小出さんに、今作にかける思いや、2年半過ごしたという米ニューヨークでの生活について聞いた。

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 ◇鈴木おさむからじきじきオファー “ノーブレーキ”で挑んだ役

 ドラマは、「Hate Alcohol Firm」に勤める酒野聖が主人公。酒野は、とある企業の社長から、“酒癖が悪いワースト50”の社員を集め、彼らに“あるビデオ”を見せることで、お酒の恐ろしさを理解してもらうというプログラム「Hate Alcholプログラム」の依頼を受ける。しかし、プログラム受講後も懲りることなくお酒を飲み続けた参加者は、とんでもない“最悪の結末”を迎え……という内容。全6話のオムニバス形式となる。

 オファーを受けたときのことについて、「非常にうれしい気持ちがありましたし、ドキドキしました」と振り返りつつ、「連ドラで主役をやらせていただくことが務まるのかという不安があり、やるかどうか悩みました」と率直に語った小出さん。脚本を手がける鈴木おさむさんからのじきじきのオファー。東京とニューヨークをつないだリモート会議の中で制作チームから激励を受け、今作への出演を決めた。

 小出さん演じる酒野は、毎話登場する酒の問題をそれぞれ抱える参加者を、解決に導いていこうとする役どころ。“攻めた”内容ということで、鈴木さんからは「(このセリフが)どうしても言えないということが出てきたら教えてください」と言われたというが、「自分でブレーキをかけることはできたのかもしれないですけど、できる限りは挑戦したいなと思っていた。自分もかなり飛び込んだといいますか……」と心境を明かす。

 グサッときたセリフもたくさんあった。「とくに最初のセリフ『今から皆さんにはお酒を大嫌いになっていただきます』は非常にハードルの高いセリフです。このドラマの肝となるセリフだなと思ったので、説得力を持って言わないとなと思いました」と話す。

 久しぶりのドラマ撮影の現場ということで、「とにかく無事にちゃんと撮り終えるのが目標でした」と明かした小出さん。「実は『セリフをちゃんと言えてよかったな』とかそういうレベルで。『よく言い切りました、よしよし……』みたいな(笑い)。無事撮り終えてよかった」と胸をなで下ろす。「僕としてはノーブレーキというか、ストッパーをかけずに挑戦させてもらった役なので、面白がって見てくれたらうれしいですね」と話す。

 ◇ニューヨークでは「必死にサバイブ」 演技論「マイズナーテクニック」を学ぶ

 2017年6月に活動休止。その後、2年半にわたりニューヨークで生活をしていたという小出さん。ニューヨークでは、語学学校に通った後、演技の学校を2校“かけもち”。演技教師であるサンフォード・マイズナーによる演技論「マイズナーテクニック」を学んだという。授業は英語で行われ、「最初はついていけない感じだった。でも慣れていくもので、だんだん言葉がわかってきて、まわりとのコミュニケーションができていきました」と振り返る。

 平日の午前9時~午後3時まで語学学校に行った後、演技の学校へ。大学生の頃よりも真面目に勉強に励んだ。「こんなに真面目にやったことないぐらいに(笑い)。朝7時ぐらいに起きて、おにぎり握って、地下鉄に乗って学校に行く。昼休みは近くの公園に行ってコーヒーを飲む。地味ですけど、違う国だから非常に刺激は強いですし、それはそれで楽しかったです。でも生活するだけでも精いっぱいで、必死にサバイブした感じもあります」

 小出さんによると、「マイズナーテクニック」とは、役作りをするな、という考え方だ。「自分で何かを考えて演技をしてはいけない。相手に全部集中して、相手を観察しなさいという考え方で、難しいんです」と説明する。その学びをいかし、「頭でっかちにならずに、より感覚的に演技をすることを心がけるようになりました」と話す。

 ◇「この仕事が好き」と再確認

 ニューヨークで時間を過ごす間も、また日本の作品に出演したいという思いを持っていた。「絶対にドラマや映画の世界に戻る、という気持ちはどこかにやっぱりありましたね」と明かしつつ、「具体的にどうなるかはもちろんわからず、日々目の前のことに全力で取り組んで追われていました」と振り返る。

 そんな小出さんが4年ぶりにドラマ復帰して感じたことは、役者業が「一番好き」という思いだった。「今回の現場を通して、なによりも充実感があって。改めてこの仕事が好きということを再確認いたしました」と話す。

 最後に、視聴者に向けて「またドラマに出られることが本当にうれしいですし、役者としてやっていけるというのはうれしい。この4年間、自分が感じたり、考えたり、学んできたことを絶対に演技を通して訴えていきたいなと思っています」と呼びかけた。

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