森山直太朗:“隙”のある雰囲気が独特の魅力に 「うきわ」くたびれた課長役も話題 ドラマPに聞く

連続ドラマ「うきわ -友達以上、不倫未満-」に出演する森山直太朗さん(C)野村宗弘・小学館/「うきわ -友達以上、不倫未満-」製作委員会
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連続ドラマ「うきわ -友達以上、不倫未満-」に出演する森山直太朗さん(C)野村宗弘・小学館/「うきわ -友達以上、不倫未満-」製作委員会

 女優の門脇麦さんが主演を務めるテレビ東京の連続ドラマ「うきわ -友達以上、不倫未満-」(月曜午後11時6分)が、SNSで「面白い」と注目を集めている。ドラマは、配偶者に浮気されているという共通点を持つ、門脇さん演じる主人公と、森山直太朗さん演じる“お隣さん”の危うい関係を描く作品。中でも、森山さん扮(ふん)する“二葉さん”には、「いい感じにくたびれたおとなの役でリアリティーある」「なんか色っぽい」「空気感が好き」といった声が続々と上がっている。シンガー・ソングライターとして活躍する森山直太朗さんの、役者としての魅力とは……。

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 ◇「人間の不完全さをあぶり出せる世界を描きたい」

 ドラマは、野村宗弘さんのマンガ「うきわ」(小学館)が原作で、社宅のベランダを舞台に、「不倫まで壁1枚」という、お隣同士の大人の男女の危うい関係を描く。門脇さんは、隣室に住む夫の上司に惹(ひ)かれていく中山麻衣子を演じ、不倫に揺らぐ人妻役に初挑戦。上司・二葉一を、森山さんが演じている。

 今作を手がけるのは、昨年10月期に放送された人気ドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(チェリまほ)」(同局系)でも知られる本間かなみプロデューサー。「チェリまほ」の風間太樹監督と再びタッグを組んでいることでも注目を集めている。

 SNSが活発になり、個人が声を上げられる時代になった一方で、あらゆる物事において「白か黒か?」のジャッジを下し、白以外のものを切り捨てるような空気が強くなっているように感じている、と話す本間さん。それぞれが考える善悪やモラルのボーダーは大切、としつつも、「それを正義として疑わず、世界を整理整頓していく怖さを感じていて。だからそのボーダーに触れられるような、整理整頓しきれない人間の不完全さをあぶり出せる世界を描きたいと思っていた」と振り返る。

 そんな中、原作と出合い、昨年の9月にドラマ化を企画。「(原作では)出てくる人たちが愛せるところばかりでなく、優等生じゃない。人間の毒や弱さや矛盾、ずるさも持ち合わせていて、それを否定も肯定もなく、ただただ誠実に描かれている。それがとても刺さりました」と原作の魅力を話す。

 ◇眼差しに“温かみ” 朝ドラ「エール」でも注目

 森山さんといえば、「さくら」などで知られるシンガー・ソングライターだが、昨年放送されたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」では、窪田正孝さん演じる主人公の恩師・藤堂先生を演じ、その芝居にも注目を集めた。同局の連続ドラマには初出演となるが、なぜ森山さんを二葉役に起用したのだろうか。

 「エール」での森山さんの演技を見て、「誰かを見る眼差(まなざ)しに温かみのある方だと思った」と印象を語った本間さんは、「二葉さんは、どこにでもいるような近所の人ですが、思わず身を委ねたくなってしまうような包容力の持ち主」と話す。「その親近感や包容力って、ある種の“隙(すき)”みたいなものだと思っていて、直太朗さんの温かみが、その隙をすてきなものにしてくださる気がして、オファーさせていただきました」と振り返る。

 そんな森山さんの撮影現場での様子について、「衝撃的に最高なお芝居をされる瞬間がある。あの起爆力はすごいと思います」と明かした本間さん。なかでも印象的だったのは、第2話(8月16日放送)で、二葉が、妻の浮気を麻衣子に告白したシーンだといい、「『僕も中山さんと一緒です』と告白するシーンのお芝居は、現場で風間監督、門脇さんと沸いたのを覚えています」と話す。

 ドラマについて、視聴者からは「うきわ最高によかった」「門脇麦と森山直太朗ってキャスティング最高」「さすがチェリまほの風間監督だなぁって思う空気感がすごく好き」といった声が上がっている。森山さんについて、「朝ドラ『エール』といい、演技うまいな」「俳優・森山直太朗が最高です」という意見も上がるなど、その役者っぷりも話題となっている。

 ◇「隙がある雰囲気」+「風情があるたたずまい」=絶妙な二葉さん

 役者としての森山さんの魅力について、「どんな相手も許容してしまいそうな人たらしのような隙がある」と表現する本間さん。「隙がある雰囲気って、意識して出せるものじゃないと思うので、直太朗さん独特の魅力だと思います」と分析。

 さらに、たたずまいに「風情がある」といい、「その隙と風情が、二葉さんの安心感だったり、時に見ている人をドキッとさせる絶妙な二葉さんを生んでくれていると思います」と話す。

 そんな森山さん演じる二葉に、どんどん惹かれていく門脇さん演じる麻衣子。8月30日放送の第4話では、初めて2人で外出した麻衣子と二葉が、向かい合わせの席に照れながら、話題は二葉夫婦の過去に及び……と展開する。

 「麻衣子と二葉さんの関係も変化していきます」と予告した本間さんは、「傷つくこと、傷つけることを恐れていた2人がその覚悟を持った時、物語がどう動いていくのか、最後までぜひ見守っていただければうれしいです」と視聴者に呼びかける。2人の関係の行方はもちろんのこと、森山さん演じる“二葉さん”がどんな顔を見せてくれるのか、楽しみにしたい。

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