おかえりモネ:チーフPも「正直驚いた」菅波人気 “俺たちの菅波フィーバー”をどう見た

NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」で坂口健太郎さんが演じている菅波光太朗 (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」で坂口健太郎さんが演じている菅波光太朗 (C)NHK

 清原果耶さん主演の連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)で、坂口健太郎さんが演じている若手医師・菅波光太朗が人気だ。ドラマには第1週から登場。どこか理屈っぽいけど根は優しく、ヒロイン・百音(モネ、清原さん)ら他者に対して、不器用ながらもとことん誠実な姿勢を見せる菅波の人柄に触れ、以前から「まんまと菅波沼にどハマりしてしまった」といった声は上がっていたが、ここ数週の菅波の一挙手一投足における盛り上がりは、まさに“フィーバー”と呼ぶにふさわしい。「俺たちの菅波」「デレ波」「イケ波」「ハートキャッチ菅波」…果たして、この空前の“菅波フィーバー”をドラマスタッフはどう見たのか。制作統括の吉永証チーフプロデューサー(CP)に話を聞いた。

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 ◇不器用に少しずつ距離を縮めていく様子を「じれったくも、応援」

 以前にも菅波人気を「予想以上」と語っていた吉永さん。物語の舞台が登米(とめ)・気仙沼から東京へと移ってからも、その人気は衰えるどころか、みるみるうちに上昇カーブを描き、特に百音との恋模様が結実した第16週(8月30日~9月3日)から第17週(9月6~10日)にかけて一気に爆発した印象だ。

 「(菅波は)もともと魅力的なキャラクターですが、ここまで“菅波ファン”が急速に増えたことは正直驚きました。モネとの関係で、菅波が、不器用に少しずつ距離を縮めていく様子が、じれったくも、応援したくなります。菅波の人間味が、回を重ねるごとにいろいろ見えてきて、皆さんどんどん“菅波沼”にはまってきたのかな、と思います!」

 菅波が視聴者から“俺たちの菅波”と呼ばれ(#俺たちの菅波)、ツイッターなどで盛り上がっていることについては「うれしいです!」と喜ぶ吉永さん。

 「ネットの反応は放送後にチェックしています。“俺たちの菅波”などのキーワードが話題になっているのは、励みになります。(9月3日放送の第80回で)モネを抱きしめた放送後に“モネだけの菅波”と書かれたツイッターを見たときには、笑ってしまいました。皆さんの感想を見ると、ドラマをいろいろな角度で楽しんでいただけているようで、うれしいです」と率直な心境を明かした。

 ◇独特の優しさ、相手を思う気持ちがこもった言葉… 菅波が支持される理由

 なぜここまで菅波は視聴者に支持されたのか。サメをこよなく愛する不器用男子ゆえの可愛さ、痛みを知っているがゆえのもろさ、いまだ“頭でっかち”ながら、時に意外な恋愛スキルを披露してみたり……。吉永さんの“個人的見解”も聞いた。

 「菅波の理屈っぽいところ、ちょっと素直でないところが、意外と皆さんのツボなのかなと思います。白状すると、私はこの理屈っぽさの良さが、初めは分かっていませんでした。菅波は、ストレートに『好き』とは言いません。菅波独特の優しさ、相手を思う気持ちがこもった言葉を言う。安達(奈緒子)さんの書かれたセリフが素晴らしく、それを坂口さんが、丁寧に大事に伝えている。そうしたことが支持される理由なのかなと思っています」

 そんな菅波を好演し続けてきたのが坂口さんだ。以前のインタビューで「朝ドラは1日15分なので、ちょっとずつ変化を見せていく必要がある。急激にキャラクターが変わらないようにしながら、変化を表現するさじ加減が難しいなと思いながらやっています」と語っていたが、この“ちょっとずつの変化”を坂口さんが丁寧に演じできたからこその、今の“菅波フィーバー”なのではないだろうか。

 吉永さんは「坂口さんは、現場でも共演者やスタッフを和ませてくれたり、場を明るくしてくれます。周囲のことをさりげなく、でもよく見ている人だと思います」とし、「そんな気遣いができる坂口さんは、演じる役に対しても非常に誠実です。菅波の考えや行動をしっかりと自分の中に落とし込んでいる。微妙な表情や表現を、実に見事に演じられる俳優さんです」と印象を語った。

 第17週の最後で、「あなたが投げるものなら、僕は全部取ります」と百音の思いを受け止めた菅波は、百音を東京に残して登米へ。この物理的な“距離”は今後の2人にどう作用するのか。終盤へと向かう物語と共に「俺たちの菅波」の動向に引き続き注目だ。

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