SixTONES松村北斗:初の朝ドラで「翻弄された」 余白の許されない芝居に苦戦 作品に込める期待も

11日1日スタートのNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で雉真稔を演じるSixTONESの松村北斗さん (C)NHK
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11日1日スタートのNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で雉真稔を演じるSixTONESの松村北斗さん (C)NHK

 女優の上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さんの3人のヒロインで、11月1日から放送されるNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。本作で、上白石さん演じるヒロイン・橘安子の運命を動かしていく大学生・雉真(きじま)稔を演じるのが、人気グループ「SixTONES(ストーンズ)」の松村北斗さんだ。朝ドラ初出演となる松村さんに、オーディションでの抜てきや、「余白が許されないことに翻弄(ほんろう)された」と語る新たな芝居への挑戦について聞いた。

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 ◇出演決定は“まさかの知らせ”で メンバーからも反響

 「カムカムエヴリバディ」は、朝ドラ史上初の3人のヒロインが織りなす100年のファミリーストーリー。昭和、平成、令和の時代に、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母、母、娘の3世代親子を描き、上白石さんが祖母の安子、深津さんが母のるい、川栄さんが娘のひなたを務める。松村さんが演じるのは、名家・雉真繊維の長男で、英語が堪能な好青年。家業の繊維業を海外に展開させようと志している、という役どころだ。

 本作への出演はオーディションで決まったという松村さん。「実は決定する前に、もう一回オーディションがありそうだと言われていたんですが、滝沢(秀明)くんから先に『頑張ってね』と声をかけられて、『決まったんですか?』という(笑い)。それでマネジャーさんに直接聞きました」と裏話を明かす。

 出演が発表され、メンバーからも反響があったといい、「一番最初に反応したのは田中樹。わざわざ電話してきてくれて、『すげえじゃん』って。でも、作品とか役について説明している7割くらいで切られました。たぶんそれをやりたくて電話してきたんじゃないかな(笑い)」と仲の良さをのぞかせ、「普段からよくあるので特に気にならなかったですけど、たぶん僕がどういう役かは、いまだに分かっていないと思います(笑い)」と話した。

 ◇「余白が許されず翻弄」 朝ドラでの演技に苦戦

 松村さんは今回が朝ドラ初挑戦。撮影を通して「朝ドラでしか体験できないことがたくさんあると知りましたし、そこで芽生えたものが他の作品や、お芝居以外の分野にも伸びていくような強いパワーを感じました。本当に貴重な体験で、これからもこの仕事を続ける上での強みになりました」と、感慨深い様子で語る。

 具体的には「こんなに1話をぎゅっと短く毎日放送するのは朝ドラしかない。30分、1時間、2時間のドラマとは作り方が全く違って、1話1話に展開があり、メッセージがあり、台本も濃密」といい、「それを必死に理解して表現するのが難しくて、余白が許されないことに翻弄(ほんろう)されました」と苦労をにじませる。

 「朝ドラというとのほほんとしたイメージでしたが、実際の現場は目まぐるしく、15分の1話の中でさえ喜怒哀楽がコロコロ変わっていく。書くほうも演じるほうも怪物みたいだと思いましたね」と驚きを明かした。

 ◇「もっと成長して帰ってきたい」 芽生えた自覚、責任感も

 そんな松村さんは「朝ドラを経験できたことは、自分のこの先にすごく意味があった。いつかもっともっと成長して帰ってきたいと思う場所で、僕個人で言うと経験できただけで十分でした」と振り返る。

 「ただ、対外に目を向けていくと、僕のことを初めて知る方はたくさんいて。そういった方々にとってはもちろん未熟に映ると思うけど、まずはドラマをいいと思っていただけたら、作品に対して恩を返せるのかなと。さらに、そこから応援してみようと思っていただければ、メンバーにも何か返せるのかなと思いますね」と期待を込める。

 「朝ドラを通じて祖父母と同じ会話ができるというファンの方の声にもハッとさせられました。自分を媒介して世代を超えて同じ話ができるんだと。そういう自覚や責任感も生まれましたね」と語った松村さん。未経験の現場に翻弄されながら作り上げていった雉真稔に会える日を楽しみに待ちたい。

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