菅田将暉さん主演で公開中の映画「CUBE 一度入ったら、最後」(清水康彦監督)に出演している山時聡真さん。演じたのは、“部屋”に閉じ込められた主人公・後藤裕一(菅田さん)の弟・後藤博人で、「『好き』という感情を持ちながら、憎むのはつらかったのですが、その感情を忘れないで、弟としているということを意識しました」と振り返る。また、「キーパーソンみたいな感じで登場するので、より印象に残る演技をしたかったというのもあります」とも明かす山時さんに話を聞いた。
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「CUBE 一度入ったら、最後」は、1997年に公開されたヴィンチェンゾ・ナタリ監督による密室スリラー「CUBE」のリメーク作。突然閉じ込められた、何の接点もつながりもない男女6人が、理由も分からないままに、殺人的なトラップをかいくぐり、“外”へと脱出を試みる姿を描く。菅田さんのほか、杏さん、岡田将生さん、田代輝さん、斎藤工さん、吉田鋼太郎さんがメインキャストを務めた。
博人役の山時さんは2005年6月6日生まれの16歳。2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で、主人公の一人、田畑政治(阿部サダヲさん)の子供時代を演じ、同年の「少年寅次郎」、2020年の連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」といったNHK作品に出演。特に「エール」では、悲しすぎる最期を迎えた“ハーモニカ少年の弘哉くん”として視聴者に強い印象を残した。
「CUBE」での博人については「すごく不幸な役で、今まで自分が遭ったことがないような“不幸さ”をどう表現すればいいのか、というのがあった」といい、「どれだけ印象が残る演技ができるか、出てきたときに『この子はどんな子なんだろう』と、想像してもらえるような表情をするというところを意識しました。。菅田さんの弟として、想像を膨らませてもらえるような表情の演技。ただ一瞬しかない中で、より印象に残る演技をするというのは難しかったです」と明かす。
また作品を通じて「博人の不幸な姿を見て、改めて(現実の)自分の幸せさに気付いた」という山時さんは、「劇中での死に方が普通じゃないのと、恐怖に陥ると人ってすごく人格が変わるんだなとか。普通に生きていると想像しにくい怖さというか、いろいろな怖さが詰まった映画にはなっていると思います」と語った。
今年は「CUBE 一度入ったら、最後」公開以外にも、「青のSP(スクールポリス)-学校内警察・嶋田隆平-」(カンテレ・フジテレビ系)、「ここは今から倫理です。」「ひきこもり先生」(共にNHK)、「生徒が人生をやり直せる学校」(日本テレビ系、「24時間テレビ」内)といったドラマへの出演が相次いだ山時さん。その一つの転機になったのが、ちょうど1年前に出演した朝ドラ「エール」だという。
「『エール』は自分にとって新たな出発点というか、『加速させてくれた』と感じています。これまでもありがたいことに印象に残る役が多かったみたいなのですが、『エール』ではすごくいい経験をさせていただいたなと思っています。大河ドラマでも、朝ドラでも、次はより大きな役で戻ってきたいです」
俳優業以外にも服のモデルやCM出演、ナレーションも経験し、成長著しい16歳は、「また違った分野で活躍したいというのもあるのですが、でも将来は先輩方のように、日本アカデミー賞で主演男優賞をもらえるような俳優になりたいです」と目を輝かせる。
また「自分のためにも、仕事のためにも、英語はしゃべれるようになりたい」という山時さんだが、仕事を離れれば普通の高校1年生。
「『意外』ってよく言われるのですが、めちゃくちゃ明るい性格で、友達からは『ムードメーカー』ってよく言われます」といい、「切り替えはできるほうなのですが、うるさいくらいはしゃいじゃうときもあって。もちろん勉強はしっかりとやりつつ、楽しんだもの勝ちかなとも思っているので、残りの高校生活もちゃんと楽しみたいです」と少年らしい笑顔を見せていた。
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