田中みな実:「自分の芝居を見るのが怖い」 「最愛」制作陣は“田中みな実”封印を依頼

連続ドラマ「最愛」に出演するフリーアナウンサーで女優の田中みな実さん(C)TBS
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連続ドラマ「最愛」に出演するフリーアナウンサーで女優の田中みな実さん(C)TBS

 連続ドラマ「最愛」(TBS系、金曜午後10時)に、フリーライターの橘しおり役で出演するフリーアナウンサーで女優の田中みな実さん。11月19日放送の第6話のラストでは、しおりが真田梨央(吉高由里子さん)に「やっと会えましたね。この日を待っていました」と近づく展開で、注目を集めた。今作を手がける新井順子プロデューサーや、塚原あゆ子監督に「田中みな実さんらしさを全面的に消してほしい」と言われたという田中さんに、撮影現場でのエピソードを聞いた。

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 ◇「役を固めすぎて、肩に力が入っていた」

 ドラマは、殺人事件の重要参考人となった実業家の真田梨央、その初恋の相手で事件の真相を追う刑事・宮崎大輝(松下洸平さん)、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士・加瀬賢一郎(井浦新さん)を中心にしたラブサスペンス。

 田中さん演じる橘しおりは、フリーランスのノンフィクションライター。元大手新聞社の記者で、真田グループの闇を追っている。第6話では、しおりの旧姓は松村で、渡辺康介(朝井大智さん)の暴行事件の被害者リストに松村栞(しおり)の名前があったことが判明。2005、2006年には、白山大陸上部との合同合宿に参加していたが、2006年に一時休学。その頃、両親が離婚している。

 しおりについて、「目的に向かってまっすぐで、社会性を手放したような人」と表現した田中さん。「手段を選ばず、アウトロー。証拠を手に入れるためには、窓を割ってまで建物内に侵入するような危険な人物です。自分の命も惜しくないほどの覚悟で真田グループと梨央に迫ります」と説明する。

 また、制作陣からしおりの過去や、梨央に執着する理由を聞き、「自分なりにすごく考えた」という田中さんは、「考えすぎて、役を固めすぎて、肩に力が入っていたことは自覚しています」と話す。

 ◇芝居を否定しない塚原あゆ子監督 OKテークが出ても後悔の連続

 今作は完全オリジナル作品。先の展開が読めない中、人物の心情を想像するのは容易ではなかったという田中さんは、「しおりの出演シーンは本筋と離れたところで描かれることも多く、余白の部分をどう埋めればいいのか、ずいぶん頭を悩ませました」と話す。

 そんな中、塚原監督が演出した回のDVDが配られるときには、全体に向けたメッセージと、個人に宛てた手書きのメモが書かれていることがあり、「それは、しおりを演じるうえでの大きなヒントになっています」と話す。

 「塚原さんが私の芝居を否定することはありませんでした」と明かした田中さん。塚原監督は、具体的な指示というより、「そうです、そうです。いい感じです。方向性はそっちです。ただ、こうするともっとしおりの気持ちが伝わると思うんです」と寄り添いながら演出をして、ヒントを与えてもらったといい、「最終的には私に委ねるというやり方でした」と明かす。

 しかし、田中さん自身はOKテークが出ても「もっとこうできたんじゃないか……」と直後から後悔の連続だった。「その繰り返しです。完成した本編のデータを放送前にいただいても怖くて観られないことがほとんどで。自分の芝居を見るのが怖いんです。こんなことは初めてで戸惑っています」と続ける。

 ◇加瀬の言動にキュンキュン

 「昔からドラマを見るのが好き」という田中さんは、一視聴者としても楽しんでいる。「自分が出ているシーン以外は楽しく拝見しています。特に加瀬さんの言動にはキュンキュンしっぱなし。ひとりで『きゃあ~』と色めき立っています(笑い)」とにっこり。

 撮影現場では、「加瀬キュン」「大キュン(宮崎大輝にキュン)」という言葉が登場しているといい、「それでいうと私は“加瀬キュン”です。あくまでも役柄としてで、おふたりとも大変魅力的な俳優さんです!」と話す。

 一方、心地好い距離感で、現場にいる一人一人とコミュニケーションを取っているという吉高さんについては、「吉高さんがいると疲れ切ったスタッフまでもが皆笑顔になるんです」と明かしながら、「あっけらかーんとしているようで、実は現場を引っ張っているその様はカッコイイんです、本当に」と話す。

 田中さん自身も、吉高さんと接するうちに「気付いたらふわっと肩の力が抜けていました」という。「吉高さんがあまりにもおかしくて『ひょうきん者ですね』と私がつぶやくと、『ぴったりの言葉を見つけたねぇ。ひょうきんでっすー(笑い)』と変なポーズをしていました」とやりとりを明かしながら、「でも、芝居になると、パチーンとスイッチが入って梨央の顔に。次々感情が湧きでてくるんです」と続ける。

 最後に、田中さんは「第7話(11月26日放送)ではしおりが、なぜこれほどまでに梨央と真田ウェルネスに執着するのか、彼女の過去も含め明かされます。しおりだけでなく、ほかの登場人物の思惑や意図も徐々に表面化されていきますので、ご注目ください」とアピール。「見終わった後、心地よい疲れが襲ってくるほど、物語は急展開していきます。最後までご覧ください」と呼びかけていた。

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