カミオト‐上方音祭‐:大型音楽番組、なぜ関西ローカル? 番組P語る「東京とは異なる音楽のお祭り」

大型音楽特番「カミオト‐上方音祭‐」のロゴ=読売テレビ提供
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大型音楽特番「カミオト‐上方音祭‐」のロゴ=読売テレビ提供

 5時間超の大型音楽特番「カミオト‐上方音祭‐」が、5月28日午前11時55分から読売テレビで放送される。人気グループ「なにわ男子」「Aぇ! group」、アイドルグループ「NMB48」、上沼恵美子さん、倖田來未さん、西川貴教さん、青山テルマさん、大塚愛さん、岡崎体育さんら関西ゆかりのアーティストが大阪に集結し、パフォーマンスする。これだけの大型音楽番組が、全国ネットではなく、関西ローカルで放送されるのは、極めて異例だ。同局の多賀規恵(のりえ)プロデューサーに、制作の経緯や関西ローカル放送の狙いなどを聞いた。

 ◇「関西に音楽でエールを!」がテーマ、2021年の初回は世界トレンド1位に

 「カミオト‐上方音祭‐」は2021年にスタートした大型音楽特番。今回のトークナビゲーターはお笑いコンビ「海原やすよ ともこ」、スペシャルサポーターは「Aぇ! group」、イベントナビゲーターは「ニューヨーク」、番組進行は澤口実歩アナウンサーと佐藤佳奈アナウンサーが務める。

 在阪局は、お笑い番組や情報番組の制作スタッフが多い半面、音楽番組の制作に従事するスタッフは少ない。だが、読売テレビは在阪局にもかかわらず、毎年11月に日本テレビ系で全国放送される音楽特番「ベストヒット歌謡祭」(前身は「全日本有線放送大賞」)を制作するテレビ局だ。「カミオト」は「ベストヒット歌謡祭」とほぼ同じスタッフが制作しているという。

 「カミオト」の企画が立ち上がった経緯について、多賀プロデューサーは、「コロナ禍で『ベストヒット歌謡祭』の休止を余儀なくされた2020年秋、在阪局として音楽を届ける姿勢をなんとか続けたいという思いで『カミオト-上方音祭-』が立ち上がりました」と説明する。

 「初回2021年5月の放送時、コロナはまったく収まっておらず、ミュージックシーン全体が厳しい時代に突入していました。そこで『関西に音楽でエールを!』をコンセプトに、今だからこそ新しい音楽特番で関西を盛り上げたいという思いで、アーティストの皆さんにお声がけさせていただきました」と語る。

 だが、「コロナ禍で、しかも関西ローカルで音楽特番を作るということは想像以上にハードルが高く、第1回の生放送終了時、無事放送を終えたことに全員で安堵(あんど)したことを覚えています」と振り返る。そんな苦労も実り、初回の放送は、関西ローカルながらもSNSの世界トレンドで1位を獲得し、視聴者から大きな支持を得た。2回目の今回は、放送時間を3時間から5時間に拡大し、さらなる発展を目指す。

 ◇生かされた「ベストヒット歌謡祭」の経験

 「カミオト」が成功した理由に、同局が長年「ベストヒット歌謡祭」を制作し続けてきた経験が大きいという。「音楽番組は制作・技術・美術などすべてのチームで、バラエティーとは異なるノウハウやスキルが必要です。読売テレビは53年にわたり音楽番組を作り続けてきた歴史があり、そのノウハウを先輩から後輩へと伝承してきています」と説明する。

 「在京キー局はレギュラー的に歌唱演出をする音楽番組があるので、毎週その経験ができることは私たちからするとものすごくうらやましいことなのですが、私たちは年に数回のその機会にすべてを注ぎ込んでいる感じです」と熱く語る。

 ◇関西らしくアーティストが心置きなくしゃべれる空間に

 SNSなどでは、関西地区以外の放送を望む声も大きい。関西ローカル放送の理由について、多賀プロデューサーは「『音楽』は人生の1ページに欠かせないもので、生活に密着しているものだと思っています。だからこそ、関西の地には東京とは異なる“関西らしい音楽のお祭り”があってもいいのではないかと。そして関西出身のアーティストの皆さんに『あ~、地元に帰ってきたな』と心置きなくしゃべってもらえる空間も関西ローカル放送ならではの良さかなと思っています」と語る。

 関西色の打ち出し方で工夫した点は、「アーティストの皆さんの生のトークと、地元を意識したスペシャルな演出」だという。

 「トークナビゲーターを務めていただいている海原やすよ ともこさんは、言わずと知れた関西の超人気芸人さんですが、やすともさん自身が音楽好きということもあり、アーティストの皆さんも、やすともさんと一緒だと思わず冗舌になるんです」

 今回は、倖田さんが京都、西川さんが滋賀へと地元に凱旋(がいせん)して、地元のものや人とコラボレーションしながらステージで歌う企画「ジモトカミオト」企画も。また、大阪を拠点に活動するアイドルグループ「NMB48」は、吉本新喜劇とのコラボレーションで「てっぺんとったんで!」を披露するなど、関西らしさを打ち出した演出も予定している。

 コロナ禍をきっかけにスタートした関西ローカルの「カミオト」。今後、「ベストヒット歌謡祭」と同様に、毎年恒例の特別番組として定着するだろうか。同局の挑戦は、まだ始まったばかりだ。

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