石子と羽男:プロデューサーが語る“新しい有村架純”への期待 幅が広い中村倫也の演技にも注目

「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」第1話場面カット(C)TBS
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「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」第1話場面カット(C)TBS

 女優の有村架純さんと俳優の中村倫也さんがダブル主演を務め、7月8日にスタートする連続ドラマ「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」(TBS系、金曜午後10時)。コミカルなリーガルドラマで、主演の2人のどのようなところに期待したのか。2人を取り巻く他のキャストたちの現場の様子も含めて、演出の塚原あゆ子監督、プロデューサーの新井順子さんに聞いた。

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 ドラマは、東大卒ながら司法試験に4回落ちた崖っぷちの法律事務員・石田硝子(石子、有村さん)と、一発合格した高卒の弁護士・羽根岡佳男(羽男、中村さん)がコンビを組むオリジナル作品。正反対のようでどこか似た者同士の2人が、さまざまなトラブルに挑む中で、自らのコンプレックスと向き合いながら成長する姿をコミカルに描く。

 有村さんとは2018年放送の「中学聖日記」でタッグを組んだ新井さんと塚原監督。有村さんの起用理由について、新井さんは「『中学聖日記』で一緒にやらせていただいたこと、そしてコミカルな有村架純さんが見たかった」と、「中学聖日記」で演じた末永聖とは違ったキャラクターを演じる有村さんの姿に興味を抱いたという。

 中村さんについては「『メグたんって魔法つかえるの?』(2012年、日本テレビ系)での演技が好きなんです。中村さんが演じた役は、パンツが見えると記憶が飛ぶというキャラクターで(笑い)。かっこいい中村さんもすてきですが、あのようなコミカルな中村さんが見たいと思ったんです」と理由を話す。

 演出の塚原監督は、これまでの撮影を振り返り「有村さんは今までの路線とは違い、コミカルなせりふ回しで、新しい表情豊かなキャラクターになっています。中村さんは羽男のような役をやったことがない、ということはないと思います。コミカルなだけではなく、羽男のバックボーンや抱えているものを意識しながら、中村さんだからこそできる幅の広い演技をしていただいています。有村さんもですが、コミカルな作品の中でお二人のぐっとくる表情も注目です」と2人の演技力に舌を巻く。

 ◇さだまさしは「なんで俺?」 キャスティング時の反応も明かす

 本作には、シンガー・ソングライターのさだまさしさんが、石子の父で、弁護士の潮綿郎(うしお・わたろう)役で連続ドラマに初めてレギュラー出演するほか、赤楚衛二さん、お笑いタレントのおいでやす小田さんら、脇を固めるキャストも個性的なメンバーがそろっている。

 さださんのキャスティングについて、新井さんは「意外性のある方にしたかった」と言い「28歳の石子の父親くらいの年代で、スペシャリストの俳優さんはたくさんいらっしゃいますが、遊び心をどう出せるかと考えたときに、お芝居もやるけれど多方面に才能がある人がいいと思ったんです。さださんはお芝居もやっている印象で、連ドラ初レギュラーというのは私も知りませんでした(笑い)」と明かす。

 さださんからは「なんで俺?」という反応があったことを明かし「お芝居がすごく自然なんです。芝居なのか? 素なのか?と感じますし、小田さんとの掛け合いではアドリブ合戦がすごくて(笑い)。あんなに楽しい会話はできないです」と自然な演技を見せているという。

 赤楚さんは、中古車販売店で働く販売員の大庭蒼生(おおば・あお)。小田さんは、父親が営む蕎麦店「そば処 塩崎」で働き、綿郎と仲が良い塩崎啓介(しおざき・けいすけ)を演じる。

 赤楚さんについて、塚原監督は「良い意味で役に染まっていない感じのリアクションをするんですよね。頭で考えて演技をするタイプではなく、気持ちで動いているんだろうなと思います。心で芝居をしている感じを見てほしいです」と話す。

 小田さんに対しては、「小田さんは小田さんなんですよね(笑い)。カメラが回っていない時も小田さんとしていてくれるので、現場がガチガチにならない。素のままでいてくれるので、ありがたいですし、カッコいいです」と小田さんの明るさが現場にも良い雰囲気を与えてくれている。

 ◇コミカルの中にある現代社会の問題に沿った作品テーマ

 「石子と羽男」の制作決定の経緯を聞かれた新井さんは「当時、私は重いテーマの作品をやっていて、キャラクターが面白い弁護士ものをやりたいなと思ったのがきっかけです。弁護士ものは大きな事件を取り扱うことが多いですが、小さな事件を取り扱ってそれが大きく展開していく物語は新しいものになるかなと思います」と、今までにないリーガルドラマを届ける自信を見せる。

 そして「いま現在法律改正されているようなテーマにも踏み込んでいます。最近、ニュースで聞くような問題につっこんでいますので、2022年の夏にお届けするにはぴったりなドラマのテーマになっています」とアピールした。

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