俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)。8月21日放送の32回「災いの種」では、主人公・北条義時(小栗さん)と比奈(堀田真由さん)との離縁が描かれた。
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北条が比企一族を滅ぼし、義時の妻でありながら、比企の血を引く比奈は、北条にとって「災いの種」となってしまった。そこで比奈は義時に「ずっと考えていました」と切り出すと、「私は比企の血を引く身でありながら、比企を滅ぼす手伝いをしてしまいました。このまま鎌倉に残ることはできません」と考えを打ち明ける。
続けて比奈は「私を離縁しようというのでしたら、この起請文(きしょうもん)がある限り、それは許されません。誓いを破れば小四郎殿(義時)は地獄に落ちる。全身の毛穴から血が噴き出して苦しんで死にます」と忠告した上で、「小四郎殿に、そんな恐ろしい目に遭ってほしくありません。ですから決めました。私からお願いいたします。どうか離縁してください」と涙ながらに頭を下げる。
さらには「本当は小四郎殿の許しなんていらないのです。でも、こうしてお話しするのはせっかくだから。せっかくだからって言い方もおかしいですけど……」「ああ……もう嫌だ。泣くつもりはなかったのに、いけませんね」と強がる比奈を、後ろから抱きしめる義時。比奈は「あの時と同じ。富士の巻狩り。イノシシに追いかけられて、小四郎殿は抱きしめてくださった。同じぬくもりなのに、おかしなものですね。あの時と何も変わらないのに……」とあふれそうになる思いを「けじめ、けじめ」とせき止め、出かける義時を「行ってらっしゃいませ!」と笑顔で送り出す……。
“その後”の比奈については、長澤まさみさんのナレーションで、「北条義時の正室は、比企のゆかりの者。姫の前という名で歴史に刻まれている。比企が滅亡した年、鎌倉を去り、4年後、京で生涯を終えたという」と語られ、ドラマからの“退場”が示唆された。
比奈役の堀田さんは“義時との別れ”について、「正直、演じていてもつらいなと本当に思いました」と明かし、「本当は別れたくないけれど、別れないといけないという時代であって、自分自身が比企と北条の懸け橋としていろいろな葛藤も、もちろんありましたし。でも義時さんも、私自身がそばで見ていて、葛藤だったり悩むことだったり、抱えていらっしゃることは見て分かったので。私自身がここで覚悟して、一歩踏み出さなければいけないんだろうなという気持ちでやっていました」とシーンを振り返る。
さらに堀田さんは、「こちらもすごく支えているようで、きっと比奈自身も義時さんに支えられている部分というのはすごく大きかったと思います」といい、「ずっと変わらず比奈にとっては義時さんが唯一無二の存在で、最後の『行ってらっしゃい』という言葉は、今までの感謝とこれからどんどん大きくなられる背中にエールみたいなものを、彼女なりに伝えられたらいいなと思って、そういうふうに演じました」と語った。
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