赤楚衛二:「可愛さ」「かっこよさ」にとどまらない魅力 数々の思いを瞳で語る 初の朝ドラ「舞いあがれ!」への期待

NHKの連続テレビ小説「舞いあがれ!」に出演する赤楚衛二さん(C)NHK
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NHKの連続テレビ小説「舞いあがれ!」に出演する赤楚衛二さん(C)NHK

 女優の有村架純さん、俳優の中村倫也さんダブル主演の連続ドラマ「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」(TBS系)で、大庭蒼生を演じた赤楚衛二さん。10月3日からスタートするNHKの連続テレビ小説「舞いあがれ!」で朝ドラデビューも決まるなど、日本のドラマ・映画界に欠かせない俳優の一人になっている。“ロス”の声も集まる大庭を演じた赤楚さんの魅力とは何だろうか? 「石子と羽男」での好演からひもといていく。

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 赤楚さんは、ウェブサービス「ガンガンpixiv」で連載中の豊田悠さんのマンガを実写化した「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(チェリまほ)」で連ドラ単独初主演を果たし、童貞のまま30歳を迎えたことで「触れた人の心が読める魔法」を手に入れた、さえないサラリーマン・安達清を熱演した。町田啓太さんが演じる、安達をけなげに思い続ける一途(いちず)なエリートイケメン・黒沢優一との純愛を繊細に、時にコミカルに表現し、深夜放送にもかかわらず、SNSなどで爆発的な人気を集めた。

 2021年は、7月期の連続ドラマ「彼女はキレイだった」(カンテレ・フジテレビ系)で、ヒロインを思う同僚・樋口拓也を好演。続く10月期には「SUPER RICH」(フジテレビ系)で再び町田さんと共演し、“子犬系男子”の春野優を演じた。

 ◇当て馬と思いきや……の驚き 可愛さ抜いた演技が高評価

 赤楚さんは、当初「石子と羽男」の第1話に出演することだけが発表されていた。しかし大庭は勤めていた中古車販売店を退職し、第2話以降は潮法律事務所でアルバイトをしながら勤務先を探すという役どころで、赤楚さんもメインキャストとして物語を彩った。

 第2話では、雨が降る中、傘を持たない石子(有村さん)に「一緒に行きません?」と優しく傘を差し出して“相合い傘”をする。視聴者からは「赤楚君の可愛さが詰まっている」と、本作の中でも、記憶に残る胸キュンシーンになったのではないだろうか。

 一方第4話で、石子と羽男(中村さん)の距離感が縮むシーンが描かれたものの、石子にひそかに思いを寄せている大庭はそれをただただ切なく見ているだけだった。SNSでは“当て馬のかがみ”とも言われた4話だったが、赤楚さんはこのときのシーンを「(羽男への)嫉妬とかはなく、仲間に入れない。2人は仕事ができるのに、大庭はそこに入れないコンプレックスだったり、力不足を表現できたらという思いでした」と、恋とは違った感情を演技に乗せていたことを語っている。

 そして、同話では就職の面接が決まった大庭が、石子に対して元気な声で「行ってきます!」といい、潮法律事務所を出発する場面も盛り込まれていた。本作を手がけた新井順子プロデューサーは「『行ってきます!』と言ったシーンはすごく良い表情でした。大庭の可愛い感じを抜きたいと思っていたので、あれは(石子が)付き合ってもいいんじゃないかと思えるような表情だったと思います」と、これまでどこか“可愛く”描かれていた大庭が、かっこいい男に“変身”した瞬間でもあった。

 その後第6話で、なんと石子が大庭の告白を受け入れ、晴れて2人は付き合うことになった。「完全に振られると思ってた」とSNSでも驚きの声が上がったが、可愛いだけではなく、かっこよさも持ち合わせる大庭を、赤楚さんがうまく演じたからこそ、この結末に説得力も増したのではないだろうか。

 ◇「瞳に物語が詰まってる」 せりふなしで伝える演技力

 赤楚さんのファンにとっては、今さら感があるかもしれないが、今回は大庭の“瞳の動き”にも注目が集まった。

 第9話で、大庭は弟の拓(望月歩さん)をかばうために警察に逮捕される。最初は面会に来た羽男に対しても何も語らず、ただただうつむき、うつろな目をしていた。その後、石子の手紙で彼女の思いを知った大庭は、真実を打ち明ける。そして、誤認逮捕だったことも分かり、釈放された大庭は、空を見上げながら警察署から出てきた。

 空と同じく晴れやかな目をした大庭からは、せりふはなくとも、出てこられてホッとした感情に、弟の無実が証明されたこと、愛する石子、尊敬する羽男と再び会えることへの喜びなどさまざまな思いがうかがえ、視聴者からも「瞳に物語が詰まってる」と赤楚さんの演技を受け取った声が上がっていた。

 ◇高まる「舞いあがれ!」への期待

 「石子と羽男」を通して、「可愛い」もあれば、告白のシーンで見せたかっこよさ、会社運がなくちょっとだまされやすい部分もある純朴さも含めて、大庭のさまざまな魅力を演技で発信してくれた赤楚さん。

 その赤楚さんが、いよいよ朝ドラに出演する。「チェリまほ」のブームから、多くの人々を魅了する大庭さんだが、まだ彼を知らない人、演技を見たことない人もいるだろう。老若男女問わずファンがいる朝ドラで赤楚さんは、ヒロイン・岩倉舞(福原さん)の幼なじみ・梅津貴司を演じる。気は優しく好青年だが、「普通」であることになじめない性格で、後に舞にとって心のオアシスのような存在になっていく役どころだ。

 出演発表時には「僕の演じる貴司はとてもセンシティブで自分の世界を持っています。夢に向かって生きる舞ちゃんの幼なじみとして、肩肘張らずに背中を押してあげられる存在になれたらいいなと思っています。見終わったあとに皆様がすてきな一日を過ごせるような作品になりますよう頑張ります!」とコメントした赤楚さん。

 可愛さ、純朴さ、かっこよさ、瞳の表現力……そして「もっと見たい!」と思わせてくれる演技。朝ドラでは、まだ見せていない赤楚さんの演技が見られるのではないかという期待、多くの人が赤楚衛二の魅力に気づくのが楽しみでならない。

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