俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)。ドラマは次週第39回「穏やかな一日」(10月16日放送)から“最終章”へと突入する。前週第38回「時を継ぐ者」(10月2日放送)では、主人公・北条義時(小栗さん)が父・時政(坂東彌十郎さん)を乗り越え、鎌倉幕府の二代執権に就任。姉・政子(小池栄子さん)とともに政治の実権を握るという“世代交代”が描かれたが、その裏ではりく(宮沢りえさん)が、“憎めない悪女”として存分に振る舞い、視聴者から「宮沢りえ劇場」といった声が次々と上がった。
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第38回では、激しさを増す北条親子による主導権争い。時政とりくは、三浦義村(山本耕史さん)に命じて実朝(柿澤勇人さん)を屋敷へと連れ込み、鎌倉殿の座を娘婿・平賀朝雅(山中崇さん)へ譲るように迫る。対する義時は、泰時(坂口健太郎さん)、時房(瀬戸康史さん)、八田知家(市原隼人さん)らを引き連れ、時政の屋敷を包囲。攻め込む機会を慎重に見定めていた。
実朝に起請文(きしょうもん)を書くことを拒否され、追い詰められた時政。そんな時政から「鎌倉を離れろ」と言われるも、「嫌です!」と涙を流したりく。その後、義村の手引きで、政子(小池栄子さん)の元へと身を寄せると、時政が一人で死を選ぶことを察し、「こたびのこと、たくらんだのは全て私。四郎殿(時政)は、私の言葉に従っただけ。悪いのは私です」と自分に非があること認め、政子を時政の所へと走らせる。
実朝を解放した時政は、知家に自刃を阻止され、処分を待つことに。一方、りくといえば、お別れの言葉を言いにやってきた政子と実衣(宮澤エマさん)を前にし、「北条に嫁いでいい思い出なんか一つもない」と毒を吐くも、伊豆山権現に3人して身を寄せていた頃の思い出話に花を咲かせ、最後は穏やかな表情で「お世話になりました」と深く頭を下げる。
義時の妻・のえ(菊地凛子さん)の訪問を受けた際にも、北条の人間とうまくやっていく秘訣(ひけつ)に、「無理やり、なじもうとしないこと」「あとは誇りに思うこと」の二つを挙げ、「私は北条に嫁いだことを誇りに思っていますよ」と言い切ってみせたりく。
そんなりくの、最大の見せ場となったのが、鎌倉から伊豆へと向かう直前の義時との会話だ。自分を暗殺しようとした義時にりくはこう告げる。「安心なさい。私はもうあなたのお父上(時政)を、たきつけたりしないわ」と――。
そう言ってるそばから、りくは「ああ、悔しい! もう少しでてっぺんに立てたのに! でもね、私の中の火はまだ消えておりませんから。このまま坂東のど田舎で朽ち果てるなんて、真っ平ごめんだわ」と本音を漏らし、義時も苦笑い。
「あらやだ。こんな品のない言葉、使ったことないのに」と自分に驚くりくに、「あなたはとっくに坂東の女子だ」と言い残して、その場を去ろうとする義時だったが、ここでりくは、「手の届く所に大きな力があるなら奪い取りなさい。歯がゆいったらありゃしない。何に遠慮しているのです。小四郎(義時)、いいですか。あなたはそこに立つべきお人。これは義母からのはなむけ」と、一気に思いを伝えてみせた。
SNSでは、当然のように「いやーーもう宮沢りえ様劇場だった」「今回はりく殿、宮沢りえさん劇場でした……」「皆さん素晴らしかったけど私的には宮沢りえ劇場だったな。あっぱれ!」といった感想が次々と書き込まれ、「義時が二代目執権になる最後の後押しをするのは政子ではなく、りく殿だったんだよなあ。こういうの、うまいよなあ」などと視聴者を感心させた。
10月9日は、特別番組「『鎌倉殿の13人』応援感謝!ウラ話トークSP ~そしてクライマックスへ~」が放送される。
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