海に眠るダイヤモンド
第5話 一島一家
11月24日(日)放送分
福原遥さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」(総合、月~土曜午前8時ほか)。第3週「がんばれ!お父ちゃん」(10月17~21日)では、ヒロイン・舞の子供時代を演じた子役の浅田芭路ちゃんから、成長した舞に扮(ふん)する福原さんへとバトンが渡った。視聴者が「ロス」になるほど人気を博した“ちび舞”=芭路ちゃんへの反響を、名シーンと共に振り返る。
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芭路ちゃんは2013年生まれの東京都出身。これまで映画「約束のネバーランド」(2020年)やNetflixシリーズ「新聞記者」(2022年)などに出演。前作の朝ドラ「ちむどんどん」にも、智(前田公輝さん)の妹役で登場していた。
第1週(10月3~7日)では、原因不明の熱に悩み、東大阪から祖母・祥子(高畑淳子さん)が暮らす五島へ行くこととなった舞。五島の学校では、校外学習で磯で生き物を調べることになったが、母・めぐみ(永作博美さん)は「舞、磯は初めてやろ。大丈夫? 無理はせんへえがいいけど」と心配する。
悩む舞に、活を入れたのが祥子だった。「まだ1回も舞の気持ちを聞いたことがなか。舞はどがんしたかとね?」と尋ねると、舞は「行きたい」と初めて自分の気持ちを告げる。
やがて舞を残してめぐみが東大阪に帰ることになり、舞は「私と一緒にいてたら、お母ちゃんしんどそうやから。お母ちゃん、私にここ残ってほしいと思てる。そやから、帰られへん」と大粒の涙。SNSでは「グッとこらえる舞ちゃんの表情が良かった」「朝から舞ちゃんの涙にもらい泣きしてしまった」と確かな成長を感じられた瞬間だった。
第2週(10月10~14日)では、島に残った舞と祥子の2人暮らしがスタート。一太(野原壱太君)から借りたばらもん凧を壊してしまったり、皿洗いで食器を割ってしまったり、学校に遅刻してしまったり……。失敗の連続だったが、祥子は「できんことは、次、できるようになればよか」とアドバイス。舞も、祥子の言葉に励まされ、自分のやりたいことをやるようになっていった。
ある日のこと、妊娠中の一太の母・莉子(大橋梓さん)が、急に激しい陣痛に襲われる。助けを求められるた舞は、無我夢中で祥子もとへと駆けだしていった。以前「走ったらダメだよ」とめぐみから言われていた舞が、誰かのために頑張る姿に、SNSでは「舞ちゃんが頑張って走る姿に涙でした」「きょうも頑張ろう!って思えた」と元気を受け取った視聴者も見受けられた。
五島での日々を経て、心身ともに成長した舞。東大阪に戻ってきた第3週では、可愛がっていたウサギのスミちゃんが死んでしまったことを聞かされ、同じく飼育係の久留美(大野さきちゃん)がクラスメートから「ウサギ殺し」と言われていることを知る。
久留美のために何かできないかと考えた舞は「スミちゃんが死んだん、望月さんのせいちゃうで。ウサギは急に死ぬことがあんねんて。自分の病気、飼い主にも隠そうとするから。そやから、望月さんのせいじゃない」と励ました。
このときも「舞ちゃんのあの一言で久留美ちゃんがどれほど救われたか」「久留美が仲間外れなのを心配して、言葉をかける舞が五島に行く前とは別人のよう」といった反応があった。
一方で、父・浩太(高橋克典さん)の工場の経営が悪化。忙しそうにしているのを感じ取っていた舞は、浩太を驚かせるためにこっそりと模型飛行機作りに取り組む。
必死に模型飛行機を作る姿に、SNSでは「お父ちゃんを元気にしたいピュアピュアな舞ちゃんが可愛い」という声もありつつ「チビ舞ちゃんロスが怖い」といった声が日に日に高まる中、ついに模型飛行機を作り上げた舞は、家族の前で初飛行を披露する。
その後、舞と浩太は飛行機が近くで見られる“魔法の場所”へ。舞は「すごい! ぐんぐん近づいてくる!」と大興奮。近づいてきた飛行機を見上げるシーンを最後に、10年の時を経て舞は18歳に……。
視聴者からは「ちび舞ちゃんの最後の表情は、キラキラした期待と希望に溢(あふ)れた笑顔。良かった良かった」「子役の舞は出番を終えましたが名女優でした!」「子役舞ちゃん、あと2週間くらい見たかったなあ」と、別れを惜しむ声が続出した。
「舞いあがれ!」では、子役が第3週の最後まで登場したが、「ちむどんどん」「エール」「なつぞら」「半分、青い」など、多くの作品が第2週もしくは第3週の途中で子役から大人のキャストへと変わっている。第3週の最後まで子役が登場するのは、レアなケースとも言える。
本作では、東大阪から五島へ、さらに五島から東大阪へと場所を移しながら舞が悩み、成長する姿が丁寧に描かれていた。福原さんも「ちょっと弱い部分もありますが、根本の部分にはもっと強い人間になりたい、自分が周りの人を笑顔にしたいという人一倍強い思いを持っています」と舞のことを語っているように、その土台をしっかりと作ってくれた3週間に思えた。
そこで視聴者が期待するのは、芭路ちゃんら子役の再登場だ。前作の朝ドラ「ちむどんどん」でも、4兄妹の子役が孫に“転生”するシーンが描かれ「最後に子役たちが見られてよかった」といった声が上がった。「舞いあがれ!」でも、人気を集めた子役たちが再び登場となれば、盛り上がるのは間違いないだろう。
ともあれ、この3週間のドラマの人気ぶりは芭路ちゃんの活躍抜きにはなし得なかったことだ。視聴者に元気と勇気を与えてくれる演技を見せてくれた芭路ちゃんに感謝を送ると共に、バトンを受けた福原さんがどのように“舞いあがる”のか、今後の放送も期待が高まる。
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