鎌倉殿の13人:「義時であろうとも討つ」 山本耕史が語る三浦義村の“変わらない姿”

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の一場面(C)NHK
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NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の一場面(C)NHK

 俳優の小栗旬さん主演のNHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)で、北条義時(小栗さん)の盟友・三浦義村を演じた山本耕史さん。一介の武士でしかなかった義時が、源頼朝(大泉洋さん)との出会いをきっかけに、運命に翻弄(ほんろう)されていったのとは対照的に、「最初から最後まで変わらなかったのが義村」と山本さんは話す。その義村を演じる上でのポイントや、約1年半もの撮影を共にした小栗さんのすごさを聞いた。

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 ◇義村の“変わらない姿”を表現するため、メークも変えず

 山本さんいわく、義村は“出る杭(くい)は打つ”という考えを持っており、相手が盟友であろうとも容赦ない面があると分析する。

 「北条が頼朝をかくまうときも『首をはねてしまえ』とか『疫病神』と言います。義時に対しても『頼朝に似てきたぞ』と言うので、闇落ちしていく義時に対しても、考え方はまったく変わらない男だと思っています。出てきた杭は義時であろうとも討つ。そこに迷いがないのが気持ちいいですよね」

 その義村の“変わらない姿”を表現するために「メークを変えていない」という。

 「年齢を重ねると白髪を出したり、老けメークをしたりすることもありますが、ドラマの中で変わらないことを表現するために、僕が提案しました。義村の思想や容姿に関しては第1回から統一しています」

 義村の迷いのなさが、三浦の存続につながったという山本さん。

 「北条、和田、比企など、やっぱり義村がすごい人物だったからこそ頼られると思うんです。三浦が味方になるほうが残っていくのが史実でも分かりますし、今回の大河ドラマも“生き抜いた”という感覚なんです」

 ◇小栗旬は「最初の義時みたいな男」 誰にでも気遣いができる優しさ

 「新選組!」(2004年)で土方歳三を演じた際も、近藤勇役の香取慎吾さんを隣で見続けた山本さんは、大河ドラマ主演の重さを知る一人で、大変な仕事を終えた小栗さんをねぎらう。

 「精神的にも体力的にも大変なのは間違いない。その上で、(小栗)旬君は先輩たちにも気遣いができるし、後輩たちの良い受け手でもあって。旬君自身も人に何かをするのが好きなタイプだと思いますが、本当に最初の頃の義時みたいな男ですよ」

 今回の撮影は、小栗さんとは近すぎず、遠すぎずの「良い距離感でやれた」と言い、「『あまり語り合わなくていいよね?』と。でも、通じ合うところは通じ合ってやれたと思います。旬君も40歳を手前にして、ベテランになりつつ真ん中にいる立場として、優しさもあり、後半の義時のような厳しさも見えて、彼のいろいろな人間性が見られました」と振り返った。

 ◇「最後の最後で通じ合った。もしくは最初に戻った」義時と義村の最後のシーン

 第45回(11月27日放送)で“鎌倉最大の悲劇”とされる源実朝(柿澤勇人さん)の暗殺事件が描かれ、物語はいよいよ終幕へと向かう。

 最終回の台本を読んだときの感想を尋ねると、義時との最後の会話のシーンは「腑(ふ)に落ちた感じがする」と言い、「覚悟をもった会話で、最後の最後で通じ合った。もしくは最初に戻ったようなすてきなシーンになっていると思います」と見どころを語った。

 変わっていった義時と、変わらなかった義村。“盟友”だった2人がどのような最後の言葉を交わすのか、放送を楽しみに待ちたい。

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