三谷幸喜:「鎌倉殿の13人」で向田邦子賞 「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」読み返し執筆 過去に受賞辞退

第41回「向田邦子賞」を受賞した三谷幸喜さん(C)東京ニュース通信社
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第41回「向田邦子賞」を受賞した三谷幸喜さん(C)東京ニュース通信社

 優れた脚本家に贈られる「向田邦子賞」(同賞委員会、東京ニュース通信社主催)の第41回選考会が4月4日、東京都内で行われ、三谷幸喜さんが2022年のNHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」で受賞した。

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 受賞後の記者会見で、三谷さんは、過去に同賞受賞を辞退したことを明言。「向田さんは一番尊敬している先輩。その方の賞を若輩者の自分がもらっていいのか真剣に考え、人間がダメになるのではないかと思い、その時は辞退させていただいた。そうしたら、その後まったく音沙汰がなくなり、今年いただくことになり、本当にうれしい」と喜びを語った。

 鎌倉幕府の二代執権・北条義時(小栗旬さん)が主人公で、御家人たちの激しい権力闘争を描いた同作。今回の授賞理由について、主催者は「鎌倉時代初期の北条一門に華々しいヒーローはいない。歴史上に名はあるが顔は見えない。『鎌倉殿の13人』の三谷幸喜氏は、これら普通の人々に個性ある表情と現代に通じる軽快な言葉を与え、北条義時をはじめ、その一族の人間臭い複雑な心理を見事に描いて、150年に及ぶ時代の礎を築くプロセスを喝破した。その手腕はさすがというほかない」と絶賛。

 選考委員で、第26回受賞者の坂元裕二さんは「大河ドラマ、三谷幸喜さんというブランドでありながら、こんなにも向田邦子さん以外が書いたもので、向田邦子さんを感じたものは初めて」と語った。

 向田作品との関わりについて、三谷さんは「大好きで『鎌倉殿の13人』を書くにあたり、向田さんの『寺内貫太郎一家』のテイストを何とか大河に入れたいと思い、何度も読み返した。『阿修羅のごとく』も読み返し、自分の中ではかなり蓄積になっているので、指摘していただいたのもうれしく感じている」と語った。

 「向田邦子賞」は、向田邦子がテレビドラマの脚本家として、数々の作品を世に送り出し活躍してきた功績を讃え、現在のテレビ界を支える優秀な脚本家に贈られる賞として、1982年に制定。前年度に放送されたテレビドラマを対象に選定・表彰する。

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