井之脇海：水を飲めず、食料もない極限状態シーンの撮影　「想像だけでなく、肉体的なアプローチも」

　金曜ドラマ「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」（TBS系、金曜午後10時）に出演する俳優の井之脇海さん。同じ電車に乗り合わせた乗客たちが突然、未来の荒廃した世界にワープしてしまい、水も食料もない極限下で懸命に生き、元の世界に戻ろうとする姿を描く作品で、井之脇さんは大学院生の加藤祥大を演じている。「（ドラマ放送後に）いろいろな世代の友達から『本当に面白い』と言ってもらえました」と喜びを語る井之脇さんに、撮影で感じた思いを聞いた。

ウナギノボリ

解説：新たな“最高峰”を目指したガンプラ　45周年のこだわりとは

　◇一見、温和で穏やかに見える大学院生役

　ドラマは、「恋はつづくよどこまでも」「着飾る恋には理由があって」（共に同局系）などを手がけた脚本家、金子ありささんによるオリジナル作品。8時23分、いつもと同じく都心に向かう電車の一両が、未来の荒廃した見知らぬ世界にタイムスリップ。同じ車両に乗り合わせた見ず知らずの客たちは水も食料もない極限下をサバイバルし、元の世界に戻ろうと奮闘する。

　4月21日に第1話が放送されると、緊迫のサバイバル展開に、期待の声が上がった今作。井之脇さんの元にも反響が届いており、友人からは「自分だったらどうするか考えた」といったメールを受け取ったという。

　井之脇さん演じる加藤は、有名大大学院農学部の生命科学科で研究する大学院生。一見、温和で穏やかに見えるが、実は気難しくて友達が少なく、ひとりの時間を好む人物だ。

　独り言が多い役といい、「説明的なセリフをしゃべるんですが、相手の目を見て話してしまうとコミュニケーションが滞りなくできる人に見えてしまうので、視線をちょっと外して。でも、みんなに声が聞こえないといけないので、『テンションが上がっちゃって大きな声で話している』というふうに見えるように気をつけていました」と話す。

　そんな加藤について、井之脇さんの友人からは「僕は加藤くんとは友達になれない」と言われてしまったといい、「役作りとしては成功なのかな？と思いつつ、加藤というキャラ自体は愛してもらいたいので、寂しい気持ちもありました（笑い）」と思いを明かす。

　◇極限状態のシーンの撮影「ホントにしんどい思い」

　第2話（4月28日放送）では、極限状態を皆で乗り切るため、各々の持ち物を出し合い、平等に再分配することに。しかし、優斗（赤楚衛二さん）が食料と水を集め始めた矢先、大量の飲み物が入ったカートを誰かが持ち去った痕跡が見つかり……と展開した。

　水を飲めず、食料も何もないという極限状態のシーンの撮影では、座長の山田さんを中心に、撮影に支障をきたさない程度に「水を控えてみよう」という話になったという。「想像だけでなく、肉体的なアプローチとして実際に作ってやったので、そのときはホントにしんどい思いをしながら……」と振り返った。

　シーンや、ロケ地などにもよるというが、撮影は和気あいあいとした雰囲気で行われている。明るい専門学校生・米澤大地役を演じる人気グループ「なにわ男子」の藤原丈一郎さんとは、野球の話などで盛り上がっているといい、「『なにわ男子』を勝手に応援しているので、共演がうれしくて。（藤原さんが）フレンドリーに話しかけてくれるので、いろいろディスカッションしながら、いい距離感で作れています」と話す。

　そんな井之脇さんに、もしドラマのような出来事に巻き込まれてしまったら、自身はどう振る舞うと思うかを聞いてみた。「自分で言うのもあれですけど、優斗っぽい感じかな？　状況を整理して、できることをやれるだけやってみようと。みんなに『こうしてみませんか？』と提案する。優斗のようにリーダーシップを取れる自信はないですけれど、タイプとしてはそっちだと思います」と話していた。