山下智久:「常に場外ホームランを狙っている」 海外進出で得た気づきは

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 大型国際連続ドラマHuluオリジナル『THE HEAD』Season2」でエンディングテーマを担当している山下智久さん。アキ・コバヤシ役として出演したSeason1は、自身初の海外ドラマ作品となったが、「レイヤーを意識することを学び、瞬間にフォーカスする力が強くなった。キャストにもスタッフにも恵まれて最高の初めての作品になった」と話す山下さんに、楽曲制作や前シーズンを通じて得たもの、自身の活動スタイルやキャリアを重ねる中での変化を聞いた。

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 ◇役作りの新たな手法を体得

 前作に引き続きエンディングテーマを手がけたことを、山下さんは「うれしいし光栄」と喜び、オファーの経緯を、「プロデューサーのラン(・テレム)さんから電話がきて、『今週中にデモ用意できる?』と言われた(笑い)。デモ曲を集めてランさんに送ったところ、切なさをテーマに作った曲をピックアップしてくれた」と明かす。

 作詞は「スリルの中に切なさも深く描かれている作品だと思い、僕は切なさの部分をピックアップした」と重視したポイントを語り、「『復讐に燃えることはいいことなのか。許していくことも必要なのでは』を裏テーマに、自分の中で感じた気持ちも踏まえて作詞しました」と説明する。

 Season1を含め海外作品での撮影を通じ、山下さんは「一つの役を作るときには、いろんな意見があった方が面白い」と感じたという。

 「いろんな国の監督とディスカッションして、それぞれの視点をすり合わせていくと、より深いところで役を作っていけるし、カルチャーを越えた部分でフィットするものはワールドワイドに届けられるものになる。そういうディスカッションは楽しい」

 Season2には福士蒼汰さんが出演。アドバイスしたか聞くと、山下さんは「できる立場ではないです」と謙遜。帰国後に福士さんと話す機会があり、「(福士さんは)いい経験だったと言っていた。武者修行じゃないけど一人で違うカルチャーの中に入って作品を作る経験は、僕にとっても福士君にとってもいい経験。そこで得た良いものを日本でも広げていけたら」と力を込める。

 ◇「悩むようなものはやらない方がいいのかな」

 海外での活躍も増える中、山下さんは「ここ10年ほどで、さらに世界の境界線がなくなってきていると感じている」と自身の印象を口にする。

 「日本だけではなく世界中の人々に届けられるものをという意識改革をしていかないといけないという気づきはありました。Huluさんのように届けられるプラットフォームがあるのは、僕ら日本人にとっても大きなチャンス。自分の中の感覚も磨いていきたい」

 世界を見据える山下さんだが、キャリアを重ねていく中で「物理的な時間も必要だと考えるようになった」と仕事への向き合い方の変化を明かす。

 「例えば本番1回しか撮れないのと5回撮れるのは違う。良いものを作るには、そういう物理的な違いも時には必要。自分が関わる作品では、そういった要素もちゃんとしていきたいと思うようになりました」

 さらに作品選びに関しても、「一つの作品に入ると短くても3~4カ月、1年の3分の1が必要。そう考えると悩むようなものはやらない方がいいのかなと。そこは慎重になったし、こだわりも持たないといけない」と切り出し、「量をこなすのも大事ですが、今は量より質に向かっていくタイミング。自分の中で納得したものをキャリアとして積み上げていきたい」と語る。

 そんな自身について、山下さんは「子供の頃から、なるべく遠くに、と思っていて。遠くを描かないと、そこに進めない。なるべく大きいビジョンを描いています」と分析し、「野球に例えると、ツーベースヒットは狙っておらず、場外ホームランを狙ってスリーベースだったというマインド。とりあえず常に場外を狙っています」と笑顔を見せた。

 「Huluオリジナル『THE HEAD』Season2」は、Huluで独占配信中。毎週土曜新エピソード追加、全6話。(取材・文:遠藤政樹)

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