らんまん:脚本家もうなる神木隆之介の“アドリブ力” 衝撃を受けた「ズギャン」

連続テレビ小説「らんまん」の一場面(C)NHK
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連続テレビ小説「らんまん」の一場面(C)NHK

 神木隆之介さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「らんまん」(総合、月~土曜午前8時ほか)。脚本を担当した長田育恵さんが、神木さんの“アドリブ力”をたたえると共に、キャスト陣への感謝を口にした。

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 「らんまん」の物語を紡いできた長田さんにとって、どのシーン、どのキャラクターも「愛着がある」という。その中でも、万太郎(神木さん)が東京で寿恵子(浜辺美波さん)と再会して「ズギャン!」と言ったシーンに、衝撃を受けたことを明かした。

 「神木さんが『ズギャン!』を言葉にしてくれたことで、あのシーンがとてもチャーミングになったと思います。それを受けて、竹雄(志尊淳さん)も『ズギャン』と言ってくれました。私が脚本に込めた思い、『ここでときめきが起きる』という合図を、俳優たちが工夫を凝らしてくれて実現してくださいました。とても楽しかったです」

 俳優のアドリブ力では、寿恵子を演じる浜辺さんにも驚かされたという。

 「寿恵子がダンスレッスンを始めたときに、クララ先生(アナンダ・ジェイコブズさん)から筋トレをさせられます。そのシーンで、寿恵子が『寿恵子、トライ!』と言っているのは浜辺さんのアドリブです。この物語における寿恵子のテーマは最終話まで“寿恵子トライ”の連続ですから、寿恵ちゃんが自分の生涯のテーマを自ら言葉にしていたのは感動しました」

 そんな主人公とヒロインを演じきった神木さんと浜辺さんには感謝の思いが尽きないという長田さん。

 第87回(8月1日放送)では、東京大学を追放された万太郎が田邊(要潤さん)から「二度と来るな」と告げられ、夜道をとぼとぼと歩き、明け方に家に到着する……というシーンが描かれた。長田さんは「台本を書くのが難しかった」と明かすが……。

 「神木さんが眼差しや表情で言葉に出来ない想いを表現してくださいました。万太郎はらんまんですが、壮絶に孤高でもある。孤高だからこそ、誰かと繋がり合ういとおしさや切なさをよく知っているんです。万太郎は自分で選んだ道であるが故に、弱音を吐くことを許されないキャラクター。とても難しい役だったと思いますが素晴らしく演じてくださいました。万太郎の優しさや気高さを見事に体現してくださって、本当にうれしかったです」

 「浜辺さんはこれ以上ない、役者さんだと思います。寿恵子は武士だった父と花柳界で頂点を極めた母の元に生まれ、町人として生きながらも、スケール感の大きさや、りりしさも持ち合わせている女性です。万太郎と同じく、どんどんトライをする精神や彼女の明るさ、バイタリティーを浜辺さんが演じてくださったと感じています」

 いよいよ物語もクライマックスが迫ってきた。長田さんは「最終週は最初から決めていた仕掛けがあり、“継承”が大きなキーワードになっています」と明かす。

 「万太郎が植物図鑑作りを頑張るのも、標本を次の世代に手渡すため。最終週は万太郎の人生の開花の時期が終わり、次の世代に、どう実を残していけるかという話になります。『らんまん』の物語は、すべての登場人物が最後まで冒険を続けます。万太郎、寿恵子、それぞれの冒険を楽しみに見守ってください」と視聴者にメッセージを送った。

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